Vol.155-1/3に続けてご覧ください。
湖東三山—-西明寺(さいみょうじ)
天台宗の寺で、平安時代、仁明天皇の勅願により三修上人が開山したと伝えられている。門をくぐると参道が続き、山坊跡の石垣が散在しており、平安、鎌倉、室町時代を通じて祈願・修行道場として栄えたことがうかがわれる。本堂は、鎌倉時代初期に建立され、釘を一本も使わない純和風建築で、鎌倉の様式がよく保存され、国宝に指定されている。本堂の右方に立つ三重塔は、総桧の優美な姿の塔といわれ、初層内部に極彩色で金剛界の三十二菩薩など鎌倉時代の極楽浄土が描かれている。本堂と同じく釘を一本も使わない純和風建築で、国宝に指定され、正面両脇に増長天、持国天を祀る二天門は、室町時代に建立され、重要文化財に指定されている。
▼参道
▼苔と落葉、紅葉
▼二天門、国宝三重塔
香嵐渓(こうらんけい)
巴川の両岸は約4000本ものカエデで覆われ、水面を紅一色に染め上げる。
11/1~12/2までは「香嵐渓もみじまつり」が開催され、様々なイベントが楽しめるほか、夜はライトアップされる。
▼待月橋の付近、香嵐渓広場
▼桧茶屋、香積寺の参道
▼つり橋(香嵐橋)
▼もみじのトンネル
南禅寺(なんぜんじ)
南禅寺は京都観光では人気が高く、とくに桜・紅葉の名所として有名である。
桜・紅葉のシーズン中はさらにたくさんの観光客が訪れるが、広大な寺域内には三門、方丈庭園、南禅院などがある。
三門の前に建つ石燈篭(左の写真)も高さ6mを誇り、日本一大きいことで知られている。
5間3戸の荘厳な構えの三門は高さ22mで、別名「天下龍門」と呼ばれ、日本三大門の一つに数えられる。
廻り縁からは京都の北西部が見渡せ、すばらしい眺めで、石川五右衛門が歌舞伎で「絶景かな」と称した眺めだが、実際には石川五右衛門がいた時代には三門はまだ再建されていなかった。
法堂(はっとう)は、三門を入り正面に建っている。法堂内部の中央には釈迦如来像・文殊菩薩・普賢菩薩の三体がまつられている。
▼法堂、三門
▼境内の紅葉
南禅寺の境内に立つエキゾチックなレンガ造りの疎水橋(そすいきょう)の水路閣(すいろかく)は、明治21年(1888年)に建設され、美しいアーチを描く全長93mの橋で、琵琶湖疏水の設計者の田辺朔郎が設計したが、古代ローマの水道橋が手本となっている。水路閣は現在でも水を運ぶ疎水として活躍し、京都の代表的な風景のひとつになっている。
京都の川はみんな南に向かって流れるが、水路閣の疎水は不思議なことに北に向かって流れている。
▼水路閣1
▼水路閣2
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