今、私が取り組んでいる

「センサリールーム(Sensory room)」

 

今日のブログは、私の活動紹介です。

 

発達障害を手がかりとしたユニバーサルデザインコンサルタントとして、

現在、私が力をいれて取り組んでいることの1つが「センサリールーム」です。

 

発達障害のある子どもたちが観戦できるセンサリールームについて、

環境調整のコンサルティングを行っていて、

日本でも少しずつ始まっている仮設での取組にも携わっています。

 

 

「センサリールーム」ってなに?

 

センサリールームは、明るすぎない照度と

大きな音や声など大音量を遮る遮音が施され、

人混みや周囲の視線を避け安心できる部屋で

防音ガラス越しにスポーツ観戦や映画などを

楽しめることを目的とした部屋です。

 

目的の前提には、

見方や楽しみ方の「方法」が

多数派とは違うだけで、

困りごとがない人たちと同様に

「観る」「楽しむ」という思いは一緒である

との考え方があります。

 

イギリスのプレミアリーグでは、2020年10月時点で、

20チーム中14チームがセンサリールームを設置(現地専門家情報)していて、

ここ数年ですべてのチームが設置すると言われています。

 

 

行きたくても行けない、あきらめがある

 

発達障害のある子どもの中には、
人混みや周囲の視線、音や光が

苦手など感覚過敏の特徴から、
大好きなスポーツを「観たい」けど

スタジアムに行けないから「観られない」と、

あきらめている子どもたちが多くいます。

 

また、ご家族の中には、

足繁く通っていたスポーツ観戦を

二度と楽しむことはできない、

愛する我が子と一緒には行けないと、

あきらめている親も多くいます。

 

 

イギリスで進んでいるセンサリールームで

実際に見て聞いたことを、伝えたい!

 

今やイギリスではスタンダードになりつつあるセンサリールーム。

イギリスの子どもたちと同じように、

日本の子どもたちにも、

センサリールームで観戦させてあげたい。

 

そこで「現場現認」がモットーの私は、

2019年11月にイギリスに飛び立ちました。

 

アーセナル、チェルシー、ワトフォードと、

3つのクラブのセンサリールームを視察させていただくことができました。

*上写真:アーセナルとワトフォードのセンサリールーム

 

センサリールームがスタジアムに設置されている背景には

サッカー発祥の地ということもあって

サッカーが人々の日常生活の一部であり、

「指定席は先祖代々受け継がれ空きがでるのは100年後」

なんて話も耳にするくらい、

家庭や地域に根付いている文化・風土が影響しています。

 

日本と違ってスタジアムがクラブの所有物であることからも、

クラブは、地域に愛される、誇れるスタジアム作りに力を入れています。

 

そして、そこには誰からも愛されるスタジアムでなければならない

という、強い信念が込められています。

 

ワトフォードのセンサリールーム担当者は

「誰からも愛されるスタジアムであるならば、

誰もが来られるスタジアムでなければならず、

地域の誰ひとり取りこぼれてはならない。」

として、センサリールームを作ったと話します。

 

そして彼らは今だけでなく未来も見据えていました。

 

センサリールームで観戦したお子さんが、

一般席でも観戦できるようになった事例があるように、

その子どもたちが未来のサポーターや

地域の担い手になることを見据えて、

専属スタッフの配置やソーシャルスキルを学べるツールなど、

ソフト面での支援も併せて行っています。

 

センサリールームやスタジアムは

ただ単なる箱物ではなく、

箱物にどう愛を込めるのか、

つまりハードとソフトが一体となった、

先進的設備を私は目の当たりにしたのです。

 

この視察は、コーディネートをしてくれた方、

現地クラブスタッフの方、現地学会の方など、

多くの方達のお力添えと支えがなくては実現できませんでした。

いつも誰かの支えに恵まれる私は、

今でも感謝の気持ちでいっぱいです。

改めて、この場を借りて深く御礼申し上げます。

 

コロナ禍で延期になってしまいましたが、

博物館や動物園などその他施設の調査も含め、

さらに学びと知見を深めるため、

来年、センサリールームを設置している全クラブの視察に行ってきます!

 

2019年に視察したセンサリールームの様子を短編Verの動画にしましたので、

もしよかったらご覧になってください。

*初めて編集した動画のため、精度の低さはご容赦ください。

 

 

 

センサリールームを求める声を集めたい!

 

発達障害のある子の親であり、活動家である私の強みと役割は、

この20年ずっと一貫して続けている、

「当事者の声を集め社会に届けること」だと思っています。

 

「私たちのことを、私たち抜きに決めないで」

という障害者権利条約のスローガンのように、

いつだって、どんな時でも、当事者の声が届く社会でなくてはなりません。

イギリスのセンサリールームも、地域の当事者の声によって実現しています。

 

だから、センサリールームを広める活動をしている私は、

センサリールームを求める声を集め、

社会に届ける使命を果たしたい。

 

そして、センサリールームを求める子どもたちやご家族と一緒に、

大人のエゴや利己主義に振り回されない、

「誰のために、なんのために」をブレない核心として、

求める人たちが住む地域に、

その地域ならではのセンサリールームを、

実現したいと思っています。

 

求めるあなたの声を、もしよかったら聴かせてください。

 

 

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