ひと粒の種。
秋.
冬野菜の種蒔きは
既に始まっている…。
胡麻のように
小さな種から
想像もつかないくらい
大きな野菜に成長していく過程は
育てているものの目には
明らかに分かる…。

小さな小さな
双葉。
あまりにも
頼りなく
はかなく…
だけど
それも束の間で
気づけば
ちょっとの虫喰いにも
負けない強い野菜へと
成長していく…。
ひと粒の種。
僅かな種。
その命の力は
本当に
とてつもないパワーを
宿している…。
ひと粒の種。
小さくて
意識しなければ
落としてしまいそうな…
だけど
一度
大地に蒔かれた種は
やがて
必ず
芽を出していく、
条件さえ
整うならば。
それは
生き方も同じだ、と
私は
思う。
小さな種。
それは
この瞬間瞬間の
自分自身の想いの在り方。
その
想いの在り方が
種蒔かれ、
やがては
言葉となり
行為となり
耳に聞こえ
目に見えるものとなるとき…
様々な出来事となっていく。
想いというひと粒の種。
それは
どんな種なのか
一瞬一瞬
私達が
静かに静かに
注視していくなら…
周りの状況に
振り回されず
自分自身の想いを整え、
言葉を厳選し
行為を見つめることで
世が…
「現実」と言っているものの現れが…
どんどん
変化していくと
私は
思っている。
やることは
いつも
足元から。
今日も
畑の中で
命を見つめ
私を観る。

MOE