令和6年度6月議会補正予算案について/賛成討論 | 鯖江市議会議員 帰山明朗(かえりやま あきお)のブログ

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先日、鯖江市議会6月定例会は閉会。最終日には上程された議案について議員全員にて採決。令和6年度鯖江市一般会計補正予算をはじめとする議案6件を可決、2件を承認。また請願1件については継続審査と決しました。

 

そのうち、令和6年度6月議会補正予算案(総額6億8千20 万円)について、採決を行う前に私は賛成の立場で※討論に参加しました。

(※討論とは採決を行う前に議題に対して賛成または反対の意見を述べ、他の議員の賛同を求めること)

 

その中では特に、嚮陽会館を複合交流施設とするための整備に必要となる基本設計費の2千350万円、そして、その実施設計費として、債務負担行為補正 (令和6年度~7年度)として、 6千190万の合計は85,400,000円について、賛成に至った意見を述べて賛成をしたところです。

 

今後の鯖江市の大きな課題の一つは老朽化が進む市内各公共施設などインフラの更新、長寿命化、統廃合を適切に行い、最適な配置を行っていくことは大変重要です。今回の嚮陽会館の議案はそうした意味でも、大変大きな意味を持っていますので、議案賛成の際の私の討論させていただいた内容について以下に記しておきたいと思います。

 

「賛成討論」

議案第 41 号「令和 6 年度一般会計補正予算(第 1 号)」。に対し、賛成の立場で討論いたします。

 

この補正予算額は 6億8千20 万円。補正後の予算総額を、304 億 1 千20 万円とするものです。

 

そのなかで、特に、嚮陽会館における複合交流施設整備に関する部分である、第1表 歳入歳出予算補正中、款2・総務費、項1・総務管理費の、複合交流設備費について、また、第2表 債務負担行為補正 (令和6年度~7年度)について、自分なりの意見。要望も交え、議案第41号全体に賛成の立場で討論いたします。

  

この議案41号の補正予算案には、嚮陽会館を複合交流施設とするための整備に必要となる基本設計に 2千350万円を計上、そして、その実施設計費として、債務負担行為補正 (令和6年度~7年度)として、 6千190万円を計上。合計は85,400,000円を計上しています。

 

この予算は、現在の嚮陽会館を、耐用年数まで今後40年間安全に利用するとともに、屋内型子どもの遊び場、市民活動交流センター機能を加えた複合交流施設として整備するために基本計画を前年度に策定し、新たな嚮陽会館は、ホール機能を中心とした「文化」的要素に加え、新たに「子どもの遊びと学び」、の要素、「市民活動」の要素の3つが一体となった複合交流施設としようとするもので、市内初となる屋内型子どもの遊び場を整備し、「子どもとともに、多様な人が集い、新たな交流や連携を育んでいく」拠点づくりを目指していますが、その基本計画に基づいての嚮陽会館複合交流施設の基本設計と実施設計の費用、総計8千5百40万円を盛り込まれたものです。

 

今議会でも、その補正予算案の中のその費用について、審査を行う中で様々な議論がなされましたが、そもそも、3つの施設を複合化することについての是非、複合化の必要性についても、大きく問われたものと感じています。

 

その点について、少し私なりの意見を述べたいと思います。

今の本市が抱える課題には様々なものがありますが、嚮陽会館をはじめ、老朽化した公共施設の管理の今後の在り方が、大きなひとつであることは、論を待たないと思います。

今回テーマとなっています、嚮陽会館は築40年が経過、経年による老朽化が進むとともに、社会情勢の変化の中で、利用者のニーズに沿っていない部分も出ており、ホールや会議室等の稼働率も低くなっています。

また、鯖江市民活動交流センターも築46年が経過し、老朽化が進んでいます。

 

本市も厳しい財政状況が続く中で、今後、人口減少等により公共施設等の利用需要が変化していくことも予想されます。

行政の役割として、市内の公共施設等の全体の状況を把握し、長期的な視点をもって、更新・統廃合・長寿命化などを計画的に行うことにより、財政負担を軽減・平準化するとともに、公共施設等の最適な配置を実現することは、今後、極めて重要です。

 

本市の公共施設等総合管理計画では、「地域情勢や市民ニーズの変化、利用状況などを考慮し、継続して保全していく施設については計画的に長寿命化を進めるとともに、市民活躍の場としての機能を有する施設となるよう、複合化などによる有効活用を検討する」ことが示されています。

また、今年度よりスタートした本市の中期まちづくり計画である「鯖江市デジタル田園都市構想総合戦略」においては、屋内遊戯施設を整備し「すべての子どもに健やかで安心・安全に成長できる環境づくりを進める」ことが明記されているところです。

 

また、令和5年の9月議会での私の一般質問で、嚮陽会館を複合施設とすることでの施設整備に係る費用面での効果について、当時の総部部長は以下のように答弁しています。

「複合化することによっての費用面のメリットは、施設単独で全面改修をするよりも、複合化による包括的な改修のほうが総工事費は圧縮されると考えている。また、複合化することにより利用できる優良な交付金あるいは地方債が考えられ、市の持ち出しも少なくなると考える。さらに、運用開始後のランニングコストについても、施設を複合化することで、各種の基本料金や施設の維持管理費などの固定費が大幅に圧縮できるというメリットもあると考える。」

との答弁がなされています。

 

鯖江市の人口は2050年には約58,749人まで減少、今より約1万人減少すると推計されています。人口減少には様々な悪影響がありますが、財政面でも大きな影響を与えます。

一例として、公共施設など生活インフラの、市民一人あたりの維持管理コストが増大することが想定されています。

こうしたことは、本市の大きな懸念材料の一つであり、市内公共施設等の全体状況を把握し、長期的な視点をもって、更新・統廃合・長寿命化などを計画的に行い、財政負担を軽減・平準化し、公共施設等の最適な配置を実現することは、未来に、子や孫につけを回さないためにも、今、極めて重要です。

 

そうした意味でも、嚮陽会館の複合交流施設としての整備計画は、時宜を得たもの、今後の鯖江市の施設整備方針についてベターなチョイスであると一定の評価をしますし、今回の補正予算中の、その基本設計、実施設計に係る経費について、理解します。

 

ただし、その必要性・基本的な方針、それにもとづく予算案については理解しますが、その執行に当たってはいくつか要望をしておきたいと思います

 

まず、市民の人からの意見をよく聞いてほしいということであります。

市民活動交流センターの中では、市民主役所構想が上がってきている中で、いろんな提言がされています。

屋内遊戯場の整備についても、やはり、いろんな意見が出ております。

嚮陽会館利用者の方からも同様であります。

いくら費用面でメリットがあっても、期待される市民サービスが結果として低下しては何にもなりません。

今後の段階においても、市民と行政の間で実のあるやり取りを行い、様々な立場の子供から大人まで多様な意見を踏まえ、広く市民のご理解をいただきつつ設計していくことが、3つの施設の複合化整備には、何より大事かと思いますので、この点については強くお願いをしておきたいと思います。

 

もう一点は、適切な指定管理業者の選定と、施設整備への反映を、施設設計と並行し、適切な時機を逸すことのないようにしてほしいということです。

鯖江市でおそらく初めてである、こうした3つの施設の複合施設の指定管理業者の選定に際しては、非常に難しいものとなろうと予想します。

施設基本計画には、こう記載されています。

「施設の利用促進や既存の指定管理業者等の地元関係者の参画・連携など有効な施設整備につなげていく管理運営体制の強化が大変重要となりますが、事業提案内容等について配慮事項等を明確にし、募集・選定していくことが必要であるとともに、運営業者の意向を設計面に活かしていくため、設計段階で先行して選定を実施する方向も含めて今後検討していく必要がある」

私もまさにその通りだと考えます。ハードの設計の進捗と同様か、もしくはそれ以上に、施設の指定管理の在り方や、施設で行う事業の内容、配慮が必要な事項などソフト部分を、早期に市が明確にして、管理運営、指定管理業者の選定などを行う必要があると考えますので、この点についても要望しておきます。

 

最後の点として、嚮陽会館整備とともに、西山公園との連携強化や駐車場機能の強化等を一体的に検討し、周辺地域の観光資源等と連携など、嚮陽会館とその周辺地域のまちづくりと連携した、一帯を見渡しての大きな視点でのグランドデザインについても施設設計ともに早期に検討し示していくべきものと考えますので、この点についても要望しておきます。

 

そうした中で、新しい嚮陽会館が複合交流施設として、県内外の他の自治体からも、あの施設は良い、参考としたいなどと、これからの鯖江市のシンボルにふさわしい、ワクワクする夢のある施設となるように、多様な市民の方から愛され、親しまれ利用される施設となることに大きく期待します。

 

議案第 41 号「令和 6 年度一般会計補正予算(第 1 号)」中、第1表 歳入歳出予算補正中、款2・総務費、項1・総務管理費の、複合交流設備費、また、第2表 債務負担行為補正について、賛成いたしますし、いま述べた以外に計上された補正予算についても、市民福祉向上や市の発展につながるものと賛成いたします。

 

来年は市政施行70周年という節目の年にあたります。色んな課題はありますが、より良い鯖江市の未来へと邁進する市長ならびに市職員の皆様の、なお一層の奮起を期待し、鯖江市の更なる飛躍と発展を切に願い、以上、私の賛成の討論といたします。