通常、亀頭(ちんちんの先っぽ)と包皮の生理的癒着は、3~4歳で徐々に自然に剥離します。
しかし、包茎を気にした親御さんが、子どものおちんちんの包皮を先端から根元に向かって力で押し広げようとすることがあります(3歳ぐらいまでの子どもの親御さんに多いです)。これは強い痛みを伴うだけでなく、包皮を無理に広げて出血した場合、包皮の再狭窄を生じかねません。
再狭窄・癒着を防止する目的で、包皮を広げた後にステロイド外用薬の塗布を勧める文献があります。しかし、包皮はステロイドの吸収率が前腕上皮の約40倍も高いと言われる部位です。それを考えると、たとえ処方をしたとしても漫然と使用すべきではないでしょう。
そこで「おちんちん体操」の登場!
写真 おちんちん体操
包皮を縦横に引っ張り少しずつ広げる。
包皮は根元方向に広げると痛みが生じますが、反対に包皮を前に引き出すように広げると痛みは生じにくい傾向にあります。繰り返し前に引き出すように動かすと、包皮と陰茎の癒着が徐々に外れ、包皮口も少しずつ拡大できるのです。
前に引き出して横に少し引っ張るように10回広げ、次に縦に少し10回広げる体操を1セットにして3セット行うよう指導します。3カ月間、入浴時にこの体操を毎回続けると、痛みもなくステロイド軟膏も使用せずに包茎は治癒します。
また突然おちんちんが赤く腫れて痛みがあれば亀頭包皮炎の可能性が高いです。
これは亀頭と包皮内板間の細菌感染で急性亜急性の炎症です。陰茎が腫脹し、熱感と疼痛があ
るのが特徴です。ときに包皮の先端から黄色の排膿を認めます。
その際にはかかりつけの病院へ行きましょうね
参考文献 日経メディカル 横井茂夫先生 (横井こどもクリニック)