前回→裸の王様③
ポンコツ鳴り物がポンコツな演奏を繰り広げる中、
それをなんとかしたくてがんばる父。
そしてそれを無視し続ける鳴り物の皆さん・・・
そしてそんな様子を冷ややかな眼差しで見てる私

とうとう事件が起こりました。
うちの連にとある出演予定があり、
それは、連の中でも数人が選抜されて出るようなやつで。
で、父はそれには元々は選ばれてなかったし、父も「仮に呼ばれても出たくなかった」そうです。
なのですが、
どういう経緯か知らないけど急に、「どうしても出て欲しい」と言ってこられたそうで、
父は仕方なく、渋々出演を了承してました。
が、
先日、それの出演メンバーを変更することになった、と突如告げられたんだそう。
「あれ○○さん(父)もう出なくていいから。」
とバッサリ。
父からすれば、
「は?元々そっちが頼んで、出てくれって言ってきてたのでは?なのに、要らなくなったからもういいって?どういうことだ?」
ずっとがまんを重ねてた父、ここでついに・・・ぷっつーん!

父「わかった、もういいです。連辞めるんで!」
はっきり言って、しょーもない理由です。
最初聞いたときは私も、「え、そんなことで?」と思いました

でもね、
今まで本当にずーっとがまんしてた父。
文句も言わず、無能が言うことを素直に聞いて、
乗り気じゃない出演も受けて、なんでもやってきてました。
何でも言うこと聞いてきてたから、連は調子に乗ったっていうか、
父のことなんて適当に扱っていいって思ってたんだと思います。
件の出演のことにしても、状況が変わるのは、まぁいろんな事情もあるだろうからしかたがないけど、
普通なら、
「すみません、出てってお願いしておいて申し訳ないんだけど・・・」
の一言はあってしかるべき。
で、そもそも、前回書いたポンコツ演奏、
がんばっていろいろやっても無視されて・・・
その上この仕打ち・・・
父は、連の道具じゃないんです。感情がある。
成り行きで入っただけの連だったけど、それなりに尽力してたのに。一生懸命だったのに。
父の怒りは、ごもっともです。ごもっともすぎる。
「とにかくもう、しょーもなくなって」
と父。
そりゃそうだ・・・虚しいよねこんなの。
これが、一番最初に書いた、
父が連を辞めると言い出した経緯です。
この「出てって頼んでた出演、やっぱ要らんから出んでいーよ」事件は、ただのきっかけに過ぎません。
今までの積もり積もった堪忍袋の緒を引きちぎらせた、ただの引き金。
私は正直、今回の件を受けて、
そろそろうちの連は何かに気がつくべき、と思いました。
うちの連ははっきり言って、本当に「裸の王様」です。
周りからもそう見られています(現に私がそう思ってたし)。
なのに、連の人たちは誰一人としてそれに気がついてない。
「こんな有名連にいるあたくしたち」
とかって思ってる。
実際に、
うちの連のことを本気で好きな連員ってどのぐらいいるんだろう?って思います。
もしもこの連が人気なくなって、人数も少なくなって、
誰にも見向きもしてもらえないような無名の連なったら。
果たして一体どのくらいの連員が、この連を支えるだろう?って。
みんな、この連の「ブランド」が欲しいだけなんです。
有名連だから、誰もが知ってるから、この立場であればデカい顔できるから。
ただそれだけ。
連員の中には、「この連の踊りが好きで」「鳴り物がカッコよくて憧れてて」という人もいます。
けど、連員の大半が、「有名連の一員でありたい」という見栄だけのために、うちの連を選んで入ってきてる。
別にね、それが悪いって言いたいわけじゃないです。
確かにうちの連にいれば出番も多いし、阿波踊りが好きでとにかくたくさん踊りたいって人にはうってつけかもしれない。
ただ、
「有名」 = 高レベル・高クオリティじゃない
ということです。
他所の有名連のことはわからないけど、
うちに関して言えば、
技術はそこまででもないのに、有名連故のプライドの高さだけはエベレスト並にある。
そもそも、
うちの鳴り物にはできもしない5拍子の曲を「これで踊るんで」と持ってくる女法被もおかしいし、
その5拍子の曲を、できもしないのに「これは難しい、できない」と断ることができない鳴り物も、
自分たちの能力を認識できてない。
プライドだけで「自分たちはすごい」と勘違いしてしまってるんです。
なので、
今回の選抜阿波踊りでこの5拍子の曲を父なしでやって、
大失敗すればいいと思ってます(笑)
そして、自分たちの能力のなさを大衆の前で晒して恥をかけばいい。
別に、父を蔑ろにされたことの恨みでこんなこと言ってるんじゃないよ。
1回、その高いプライドで伸び切った鼻を思いっきりへし折られるべき、と思うだけ。
自分たちのレベルをちゃんと認識して、一度謙虚になればいいと思うだけ。
って、私も選抜出るので、
もし大失敗した暁には私も大恥かくんだけどね・・・(笑)
ですが結局、
今日現在の時点では、
父は連を辞めないようです。
というか、今年の夏は出るそうです。
「辞める」とキレて帰ってきた数日後、
連のほうから「考え直してくれないか」と連絡がきたんだそう。
私ね、それ聞いて、
父の勝ち
って思った(笑)
「辞めないでほしい」と連から言われた時点で、父の勝ちです。
正直言って、
もし父が連を辞めるとなったら、一番困るのは私です。
そもそも父がいたからこの連に入ったんだし、
父がいる、ということがすごくすごく心の支えになってました。
だいたい私、この連で全く上手くやれてないし(人間関係がめんどい)、
それでも、「でも私には父がいるから」と、なんか強気でいられたんですよね。
父がそれなりの立場で連にいてくれていたから、私も娘も心細くなく阿波踊りをやれていたんです。
だから本当は辞めないで欲しい。
けど父の気持ちもわかるから・・・
まだ父が本当に連を辞めちゃうかはわかりませんが、
ひとまず今年の夏はいるようなので、
選抜大失敗は・・・ない・・・かな?
いや、てか、
「辞めないで」って引き留められた時点で、
「辞めないでやるから、こっちの言うことちょっとは聞け!!」
ぐらい言わなきゃダメだろ父よ〜
と思った私です(笑)

以上です。
長々とお読みいただきありがとうございました♡
ではまた〜
