先日、久しぶりにボーイングから「新造機」を受領したというキャリアが少しだけ話題になりました。

太平洋の一大リゾート地、ハワイを拠点とするハワイアン航空です。

2002~2019年に運用したB767以来となる純粋なボーイング機B787-9を先日受領しました。

(B717はマクドネル・ダグラスのMD-95計画を継承したものでしたので、、)

B787-9は現在の主力機A330-200の後継機種として今後増備されます。


そんな日本人も大好きなハワイのキャリア、ハワイアン航空ですが、、

過去の機材の導入経緯が独特です。。

実のところ、1929年設立の歴史の中で太平洋を飛び越えてのアメリカ本土やアジアへの路線は他社に比べて最近になってからです。


立地的にはオーストラリアのカンタスのように長距離機メインになりそうなものですが、85年のアメリカ西海岸路線開設までは

短距離中心!

そして

当時の保有機が、、

ほぼ中古!

で構成され

導入された中古機を5~10年足らずで、また中古機で置き換えるという状態でした。

これはハワイ州内の需要を反映したもので、日本以上に短時間の飛行を高頻度で行うため機材への負担が大きいことが背景にあります。

そんなハワイアン航空が満を持してアメリカ本土線に就航すべく導入した、同社初のワイドボディ機が今回のネタ!

Lockheed L1011-50
トライスターです!
1985年にトライスターを導入したハワイアン航空は念願のアメリカ本土、、アメリカ西海岸への路線を展開します。
ベースが短中距離のL1011ですが、ハワイからはアメリカ本土でも西海岸エリアが直行できる範囲でもあります。
、、なんで長距離機を導入しなかったのか?
だって、、
中古機
ですもの。。
ハワイアン航空では85年から合計で5機のトライスターを導入しますが、このトライスターにはある共通点がありました。
もちろん5機全て中古機ですが、その出所も同じ、、
全機元ANA
なんです。。
模型のN765BEは、ANA時代はJA8511。ANAのトライスター11機目として1975年に導入され国内幹線を中心に運行されるも、急激な航空需要の増加によりB747SRが導入され85年5月に「ボーイング」に売却される。
ANAから機体を引き取ったボーイングは
「ロッキード社の公式プログラムによる改修」
を実施し-1型から-50型へ改修。これにより離陸重量を増加している、、が航続距離は基本的に変わらない。
(エンジンも搭載燃料量も変わらないため)
その年の7月にハワイアン航空へリースされた。ハワイアン航空にとってトライスターは初めての大型機であったか、改修により離陸重量を増加しても航続距離がそのままであったため路線の拡大には限界があり、より長距離機を飛べる機体の導入が求められ、後継機の導入によりトライスターはリースバックされることになった。導入から10年と経たない94年のことであった。
導入されたのは、、
DC-10-30!
アメリカン航空からの
中古機
だった。。
DC-10は路線の展開に大きく貢献し5機だったトライスターの3倍近い14機が導入された。
が!
そこは中古機、、こちらも10年足らずしか運行しなかった。
(機体の更新頻度だけはシンガポール航空並み)

流石に中古機リレーに限界を感じたのかDC-10の後継機にはB767-300/ERを選定し、2002年にボーイングからの「初めての新造機」を受領するのでした。


なぉ 模型のモデルとなったN765BE、元JA8511はその後リッチ・インターナショナルへリースされたのち、98年に退役、その後解体されたとのことです。
ちなみに、N765BEは映画「ダイ・ハードII」にて緊急脱出のシーンで登場しました。

今回の模型は
ヘルパ製
1/500スケールでした。
(元ANA機、銀幕デビューもあるのか、この模型は中古品でも結構なお値段で売買される傾向があります。。)