続きです。。。
前回はこちら↓

 

 

ボーイング社のジェット機処女作のB707のコンポーネントを流用した短中距離機のB727。

特徴的な尾部3発配置やスピード感あるT字尾翼などそのスタイルも非常に人気を呼び、ボーイングへは多くの発注が舞い込むことになった。

しかし、、内輪で問題も起きていた。。

実は、この時にボーイングではB727と同様にB707の胴体設計を流用した短距離機、B737の開発を開始。
しかし、B737は双発で最初から機長と副操縦士のツーマンクルーを基本として開発が始まった。
そのため、B727とB737の差別化が必要となり、B727の大型化を計画した。

こうして誕生したのが

 B727-200でした。
先のような経緯からも想像できますが、、
ボーイングでは最初から最後までB727のバリエーションは
考えてなかった!
そのためB727には派生形式の型番が用意されておらず、そもそも考慮もしていなかった。
しかし、ライバルのダグラスでも短中距離向けのジェット機の開発が動き始めていたため、ボーイングは早急に対処する必要に駆られ、B737の開発は必至であった。
一方で計画にない機体の大型化はかなりの難易度を伴う。

ここから妄想、、、
 
開発①「さて、、諸君、、、解かっているな、、」
 
開発②「B727の発展型の開発ですよね、、、」
 
開発③「まさか身内から大型化(とB737開発)を命じられるとは、、」
 
一 同「はぁ~~」
 
開発①「どうするよ?供給量を増やすっつても単純に伸ばせばすむ話でもないだろ」
 
開発④「、、、もしかしたら、、、いけるんでは??」
 
ひとまず妄想終わり

こうしてB727の胴体を伸ばしたストレッチ型の開発がスタートした。
発表すると即座に多くのキャリアから発注が相次いだ。
しかし、このストレッチ型の開発、、、
正直、無計画のなかで始まったとは思えないほどにスムーズに進むことになった。

再び妄想
 
開発①「供給量の増加に対応するために胴体を伸ばすわけだが、、」
 
開発②「飛行時の安定性確保のため、やや後方を伸ばした方がいいかと」
 
開発③「いや!そんな事したら、地上駐機中にノーズが浮いてしまう、、、」
 
開発④「ねぇ?」
 
一 同「?」
 
開発④「現状でバランスは問題ないんだよね?」
 
開発①「現行は問題ない」
 
開発④「なら素直に、前後とも同じ長さ伸ばせばいいんじゃない?」
 
一 同「!!!」
 
いったん妄想終わり

こうして主翼の前後でそれぞれ3メートルずつ伸ばすことになった。
続いての議題はエンジンだった、、、
三度の妄想、、、
 
開発①「エンジンの出力の強化は必須だ!直ぐにPWへつなげ!」
 
・・・・・プルルル、、ガチャ・・・・
 
開発②「もしもしPWさん?」
 
PW社「これはこれはボーイングさん、、、どうしました?」
 
開発②「いやぁ~無理なら無理って言ってほしいんだ、、」
 
PW社「はぁ?」
 
開発②「うちのB727に供給してもらってるJT8Dエンジンなんだけど出力増加ってできる?」
 
PW社「できますよ~~」
 
開発②「やっぱり無理だよねぇ~~・・・何て言った??」
 
PW社「JT8Dエンジンの出力強化は可能ですよといいました、、、
 
開発②「マジで?」
 
PW社「マジで(もうあったりして、、)。。」
 
妄想終わり、、

実をいうと、B727へ供給されたJT8Dエンジンはかなりの成長株であった。
ボーイングへB727向けにJT8D-7型を供給する傍らで改良は続けられて、-200向けには推力は200kg強化された-9Aが供給された。
基本は同じエンジンだったが、出力強化に対応してより多くの空気の吸引が必要なことから、エンジンインテークの見直しが実施され、特に胴体内に収まる第2エンジンのインテークは設計しなおされ、楕円形だったインテーク形状は円形に見直された。
更にPWの精力的な開発によりJT8Dは更に強化され、最終的には-7型の6350kgから10%以上向上した7260kgもの推力を発生する-17型へと進化し、B727-200は大いに発注を集めシリーズ合計で1800機を超えるベストセラーを記録するに至った。
(さらにオプションが存在し最も推力の高い物では-17R型装備で約7900kgもの推力を発生させた)
この大型化の成功は同時期のイギリス製トライデントの失敗と比較される成功例として知られるものとなりました。
 
 
世界的にベストセラーとなったB727。
政治的な対立下にあった国々を除き、多くの国で主力機へと上り詰めることになる。
次回はとある東洋の国でのジェット化競争を取り上げます。
 
 
余談。。
 
今回の模型は
メーカー:ヘルパ製
機材:ボーイング B727-200
キャリア:コンチネンタル
でした。。。
で、、この製品、、、
ヘルパとしても結構古い製品です。
それは所謂旧ギアと呼ばれる足回りもありますが、ほかにもあるんです。。
(画像の物はありませんが、印刷ずれも非常に多かった。。)
それはパッケージ、、

なんとパッケージの内側にジオラマ用の滑走路が印刷されています。
コレクション模型ではパッケージの有無も割と重要ですが、この当時のヘルパの模型はコレクションとしての収集品としてのほかに展示品としての性格も強くありました。
現在でも一部の模型では展示用の滑走路やエプロンが印刷されたステージが同封されているものがあります。
(一方で当時のヘルパの製品は展示すると紫外線にやられて黄ばむというどうしようもない弱点がありますけどね、、、)