時は2013年の9月、、
不審者の姿はアメリカ合衆国はワシントン州にありました。
大都市・シアトルから北へ移動すると、それほど大きくない町に不似合いな巨大な建物が見えてきます。
その建物の周囲を走っていると、、、

開いた巨大なドアの隙間から見えるもの、、、
そう、、ここはワシントン州エバレット。
旅客機メーカー最王手、ボーイング社最大の工場であるエバレット工場です。
この時はエバレットにあるボーイングの見学施設とエバレット空港での撮影に来ていました。
(残念ながら工場見学は撮影禁止ですので画像がありません。)
 
工場見学と博物館見学を終えて、ホテルへチェックイン。
なんと空港のすぐそばにホテルがあります。
信じられるだろうか、、、
これ、、ホテルのすぐ前からの景色です。。。
小高い丘になっており、フェンスを越えて空港内を見渡せます。
よく見ると、この時はまだ初飛行前のB787-9初号機の姿も見えます。
 
実はエバレットはこんな状況ゆえに多くの空港とは全く異なる誘導が行われます。
なんと、、、
風向きが関係ありません。。
引渡し前の飛行機などがエプロンだけでなく誘導路にも停められているため、離陸機も着陸機も自由に空港内の誘導路を移動できないのです。
なので誘導路を可能な限り通らない、、、地上での最短経路を考慮して離発着が行われるわけです。
そして、、
お日様が地上に沈み、、夜のとばりが迫るなか、、、
奴が来ました!
極めて特徴的なシルエット!
そう!セントレアではお馴染みなあれです!
ザ・ボーイング・カンパニー
Boeing B747-400/LCF
B787ドリームライナーの整形済みコンポーネントを輸送することを目的に改修された専用輸送機。
総勢4機でその就航先は極めて限らているため、この機材を撮影できるのはアメリカでもエバレットやチャールストン、そしてアメリカ以外では日本のセントレアしかない。
(臨時で香港に飛来した実績あり)
しかしそれ以上に重要な事がある!
それは基本曇ってることが基本のワシントン州で綺麗なトワイライトの背景でこいつを撮影できたことですね。。。
日ごろの行いが○○な不審者、、、
あの砂漠のど真ん中のラスベガスに雨を降らす雨男です、、
まさか雨と雲りが基本のシアトル近郊でこんな綺麗に撮れるとは、、、
(多分、不審者回顧録でまた同じことを書くと思う、、、)
 
そんなこんなで今日の1機!
ヘルパ製 ボーイング・カンパニー
 Boeing B747-400/LCF
スケールは1/500です。
実は過去にかつての行きつけに注文していたのですが、、、
いっこうに連絡もない!
その店と取引のある別のお店では入荷しても、一切音沙汰がない!
(路面店は通常通りに営業してるし入荷してる)
これまで
「一応は注文してるしねぇ~」
というわけでヤフオクとか他の店の店頭で見かけても入手せずにいましたが、
流石に堪忍袋の緒が切れまして、先日状態のいいのを中古店で見かけたので購入しました。
LCFは機体左側に大型のヒンジを設けてあり、そこを中心に尾部を回転させて輪切りになった胴体を開く構造になっています。
そのため開閉には専用の支援車両があり、その車両はコンピューター制御で開閉に必要な正確な軌跡を運転します。
(なので貨物室の開閉も決まった空港でしかできない)
勿論、左右で非対称な部分も再現されています。
また、肥大化した胴体は尾翼による直進性を阻害するため、垂直安定板が延長されています。
B747系列ではLCFと-SPにのみに見られる特徴ですね。
ただ、バランサーとしてではないため、-SPと違い、水平安定板は既存のままです。
同機への改修は台湾のエバー航空の関連会社にて行われました。
しかし、種機はエバーの機体ではなく、PWエンジン装備の中古機を調達して行われました。
胴体は機種部分を除き非与圧となり、巨大な貨物室に与圧は与圧されていません。
なお、普段使うことはありませんが、床下の貨物室は健在で、あの感染症流行の際にはこの床下貨物室にマスクを搭載して空輸することがありました。
またベースはB747-400旅客機ですが、ウィングレットが撤去されています。
初号機のロールアウト時はついていたのですが、胴体の形状があまりに変わったためか、飛行試験の際に許容できないフラッター(振動)が発生、、その後の調査の結果、ウィングレットを撤去。
こうして-400D以外で唯一ウィングレットを装備しない-400の派生型が発生しました。
また-8型が誕生するまでB747系列で最長の機体でもありました。
当初は4機がフル稼働していましたが、ロシアのヴォルガ・ドニエプル航空のAn-124をチャーターした方が効率がいい事とボーイング社にとってLCFの外見が許容しがたく、LCFでないと運べない胴体コンポーネント以外はヴォルガ・ドニエプル航空に任せるようになります。
このためセントレアではLCFよりAn-124が頻繁に飛来するようになりました。
しかし、ロシアによるウクライナへの侵攻に伴う制裁でロシア籍の航空機へ飛行制限が実施された結果、ボーイングはB787のコンポーネント輸送にLCFを使わざるを得なくなりセントレアにはかつての様に頻繁に飛来するようになりました。
 
一時は4機中2機が整備保管にされたLCFでしたが今では4機が戦線復帰。
今日もB787のコンポーネントを日本からシアトル、、、チャールストンへと運んでいます。。
 
 
余談、、、
正に奇跡ですよね、、、
私がエバレットで撮影した機体がヘルパから模型化されたわけです!
だから入手したかったので注文したのに、、、、
かつては贔屓にしていましたが、裏切られた感がすごくて既に1年以上行ってないですね。。。
(なので、注文は1年以上も前なんですよね、、、)