震災が起こってから3日後くらいから、ちらほらとお客様がいらっしゃるようになりました。
まだ、小さい余震が時々あって、その度にお客様達と怯えていました。
お客様の中には私が仙台出身だとご存知の方もいらっしゃったので、
「ご家族は大丈夫でしたか?」など聞かれることも多かったです。
私は毎日毎日仙台の家族や親戚、友達のことしか考えていませんでした。
映像で見る見慣れた風景はまったく違うものになっていて、毎日増える死亡者数も、何もかもが恐ろしかったです。
みんな、今どうしているんだろう?
食べるものはどうなっているんだろう?
どうやって毎日過ごしているんだろう?
連絡の取れない友達もいました。
もう、こうしてはいられない。
仙台に帰ろう。
そして、店長もそんな私の様子を見ていて何となくわかっていたようでした。
「アキコ先生、もう今日でいいんじゃないですか?」
こう言われて、私の退職の日となりました。