【採卵日】
いよいよ迎えた採卵日、準備は万全にしたものの、不安や怖さでそわそわだった。全身麻酔でするので帰りは車を運転しないように言われていたので、この日は夫に休みをとってもらった。わたしは割と急な休みもとりやすいが、夫はシフト制なため難しく、今まではしたことなかったけれど、今回だけは会社に事情を話して無理を言って休みにしてもらった。というのも、直前まで採卵日が決まらず、当初言われていた予測日よりずれたため、休みの調整が大変でした。普段怒ったりイライラしない夫だけど、この件ばかりは、イライラさせてしまった。人間の体だから、予定通りにはいかないよね。ごめんね。
【言葉】
採卵前に病衣に着替えたり点滴をするのですが、準備を手伝ってくれた看護師さんが、「緊張してる?なるようにしかならない。淡々と、おいしく栄養とって、ゆっくり休んで、それだけでいい。あとは私達に任せてたらいい」と声かけてくれてとても救われたのを今でもよく覚えている。
【もだえる】
点滴しながら徒歩で手術室(?)に移動し、台に座る。院長先生がすでに待っていて、何やら音楽がかかっていたのが印象的だった。先生が消毒しますと言い、結構な勢いでジャバジャバと消毒され、すでに痛いかもと思っていたら、看護師さんに麻酔しますと言われて針をさされた。直後すぐ意識がなくなって、何も知らない。遠くで名前を呼ばれて、体がストレッチャーからベッドに移動したような感覚が途中であった。はっきり意識がもどったときは、最初に着替えた部屋のベッドの上だった。知らぬ間にパンツもはいている(預けていたのを看護師さんがはかしてくれている)と思ったやいなや、強烈な気持ち悪さに襲われる。気持ち悪くて気持ち悪くてもだえた。しばらくすると看護師さんがきて、紙パックの麦茶をくれた。のんだら少し楽になったけど、まだ全然動けなかった。ふと、色々安心し、涙がでてきた。結果はどうであれ無事終わってよかったと思った。こんな痛さを乗り越えたんだから、もう何だってできると思った。昨夜夢で、亡くなった祖父がでてきて応援してくれたのを思い出し、ありがとうって心の中で念じた。
わたしの他に二人、採卵者がいたが、わたしより後に採卵しているはずなのに、次々と着替えて帰っていった。早く出なきゃと焦ったけど、動けない。ふらふらしながら何とか着替え、看護師さんを呼んで退室した。お腹あたりが痛くて、背中をまるめるような姿勢でしか歩けなかった。おばあちゃんの歩き方のような。後がこんなに大変だとは思ってもいなかった。