~ 育児は誰のもの 10 ~ | ファン王国物語 

ファン王国物語 

韓国ドラマ「イケメンですね」の二次小説で「ファン王国」というパラレルな世界のお話です。おなじみのドラマのキャラクターが、様々な役柄で登場します。このブログを読んでドラマに興味を持って頂けたら、ぜひ見て下さい。きっと貴方の毎日が変わります、私のように。



~ 引き続き、馬車の中 ~





「ミニョ … 愛してる … サランヘ … 」


城外である解放感と今までにないシチュエーションに、ミニョの身体をまさぐるテギョンの手が激しさを増す。


「テギョン様 … 」


それを甘んじて受け入れるミニョの奥底も、花びらが一枚一枚開くようにジワリと潤って来る。


『こんな時間』『こんな場所』だからこそ、愛し合う若い二人の勢いは止まらない。


『神様以外に、結婚したいと思った人はテギョン様しか居ません』というミニョの言葉に、テギョンの心はいつもにも増して奮い起った。


ミニョと一分一秒でも早く重なり合い、その言葉の真意を確かめたい。


「ミニョ … 城に着くまで待てない」


「え … でも … まだ … 明るいですし … 御者の方も … 近くに … 」


重なる唇の隙間から、吐息と一緒に恥じらうミニョの声が途切れ途切れに漏れ出るが …


既にそれは熱を帯びていて、テギョンにはミニョのOKサインに聞こえる。


「暗ければいいのか … 」


「えっ … 」


その先を聞きたくても、テギョンの唇や手に遮られたミニョは、堪らず目を閉じた …


「御者が、この馬車の側に居なければいいんだな … 」


「えっ … な、何ですか … 」


「フン、見てろ … 」


恐ろしく色香を帯びた表情をガラッと変えたテギョンは、得意の片方の頬を上げた笑顔でミニョを見下ろした。





ガタンッ、ギギィ …


「おい、御者っ、今から30分 … いや … 」


馬車のドアをいきなり開けたテギョンは、木陰で腰を下ろしていた御者に向かって叫んだ。


「テ、テギョン様 … ?」


驚いた顔で見上げるミニョをチラッと覗いたテギョンは、途中まで話した内容を訂正した。


「湖の周囲を1時間かけて回って来い。その間、この馬車には絶対に近寄るな」


「はい … かしこまりました … 」


恭しく頭を下げた年配の御者は、長年、ファン国城の王族に使えるベテランで馬車の扱いに長けている。


外出嫌いなテギョンが、ミニョとマテを伴い城の敷地内を馬車で散策する為、わざわざ呼んだ一番の使い手だった。


「テギョン様、どういう事ですか」


ミニョは状況が掴めず、不安そうな顔をしている。


「フン、念には念を入れないとな。俺の妃は、欲張りな上に忘れっぽくて困る」


「そ、そんな … 」


( ま、まさか … こんな所で … )


ギギィ … バタンッ … ガチャリ …


テギョンが馬車のドアを閉めると、ミニョの鼓動は音が外に聞こえそうなくらい、ドキドキと早まった。


「それと … コレだな … 」


ニヤリとしたままのテギョンは、ミニョにはただの飾りのように見えていた窓のカーテンをサッと引いた。


「あっ … テギョン様、馬車の中が … く、暗くなりました … 」


「驚いたか、暗い所が好きなお前の為だ。まあ、ひいては … コ・ミニョ … お前に、こうする為だ … 」


「あっ、テギョン様 … 」


再びミニョを自分に引き寄せたテギョンは、まるで予定通りだと言いたげにドレスのチャックを引き下ろした。


「フッ、いつものジャマなコルセットは、身につけてないな … 」


ミニョの身体にキツく巻き付くコルセットは、時としてマテよりも強力なテギョンのライバルとなる。


「だ、だって … テギョン様が、舞踏会ではないから付けて来るなって … 」


「嘘はついてない、ここは湖のほとりだ … そして、お前と俺と … マテしか居ない … 」


せっかくファン国城の外へ出るのだからと、敷地内の地図を片手に、今日のデートコースをテギョンは数日前から考えていた。


『コルセットを身につけるな』とミニョに言いつけて来たテギョンが、最初からそのつもりだったのかは …


真っ赤になって固まるミニョに、構わず抱きついて迫るテギョンにしか分からない …



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