空港と飛行場、、

似たような言葉ですが、何が違うのか?


飛行場とは航空機(固定翼、回転翼)の発着する施設の総称であり、、

空港とは「公共の用に共する飛行場」と定義されている。。

公共の用、、を定期便の発着と考えることもできるが、、実際には

定期便のない「空港」もあれば、

定期便のある「飛行場」もある。


今回はそんな

「定期便のある飛行場」を拠点にしている所のお話。。

今回のネタ、、

天草エアラインです。
(模型はヘルパ製 1/500スケールです)
陸路での移動に難がある天草地域の利便性向上を目的として設立されました。

なぉ、、
天草飛行場の滑走路は1000mです。
これはSAAB340の就航を見込んでいたため、、
ところが建設中にSAAB340は生産中止に、、
就航見込みがDHC8と大型化したため滑走路の強度を確保するため舗装面の改良を行ったが、、それでも1000mです。。
そして更に問題が、、
本来DHC8系列の必要滑走路長は1300mとなっている。
天草飛行場の1000mでの就航に時の運輸省が難色を示した。
そこで同機を運行する琉球エアコミューター(の親会社のJTA)に協力を仰ぎ、
「DHC8-100であれば1000mの滑走路でも運用に支障はない」
と説き伏せるという、、
なかなか強引な就航だった。
(実際1000mも必要なく、国によっては800m滑走路で運用するところもある)

運用機はたったの1機、、
その1日は中々にハードです。。
天草エアラインで最も利益率のよい路線が天草~福岡でここを重点的にしつつ、本土である熊本やその先にも足を伸ばす。
一時は松山などにも乗り入れたが、最終的に天草、福岡、熊本、伊丹を結ぶ路線に落ち着く、、
そして、、その全てを1日で回る。。
手始めに
天草→福岡→天草
の往復から始まる。
この福岡でその日最初の
給油をする。
つづいて
天草→熊本
を飛び再び
給油をして同社最長路線
熊本→伊丹→熊本
の伊丹往復を行う。
伊丹と熊本で各々
給油する。
熊本→天草
を飛び
天草→福岡→天草→福岡→天草
の2往復を飛び、福岡で最後の
給油をする。。
なぜ給油に注目するのか、、
何を隠そう、、
天草エアラインの拠点である、天草飛行場には
給油設備がないのである!
なので天草エアラインの機材は天草飛行場へ飛ぶ際にその先の分まで給油しておかねばならないのです。。
(不審者が伊丹で撮影した天草エアライン DHC8-100。この時には新塗装になっていた。)

運行開始から12年ほどした2012年。
機材の更新についての検討に入っている事が発表される。
DHC8は製造から一定期間は大規模な整備が必要ないとされているが、その期限を迎える2014年から必要とされる整備費負担が急激に増える為であった。
ここで熊本県と天草市で意見が別れ、
「空港の整備を県が受け持ち、機材面は天草市側が持つべき」
との県の姿勢や
「天草市単体でも機材を用意する覚悟があるが、県も負担してほしい」
と天草市、、
結局、熊本県は最後まで機材の購入費用の負担はせず、天草市と周辺2町が共同で費用を負担した。

こうして2015年に日本で初めてのATR機、
ATR42-600が導入された。
機材の調達スケジュールからリース会社の発注分を購入する形がとられた。
(そのため、リース導入とされる事もあるが、自治体にとっては非常に重たい3市町合計23億円が導入費として計上されている)
(模型はジェミニジェッツ製 1/200スケールです。)
機体塗装は先代の後期塗装を踏襲している。
この後継機の導入とその後の周辺同業者の機材計画が天草エアラインの最大の弱点が克服されることになる、、

天草エアラインは保有機がただ1機のみ。
そのため整備の際の運休がやむを得なかった。
しかし、
以前より一部の便でコードシェアをし、15年からは全便でコードシェアをしているJALの傘下、鹿児島空港に拠点をおく日本エアコミューター(JAC)がDHC8-Q400とSAAB340の後継機にATR42とATR72を選定し、天草エアラインの機材が整備で飛べない期間、JACの機材を借りての運行ができるようになった。
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(ピンチヒッターとしてリースされることのあるJA01JCとJA03JC。この他JA04JCの3機が共同事業機材と指定されている)
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こうして整備運休を克服することが出来たのでした。
2007年までは赤字が続いて同社でしたが、2009年に黒字転換。同社の経験は地方コミューターの参考のひとつとして注目されることになりました。


余談、、
このサイズの1/500は小さすぎてスマホでもまともに撮れない、、
クオリティもばらつきが大きいところもあり、ATR42は大きな1/200スケールモデルを選んだのでした。。