こんちは
23年秋頃からSSD高騰が続いていましたが、最近落ち着いてきた印象がありました。
しかし、また残念なニュースが出てきました。
SSDは10~15%値上げ・HDDも5%値上げ
今回の発端はWestern Digital(WD)です。
あなた、サムスンに乗じて値上げしたよね?
23年12月頃から価格上昇
各メーカーが交代で値上げしていくのかと疑いたくもなります。
NAND減産も増収した各メーカー
半導体不足かと思えば、今度は過剰生産してしまった各メーカー達は減産し在庫調整を行っていました。在庫処分で価格暴落を招いた無計画なメーカー達ですが、しっかり増収していました。キオクシアを除いて...
値上げしたにも関わらず、一定の販売量があったのでしょう。生産・供給による(メーカーにとって)適正価格まで、まだまだ価格調整が続くと思われます。
必要ないが、とりあえず買っておこう
右往左往するのも疲れたので『必要ないが、とりあえず買っておく』ことにしました。自作PCは深く考える必要ありません。『欲しい時が買い時』です。
既にM.2スロットは満タン状態だったので、久しぶりにSATA接続のSSDを購入しました。
Samsung 870 EVO 1TB SATA
後発製品のSATA SSD
M.2 Nvme SSD全盛期には時代遅れ感のあるSATA接続です。M.2規格に慣れてしまった現在では若干野暮ったく感じてしまいます。
スペック
・読込:560MB/s
・書込:530MB/s
・保証:600TBW
SATA接続SSDとしては後発製品であり、M.2端子のないノートPCに最適なモデルです。
販売価格
870 EVO 1TB
15,000円前後
870 EVO 2TB
25,000円前後
870 EVO 4TB
50,000円前後
M.2 Nvmeより性能が劣るSATA接続にも関わらず割高になっています。ハードウェア側の事情がない限り、SATA接続を選ぶ理由はありません。
外観
定番の黒パッケージ
金属筐体
CrystalDiskMark
テスト環境
Asrcok Z790 SATA×1ポート
SATA接続の最大帯域を活用できているようです。ランダム性能も想像以上の結果だったため、現行PCのシステムドライブとしても活用できそうです。
実転送速度
Samsung 990 PRO 2TB(CPU直結/OS)から対象ドライブへ500GB(1ファイル)を転送させ、実使用での転送速度を計測します。
参考:990 PRO 2TB
参考:テストファイル
5GB
ほぼ仕様通りの書込速度
100GB
ド安定
200GB
300GB
500GB
870 EVO 実転送速度
・開始〜500GB:420~520MB/s
・転送時間:18分20秒
・転送速度:465.4MB/s
終始安定した速度で転送されました。SSDとして優秀です。一般使用で困ることもないでしょう。SATA規格のSSDとして最高峰クラスなのは間違いなさそうです。
これだけなら、面白みのない結果で終わってしまいます。
Samsung純正ソフト『Samsung Magician』で、大幅な性能強化がされるそうなので試してみます。
Full Performance Mode
以前に記事にしたCrucialの『Storage Executive』と同様の機能で、未割り当て領域を作成、メモリ内でキャッシュ処理を行うことで高速化されます。
Samsung Magicianの『Performance Opitimization』を選択し、『Full Performance Mode』をクリックするだけで設定は完了します。
設定はワンクリックで非常に簡単
では、再度ベンチマークを計測します。
CrystalDiskMark FPM有効
Crucilal同様に大幅に性能アップしています。有象無象のM.2 Nvmeよりも良い結果になりました。
実転送速度 FPM有効
Samsung 990 PRO 2TB(CPU直結/OS)から対象ドライブへ500GB(1ファイル)を転送させ、実使用での転送速度を計測します。
参考:990 PRO 2TB
参考:テストファイル
10GB
開始直後2.5GB/sを記録するも、10GBで600MB/sに低下
20GB
950MB/s程度に速度上昇
80GB
2.5GB/sまで回復するも…
100GB
10GB転送後、450MB/sに低下…
200GB
250MB/s〜2.5GB/sで転送を繰り返す
500GB
最後まで不安定な転送速度
870 EVO FPM有効 実転送速度
・開始〜500GB:250MB/s~2.5GB/s
・転送時間:17分06秒
・転送速度:499.0MB/s
FPMの有効性は限定的
FPM有効にしても、ベンチマークほどの差はつかない結果となりました。 10GB程度の転送であれば、瞬間的に2.5GB/sを記録します。システムドライブとして使用したり、一般使用する分には有効的だと思われます。データ保管庫として使用する場合、容量の10%を犠牲にするリターンは小さいと思います。一般使用するにしても、容量の10%を犠牲にしてまで有効にするメリットは小さいように感じます。
まとめ
良い点
・SATA接続のSSDとして最高峰クラス
・DRAM有
・旧型PCにも使用できる
・自社製造製品
・家電量販店でも購入可能
悪い点
・Nvme SSDより割高
・FPMモードの期待外れ感
・価格変動が激しい
SATAの上限性能まで引き出しており、安定した速度を合わさって非常に優秀な製品となっています。メーカー自社製造なので信頼性も高く、安心して長期使用することが出来ます。旧型PCにも使用できるSATA端子であり、ノートPCに限らずデスクトップ型にも使用できる汎用性も兼ねています。中華性SSDのように一部PCショップだけの販売だけでなく、家電量販店でも購入できる調達性にも優れています。この製品の完成度が非常に高いため、他社からSATA接続SSDが新発売される可能性は非常に低いと思われます。サムスンは23年秋のNAND値上げ公表後、軒並み値上げした実績があります。その後、業界全体が値上げに走りました。『990 EVO』のように競合が多い製品であれば、急な値下げもあり得ますが、SATA規格での競合がCrucilal・Western Digital・Transcendsの実質3社程度であることから、値下げは考えにくいです。世の中からSATA端子がなくなることはないでしょうが、現行SATA3.0規格からの進化はなさそうです。M.2端子が既に埋まっている、SATA端子しかないPCでもない限り、購入検討することもないSATA接続SSDですが想像以上に高品質な製品でした。
おしまい