B767特集の続きです。。

今回は主に海外で撮影された子と一部国内で撮影した外資系の子、そして意外な余生を送る子を紹介します。。

まず海外、得に北米でよく遭遇するB767は貨物機が多い印象です。
ラン・カーゴ
B767-300/F
チリの航空会社ラン航空のカーゴ部門で同社は旅客仕様も運行してますが、税制面の都合なのか?旅客機はチリ籍、カーゴはアメリカ籍となっています。転用機のBCFではなく新造機で運行されてます。
(マイアミ)

ABXエア
B767-300/BDSF
かつてはエアボーン・エクスプレスの社名で親しまれた同社。使用機材は転用機で構成されています。BDSFはイスラエルの航空関連企業IAIによる改修機につけられる形式名です。
(マイアミ)

カーゴジェット
B767-300/BDSF
上と同じく転用貨物機を主に運行するカーゴジェット。カナダ・バンクーバーを拠点に運行しています。機材も同じくBDSFです。
ボーイングによる公式改修プログラムはANAによる注文によりスタートしましたので、それまではIAIによる改修が主流でした。
(成田空港)

ABXエア
B767-200/BDSF
-300型へ機材を大型化していたABXで残っていた-200型のフレイター。
(マイアミ)

アメリジェット
B767-200/BDSF
マイアミをベースにするカーゴキャリアで10年ほど前までB727フレイターを主力としていたキャリアです。ABXと資本関係にあり、ABXから放出されたB762カーゴを導入しB727をリプレースしました。
(マイアミ)

ここで意外な出所の子を紹介、、
ABXエア
B767-200/BDSF
DHLの塗装をまとっていますが、ABXエアの機材です。この子カスタマーコードが「81」です。なにを隠そう元ANA機!
当時のレジはJA8241。
エアボーン・エクスプレスに移籍後、大型カーゴドアを持たないばら積み貨物機(PC)として運航後BDSF化。
その後DHLへリースされバーレーンにて運航後、再びABXへ帰ってきて2024年3月時点で「現役」です。。
貨物機としてどっこい生きてます。。
(バンクーバー)

タンパ(アビアンカ)・カーゴ
B767-300/F
撮影時点ではタンパカーゴのフルカラーでしたが、すでにアビアンカと合併済みでアビアンカ・カーゴとして運行されていました。
この子、純正のカーゴ仕様ですが、なんと中古機、、それもカスタマーコード「81」の元JA601Fです。。タンパカーゴ時代のフルカラーを捉えた貴重なカットとなりました。
アビアンカはA330Fへ統一することを決めていたため同機は放出、、ふたたびANAへ戻ってくるという奇特な経歴を持つことになりました。
(マイアミ)

ラン・カーゴ
B767-300/F
先にも出てきたランですが、、
この子はイレギュラーな中古機です。
カスタマーコード「46」!
会社再建の中で貨物専用機の運行をやめたJALが放出したB767Fです!
JALでの活躍が短かった同機、、相変わらず激動の機生を送っており、、
撮影後にラン航空とブラジルのタ―ム航空が合併しラタムとなる。その後売却され2社を渡り歩き現在はデンマーク、マースク・エアカーゴにて運用中(らしい)。
(マイアミ)

ここからは旅客機として運行されてた子を紹介。
サンタバーバラ航空
B767-300/ER
ベネズエラのキャリアです。
撮影時点で既に虫の息だった同社。
この撮影後に運行を停止してしまいました。
この時点での保有機が4機。実質稼働機が2機とい状況、、運行停止後同機はグッドイヤー空港へフェリーされました。
(マイアミ)

エア・カナダ
B767-300/ER
日本にも就航していましたが、同社のグループ再編のなかで、子会社の「エア・カナダ・ルージュ」へ移管することが決まっていました。
エア・カナダはB767の後継としてB787を導入しB767をリプレースします。一方で日本路線ではB787だったりB772だったりB77Wだったりと機材がころころ変わる時期がありました。
(成田空港)

ニュージーランド航空
B767-300/ER
こちらもB787に置き換えたキャリア。
お土地柄長距離機が多勢をしめるなかで数少ない中距離機でした。ボーイング的にB767の後継としての位置付けとしてもB787を開発したため、長距離機であり中型機であるB787、特にB787-9は同社にとってうってつけの機材でもありました。
(成田空港)

オリエント・タイ
B767-300
物議を醸したタイのお騒がせキャリアのオリエント・タイ。
同社は
「程度の良い中古機を買ってきて使い倒し金のかかる整備時期を迎えたら放棄する」
という奇抜すぎる形態のキャリアと言われ、使い倒された機体は適当な空港まで飛ばすと事実上放置。しかもそこから部品だけ取り外して売却したりと色々問題が取り上げられた。
そんな同社、、実はJALが放出した機材を好んで調達していた節があり、画像の機体も元JAL機で現役時の登録記号はJA8264です。
そんなお騒がせ者の同社でしたが、ついにタイ当局からの指摘により運行停止に、、一事は再開するも再度運行を停止しついぞ破綻しました。整備状況が劣悪と言われた同社の機材の多くはそのまま退役し解体されたとされています。
(バンコク・ドンムアン)

デルタ航空
B767-400/ER
B767系列でもっともユーザーが少ない希少種の-400型。そのユーザーの一つがデルタ航空。
同社の機体はたまに日本路線に就航しましたので、珍しくはありましたが国内でもみることが出来ました。
デルタ航空では長年運用し続けたトライスターの後継機として導入した。
(成田空港)

ユナイテッド航空
B767-400/ER
かつてのコンチネンタル航空から引き継いだ機体です。-400はB777開発時のアメリカン航空からの要望を元に開発されましたが、発注したのはデルタとコンチネンタルの2社のみで要望を出したアメリカンは発注しませんでした。
合併しユナイテッド航空のフリートに組み込まれました。一時は頻繁に来ていましたが、最近は日本に飛んでくることはほとんどないようです。
(サンフランシスコ)

バーレーン・ロイヤル
B767-400/ER
上記2社以外の例外的なユーザーです。
アメリカ空軍の装備開発計画のなかで受注に自信をもったボーイングが先走って製造し、計画が白紙になり不良在庫となった機体を放出したもの。
B767系列でもかなり珍しいVIP仕様なうえ-400型では唯一のVIP仕様。
(羽田空港)

アメリカン航空
B767-200
撮影時に私はひっくり返りそうになりました。
なんと-200型の旅客型、、それもERですらない初期型です。
製造から一貫してアメリカン航空で運行され5年ほど前に退役しました。
(ロサンゼルス)

ここからは軍用型です。。
イタリア空軍
KC-767A
B767ベースの空中給油輸送機。
現在製造されているKC-46とは異なる機体です。KC-767は航空自衛隊でも運用されていますが、仕様がかなり異なっています。
通常-200型は片側3ヵ所に非常口がありますが、この機は4ヵ所設けられています。
極めて珍しい形態です。また航空自衛隊向けとは異なり主翼にもプローブ式の給油装置が設置されています。
(羽田空港)

チリ空軍
B767-300/ER
チリの政府専用機としても運用される機体。機体はグレー1色にみえて実は細かい模様が施されています。
(汚れてるわけではない!)
元リース会社の機体で最初のユーザーはアエロフロート・ロシア。
その後TWAにリースされるもTWAが消滅、、アメリカン航空に加わるも仕様違いで運用しにくかったのか早々にリースバックされユーロ・アトランティックへ、、
ユーロ・アトランティックからサブリースされ多くのキャリアを渡り歩き新造から14年で8回の転籍を繰り返し2008年よりチリ空軍の所属となりました。
(羽田空港)

最後はかなり異色な余生を送る子を紹介。
サンフランシスコ国際空港
ex B767-300
サンフランシスコ空港の片隅に止まっているこの子、、なんと元々はB767旅客機です。
それも元JA8275の登録でANAで運用されていました。
この子のお仕事は、、乗務員や空港職員の非常時訓練施設です。
日本ではモックアップで行われてますが、シスコでは実機が使用されているようです。
流石はアメリカ、、規模がでかいです。。
ちなみにこの子はターミナルからは見えない場所に停められており、あまり撮影されることはないみたいです。。

いかがでしたでしょうか?
実は1000機以上も製造されてるB767。実はその1割以上が日本の航空会社向けだったりします。それを考えれば海外で見かける機会が少なく感じるのは致し方ないのかもしれない。。