グラミー賞授賞式に思った | マンハッタン88丁目の窓から、ニューヨークの日々の生活をお伝えします。

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ニューヨーク在住20年を超えた自称ニューヨーカーの筆者が、ニューヨークの生な様子をニューヨークの風にのせてお届けします。

日曜日の晩は夕ご飯あと、テレビ前のカウチに陣取ってグラミー賞を見ました。Taylor Swift のアルバムオブザイヤーを受賞で、彼女は合計14個目のグラミーを獲得とか。我が家の12歳中学生および、その友は皆Taylor Swiftのファン Swifties(ファンのニックネーム)なので、受賞のみならずノミネートされて名前が出ただけで、テキストメッセージを送りあっていて、グラミーの間中、ビン、ビン、ビンとテキスト着信を知らせる音はグラミーの間中鳴り続けていました。

授賞の合間には、ショーのホストでコメディアンの Trevor Noah がミュージシャンにインタビューをしていましたが、

その中にビリー・ジョエルがいました。久々に生のビリージョエルを見ましたが、ロックスターのグラマラスな雰囲気はいずこ、インタビューの質問がわかっているのだかわかっていないのだか、狼狽しているような、何だか巷にいる老人か何かのような様子をしていてちょっと悲しくなりました。wikipedia によると、彼は74歳。私の若かった頃にバリバリにビルボードベスト10の常連で、毎週土曜日の晩に放映されていたベストヒットUSAでよく彼の曲を聞きました。かっこよかったなあ。

 

そして、授賞式の中間あたりには、毎年、前年に亡くなったミュージシャンや音楽関係者の顔写真と名前が大きなスクリーンに次々映し出され、今年はジョン・バティストがステージで静かな曲を歌っていました。

 

ふと気づくと、亡くなったミュージシャンの中には、その現役時代を私が知っている人もぼちぼちと出始めました。例えばティナ・ターナー。”Legend 伝説的な存在”と皆繰り返していましたが、例えばテイラー・スウィフトはティナ・ターナーが現役でハンサムにかっこよかった姿を見たことは無いでしょう。バート・バカラックの映像も流れましたが、彼の曲がホテルのロビーで陳腐に流れるようになってしまう前のことを知っている人はどのくらいいることでしょう。

 

 隣に座ってグラミー賞を見ていた夫がぼそっと、

”ジョン・バティストだって、いずれはバックスクリーンに流れる去年亡くなった人の中に入るんだ。”

と呟いていました。ほぼ同じ世代の夫も同じことを考えていたようです。

 

かくしてグラミー賞の授賞式は終わりましたが、今週日曜日には今度はスーパーボウルがあります。サンフランシスコ49er  対 カンザスチーフズが戦いますが、そのカンザスチーフズの選手の中にテイラー・スウィフトのボーイフレンドがいます。彼の試合には必ずテイラー・スウィフトが見に来ているので、観客の中にはテイラー目当てにくるファンも多いようです。なので、スーパーボールも、テイラー・スウィフトに乗っ取られそうです。フットボールになど興味もない我が家の12歳中学生ですらスーパーボールを見ると言っているくらいですから。笑い泣き