不審者紀行(?)のつづきです。。

ロス、ロングビーチを経由、ヴィクタービルを経た不審者は同僚に運転を任せ(給油の注文と決済は私)、砂漠のフリーウェイを東へひた走ります。。


本音をいえばロングビーチではなく、ヴィクタービルで一夜をあかし、砂漠の熱気が収まった後に再度オメガタンカーを納めたかったが、、

まさか、ロングビーチがあそこまで落ちぶれてるとは思わなかった。。


砂漠のど真ん中にオアシスのように町が見えてくる。。シティよりはタウンが近い。。

そこが本日のお宿のあるまち、、

おそらく世界で最も有名なヒコーキ墓場、、

モハーヴェです。。

モハーヴェはまさにタウン(村)といって差し支えない規模で、1ヵ所のガススタンドに数店の飲食店、、位しか店がない。。

にも関わらず、巨大な空港と不釣り合いな施設を要する、、


まずはホテル(あること自体に驚いた)のチェックイン。

ちなみに宿泊施設はホテル・モーテル含めて複数あり、泊まるところには困らる事はなさそう。。


チェックインもそこそこに、この旅の最大の目的地、モハーヴェ空港へ向かいます!

モハーヴェ空港のメインゲートには

元NASAのコンベアCV-990と
F-4ファントムIIがゲートカードとして鎮座してます。
CV-990はわりと現役当時の塗装を残してるかな?
ジェット旅客機として早さを追求したCV-990は当時の最も脚の早い機材でした。
それゆえに事故も多く、今の基準ではまず形式をとれなかったでしょうね、、

まぁ~まずはお昼にしましょう、、

実はロングビーチを出発し、ヴィクタービルを経由しましたが、まだお昼を食べてなかったのです。。

モハーヴェ空港の申し訳程度のターミナルには喫茶店があり、この店舗のテラスが空港の規制エリア内にあります。

しかし、手摺より内側なら問題ない、、というルールのもとで規制エリアないでも撮影が許可されてるのです!!


軽い昼食をターミナル併設のカフェでとってますと、上空から轟音が!

急いでカメラをもって併設されたテラスへ出る!

なんじゃこりゃ?
まったく知らない物体が転がってきました、、
機首にはノースロップ・グラマンのタイトル、
グライダーのような細く長い主翼、
骸骨の様な胴、
エンジンは単発でプッシャー式、
機体下部はアンテナがいくつも取り付けられている。

続いて、先程の轟音の主が登場!
ノースロップ社製の練習機T-38タロン。
なんでこんなところに?
よくみるとスタビレーターのところに
「N840MQ」
の登録記号が、、
どうやら、ノースロップ・グラマン社所有らしく、さっきの正体不明機のチェイサーとして随行していたらしい、、

後々調べたところ、
先程の正体不明機は
「Type355 FireBird」
という試験機とのこと。
新型の偵察機などのプロトタイプらしい。
現地でも見ることは極めて稀らしい。。

さて、食事もそこそこにモハーヴェの主に会いに行きます。
世界でたった1機の稼働機になってしまった、
オービタル・サイエンシズ(当時)の空中ロケット発射母機・L1011-100・スターゲイザー!

この機の事は過去に模型紹介で触れてますので割愛しますが、この後、オービタル・サイエンシズがノースロップ・グラマンに吸収されたことで、現在はノースロップ・グラマンの元で運用されてます。
(ちゃんと規制エリア外から撮ってます)
数日前にミッションから帰ってきたばかり、、
普段はひと月に1度飛ぶかどうかの引きこもりのくせに、一度ミッションが入ればひと月帰ってこない事もある、、
数日前に来てれば、、
より
数日前に帰ってきてくれた、、
の方が正しい感想でしょうね。。
(くどいようですが、乱入はしてません)
写り込んでるフェンスが規制エリアの境界です。。私は外周道路にいます。。
明らかに尻尾がはみ出てると思うのだが、、

さて、、
モハーヴェの主に挨拶を済ませましたので、その他の住人をみていきます。
ユラユラが激しいためレジが確認出来ませんが、、
アトラス航空のB747-300(SF)ですね、、
窓が残ってますが、貨物機として運行していたようです。色合いやエンジンがそのままというところからも、来て浅い感じですね。。
上海貨物航空のMD-11(F)。
非常口の跡があるので、転用機でしょうか。
ロゴは消されてますが、明らかに元ルフトハンザ・カーゴのMD-11(F)。
こちらも非常口があるので、転用機の様ですね。。
実のところ、ここにいるMD-11は色も鮮やかで部品も取られてない、、着たばかりの機材です。
では、きて長くなるとどうなるのか、、
くうなります。。
みて判る通り、、元ANAのB747-SR。
ラストフライトの機で、従業員達が書き込んだメッセージもそのままです。
エンジンはもとより、各種アクチュエーターやギア、窓枠等が取られています。
周辺の機も基本的にエンジン、脚やアクチュエーターが先に抜かれていきます。
元TNTカーゴのA300F。
やや色褪せがみられ、ノーズギアが取られてるのかな?機体が傾斜してますが、これはまだ初期です。
大量に駐機されたサザンエアのB747-200(SF)。
サザンエアは倒産したワールドエアカーゴから機材を取得したことで大幅にリプレースし、既存のクラシックを軒並み砂漠送りにしました。
そのため、この時のモハーヴェはサザンの機体でごった返していた状態でした。。

さて、、
ここまでの画像で少し気になりませんでした?
飛行機の墓場として、恐らく最も有名なモハーヴェ、、意外とバラバラにされた機体より、
原型を留めていたり、、
手付かずで留め置かれたままだったり、、
なにより、、

「クラシックジャンボや旧式機が多くない?」

モハーヴェとヴィクタービル、、
どちらも飛行機の墓場としてしられてる点は同じなのですが、毛並みが違う、、というのか、
集まる機種の傾向が違います。

割りと若い機種が多いヴィクタービルは部品の需要が高く、直ぐに用済みとなり解体され崩れていきます。
旧式機の多いモハーヴェでは部品の需要が少なく、長期間放置され、一部の部品が取られながらも形態をとどめたままになります。
モハーヴェでは最後のスクラップになるまでの保管期間がヴィクタービルより長めで、いつまでも旧式機が留め置かれる状態になってるようです。

また、ヴィクタービルでは一部の新造機が引き渡しまでの間保管されることもありますが、モハーヴェでは基本的に二度と飛ぶことはなく、スクラップされることになります。

そんな意味ではモハーヴェは最終処分場、、
真の飛行機の墓場といえるのかもしれない。。

次回はモハーヴェの町にある、もうひとつの側面を少し紹介し、この度の最終目的地へ向かいます!