今回の入国審査くらい 感じの良いものはありませんでした。
いかにも 感じの良さそうなお兄さん(私から見て)、でしたが 入国目的を一応「観光」と答えたものの、つっこまれたので「娘の卒業式に・・」というと とても優しそうな笑顔にかわり「どこまでいくのか?」「専攻は何?」「おめでとう」などと いってくれました。
入国審査のときはいつもドキドキしてしまい 無表情に時には しつこく色々聞かれたりすると、悪いこともしていなくても さらに どぎまぎするものです。
卒業式シーズンということもあり、客室乗務員の人、飛行機で隣り合わせた人、ホテルの人、お店の人、沢山の方に 「graduation?」と聞かれました。そして 必ず「おめでとう」と。
日本で 見ず知らずの人に こんな優しい言葉をかけるでしょうか。また 大学を卒業することの重みがずいぶん違うのかしらと 考えさせられました。
大学の寮に泊まった私たち。目覚めると 快晴。日焼け止めを塗るようにとのこと。外での卒業式ですから。
すずらんはまだ小さな花をつけ始めたばかり。
卒業式は10時半からでしたが、9時過ぎには続々と家族が到着。一族郎党、といった感じで 娘にとって
母と祖母だけの私たちはちょっと寂しい感じ。それくらい 卒業式は 一大イベントなのです。
会場は こんな感じです。
歓声があがったので 振り向くと、入場です。
先頭はスコットランド衣装をまとったバグパイプの数人、長い卒業生たちの行列が続きました。運よくわが娘を見つけた私も 興奮して名前を呼んでしまいました。
エルガーの威風堂々も流れ、家族達の歓声で 会場はいやが上にも大盛り上がり。大声でわが子の名を呼び、振り向かせて写真をとったり、ビデオをとったり。子供も悪びれず ポーズをとるし、日本だと考えられないくらいのお祭り騒ぎです。
教授陣の授賞式やら、学長の挨拶などの後、 学生の卒業証書授与式。まあ、長かったけど 個人の名前が呼ばれる度に 学生からも 保護者席からも 歓声や、 笑い声やら、時には ヒューと口笛や、へんな太鼓を鳴らす人やら、まあ賑やかでした。
最後には 帽子を投げて 華やかに退場。
母のひとこと、「まるで映画を見てるみたいだったわ。来てよかった」と。本当にそうでした。
たくさんの お別れ。 とてもお世話になった先生やお友達。
4年間、助けてくれて有難うございました。
大学院を卒業された彼女はママだったのね。湖をバックに 美しい思い出。
色鮮やかな 衣装をまとった先生方。このテントのなかをのぞくと
こんなふうにおいしいクッキーが用意されていました。
りんごの花も満開。
この後 寮のお部屋に帰り 大急ぎで荷物をとりまとめました。6人で3階建てのハウスに住んでいた娘。
皆 大騒ぎで家族の車に荷物を詰め込んで 最後の別れのハグをして、一人、また一人と去っていいきました。
今まで 家族のように同じ家で泣いたり笑ったり、ご飯をつくり、ペットの子猫をつれてみんなでドライブしたりして過ごしてきたハウスメイトが ちりじりに去っていくのを見て、二度と会えない人もいるかもしれないと思うと ジーンとしました。
みんな ありがとう。