最近1/200スケールでペラ機のダイキャストモデルを集め始めた不審者です。。
その中で一大勢力なのが、言わずと知れた国産旅客機、、
YS-11!!
三菱の旧MRJが事実上の中止となったことから、今現時点で唯一の国産旅客機でもあります。
 
一部では崇拝にもとれるような評価をされていますが、、
10年以上にわたって旅客として日常的に搭乗していた身としては、、、
(個人の感想は後々触れましょう、、)
そんなYS-11は非常に頑丈で、
ある意味で抜群の信頼性がありました。
しかし、それは最初からそうであったわけではない。。
 
まずは、こちらを紹介。。

模型は全日空商事からリリースされました
「日本航空機製造 YS-11 プロトタイプ」
です。
一部に実際とは異なる部分もありますが、再現度は検品時に驚いたほどです。
この実機は現在でも成田の航空博物館に現存しています。
そしてそれを再現したものが、こちら、、
こちらはデルプラドが刊行していたシリーズに付属していた模型です。
こちらも現在保存されている初号機を的確に再現されています。
 
以前に海上自衛隊のYS-11Mの回で触れましたが、YS-11は主翼などへの着氷への対策では最初は燃料を燃焼するヒーター式が採用されており、
各翼にはヒーター燃焼用の換気用の穴が開いており、各翼の前縁は黒くありません。
一方で現存機はブーツ式を採用する際の試験を行ったために、多くの量産機の様に前縁に黒いブーツが装備されています。
しかし、これは形式証明を取得したあと、、
つまりYS-11が旅客機として完成したあとの改修でした。
 
ロールアウトしたばかりのYS-11は
まっすぐ飛ばない!
勝手に傾く!
ラダーが利かない!
まともに飛ばすことが非常に困難な機体だった。
試験飛行時のインシデントもあり
「飛べない飛行機」
とまで揶揄される事態になる。
 
しかし、操縦に関しての各種不具合は事実、致命的とも言え改良が必須であった。
これを受けた、YS-11の改良点として有名なのは
横方向の安定性確保のために主翼の付け根にくさびを挟み込み主翼の取り付け角度(上反角)を2度増やす。
ラダーの操作性の改良のためラダー後ろ縁にスプリングタブを取り付け、速度や角度に応じて可変する機能を取り付けた。
これらの改良はNHKで放送された「プロジェクトX」でも取り上げられた。
しかしYS-11の改良点はこれだけではない、、
ロールアウトしたときの初号機と
型式証明を取得した後初号機の主翼の先端付近を比べると、、
翼端につけられた機体の傾き(ロール)を操作する補助翼(エルロン)の大きさが違うことに気づく。
横方向の操作性の悪さを改善するためにエルロンの大きさと動作角度を見直している。
(まさかこれを再現してるとは思わなかった。。。)
なお、これによる弊害も発生するがまたの機会。。
更に変更点はある。
YS-11では非常に大きなプロペラが採用されているが、これがプロペラ後方に非常に大きな乱流を生み出してしまう。
その結果プロペラによって生み出される反トルクが非常に大きく影響し、機体を右側へひねる力が強く作用していた。
改良後の試作機のエンジン後方には、ロールアウト時にはなかった突起が伸びている。
これは通称「三味線バチ」とも呼ばれている特徴です。
(これの有無を再現してるのにも驚いた)
この突起はエンジンナセルを主翼下面を通って延長されたものです。
これにより、エンジン後方の気流を主翼後縁よりも先まで導くことで、主翼後縁が乱流に巻き込まれて直接反トルクを受けるのを軽減しています。
(それでも反トルクの影響は受ける)
 
このほか、地上での旋回性(ステアリング)を改善するためにメインギアの展開角度を大きくし車輪の位置をやや後方へずらすなどもしている。
 
なお、YS-11は純国産ではない。
エンジンはイギリス、ロールスロイス社製、
プロペラはイギリス、ダウティ・ロートル社製
各種電気機器は一部を除きほぼ輸入し、
材料のジュラルミン材すら輸入していた。
しかし、開発は官民が一つの目標を目指した結果、一葉の完成をみて
「技術的には成功」
と評されることもある。
が、その成功は継承されることはなかった。
 
次は最多勢力を誇ったローンチカスタマーの全日空のYSの一部を取り上げます。