蝕苦 衝撃 動揺

 

昨夜はどうも寝付けませなんだ。目をつむるんだけど、頭の中に夕方見せられた画像が蘇ってくるのです。

昨日は、駅前通りを下ったところの「けやき通り入り口」にある内視鏡専門クリニックを受診したのであります。

 

昨年11月の心房細動治療で心臓クライオバルーンアブレーションを受けた翌日の夕食時、突如襲ったゲップ。粘り気のある透明液の逆流

それから半年、時々思い出したように夕食後に逆流が起きていたんでやんす。そこで、かかりつけクリニックの院長に相談して、食道から胃にかけて、現状がどうなっているのか検査してみたらいい。と紹介されたクリニックへ行ったんであります。

9時半に受付をして、初診のカウンセリングシートにこまごまと記入をして待つこと30分。院長先生の初診を受けました。

 

11月の手術以降の経過をメモした用紙を提出して、しょっちゅうではないけれど逆流しているのが心配なので胃カメラ検査を希望したいと。

すると院長は「早いほうがいいでしょう。今朝の食事はどんな内容でしたか?」と聞かれたので「トースト一枚にヨーグルトをカップに一杯です」と答えました。

 

「ならば、今日の午後4時に胃カメラをしましょう。いったん帰宅して、昼食は食べないで、16時に来院してください」

いったん帰宅したけれど、やることがないので午後のテレビを眺めながらうとうとしちゃった。ふと目を開けるとテレビ画面には午後3時31分。大急ぎで身支度をして家を出てバス停に向かいました。

 

なんとか4時5分前にクリニックに着いて、待合室で待っていると、看護師さんがやってきて「胃カメラの前に腹部エコーを撮りますね」といいました。

 

寝台に横たわって胸をはだけるとゼリーが塗られてエコーのプローブが当てられました。それはそれは熱心にあっちゃこっちゃ探っていきます。ズボンが下げられて骨盤のあたりまで、そして体を左側の壁に向きを変えると、圧迫されている部位を熱心に。ひょっとすると悪いところが見つかったのかも。

エコー検査が終わると更衣室へ案内されて、上着だけ検査着に。持ち物や荷物をロッカーにしまってカギをかけて、検査室へ向かいました。

 

リクライニング椅子に腰掛けて、血圧&酸素濃度の計測。その後のどの簡易麻酔のゼリーを口に含んで5分待機。タイマーがピピピと終わりを知らせると看護師さんが迎えに来て奥の検査室に案内されて寝台に横になりました。

各種モニターの端子をペタペタ貼り付けマウスピースを口にはめたときに胃カメラ担当の先生があいさつをされました。こちとら横になっていてマウスピースをはめられているので返答ができないままでいたら先生の名前が耳の中から消えていきました

 

それではカメラを始めます」という発声があると看護師さんが身体を左向きに変え背中にクッションをはさみ頭を抑える手両手を抑える手、そして背中をさする手と、いったい何人の看護師さんがついているのか、横になった顔が動かせないのでわかりません。

とその時、喉の奥に冷たい感触があったナと思った瞬間思い切りエズいて頭と肩が動きましたが一層力強く押さえつけられて、「カメラが入りましたよ。力を抜いてください」と先生。

どうやら全身に力が入っていたみたい。無意識なんだけどね。カメラが入ったって言われてもどこに通っているのか感触がありません。

 

お尻の穴、肛門からカメラを入れる大腸内視鏡検査の場合は、入ってすぐS字結腸を通るからそこは感じることができるし、その先大腸カーブを乗り越えるときは、先生も看護師さんも力任せにしているので、どの辺を通っているなというのがわかる。

 

だけど、胃カメラの場合はのどを通過するとあとは食道→胃→十二指腸といわば直線的な消化管だからカメラの先端がどこにいるのかはわからん珍なのっし。

だけどね、何分経過したんだか、ずいぶん経っていたと思うんだけど、みぞおちのあたりが「チクッ」と痛かったんだよね。ああ、きっと何かあって、組織を取ったんじゃね。そう思いましたよ。

横になって頭を押さえられているから首を動かして先生が見ているモニター見たくても見られないんだな。残念でした。

 

やがて、またエズくかなと思う間もなく目の前に明るい光が横切ったなと思ったら「終わりました」と先生が宣言をして、「よく頑張りましたね。えらいえらい」と背中をさすっていた看護師さんが言いました。

ふとその時頭を押さえていた看護師さん、両手を握っていた看護師さんを確認しようとしたんだけれど、みんな検査台を離れてしまっていて、確認できなんだ。

 

モニターの接続部から端子を外したり、血圧計&酸素濃度計の端子はつけたままなのだけれど、おそらく計測器の端子を外していたんだと思う。

看護師さんがやってきて「医師からの指示で止血の点滴をするので場所を変えますね」といいながら寝台を押してリクライニングソートの前を通り過ぎて部屋の一番奥の壁際にまで移動しました。

 

モニターセット、血圧&酸素濃度セットをしている間に、点滴が運ばれてきて点滴スタンドにぶら下げて「点滴用の針を刺しますね」と左腕をさすって血管を浮き出させ針を刺したんだけど「痛い」んだね。

「こぶができたのでいったん抜きますね」というから、これは刺し間違えたなと思ったので「腕を変えますか?」といってみた。

 

「そうですね、右手に刺しましょう。少しの間左を強く抑えてくださいな」と刺し方失敗で止血綿を当てた場所に右手の指を当てましたさ。

 

刺し間違えたから「痛い」かったんだね。右手に変えてからは痛くないの。「プラスチックの針ですからね」と、まあ、慰めとも言えない言い訳をしておりました。

30分ぐらいたったところで別の看護師さんが「先生の所見説明があります」とモニター、血圧&酸素濃度、それぞれの計器から端子を外して、ゆっくり起き上がると点滴スタンドを握りながら静々と「診察室1」の部屋に入りました。

胃カメラ検査、お疲れさまでした。これから検査画像を見ながら説明します」とおしゃりながら「検査結果(上部消化管内視鏡検査)」と書かれたプリントを見せてきました。

 

「カメラは咽頭、喉頭を通して食道、胃、十二指腸と進め、十二指腸はかなり奥まで見ました」とプリントの図に青インクでカメラが通った軌跡を記しました。

 

咽喉頭、胃、十二指腸については問題はありませんでした。ですが、食道の胃の噴門近くに腫瘍が見つかりました。画像上では5㎝ほどが確認され、腫瘍表面の形状がごつごつしていましたので、組織を取って検査に回します。この画像の状態から生検結果を待つまでもなく『がん』の可能性が高いです」

えっ、組織を取ったのは感じていたんだけど、『がん』だって!

「あきぼうさんは武蔵境の大病院にかかっているとのことなので、外科の予約を取ります。紹介状も用意します

 

がぁ~~ん!

それからいったん壁際のベッドに戻って、点滴が終わるのを待つ間の時間の感覚はありません。10分だったのか5分だったのか。看護師さんが名前を呼びながらカーテンを開けて、「点滴が終わったので外しますね。お着替えをしてから待合でお待ちください」と言われたんだけど、上の空になっていましたさ。

腫瘍の表面がごつごつ盛り上がって食道の管の3分の1を塞いでいる状態だとか。画像で見ると表面が出血しているのですよ。これは生検用の切除の影響かと思ったんだけど、先生がおっしゃるには、食べ物が腫瘍の表面を通過するときにこすれると出血するんだそうですよ。

 

これから大病院の診察があるまでは「消化の良いやわらかい食べもの」を心がけてくださいとのことだけんど、何を食べたらよかんべ

 

しばらく待って受付の看護師さんに呼ばれて大病院の診察券を見せて患者番号(ID)をお教えしました。診療予約をするときに患者番号があるほうがいいんだそうです。大病院は地域中核病院に指定されているからかかりつけ医院からの紹介状が必要なんだよね。昔はそんなことなかったんだけどなぁ~。

現在は心臓で循環器内科、大腸カメラで消化器内科を受診しているんだけんどね外科は1998(平成10)年に入院してからは受診していませんでしたからね。

 

会計をクレジットカードで済ませると階下にある薬局で当面の薬の処方をしてもらいました。胃酸の働きを抑えるタケキャブ、消化管の運動を整えるモサプリドクエン酸塩、胃の粘膜を保護するアルロイドG用液の3種類14日分です。

 

一晩が経過して、本日の午前10時過ぎ、携帯に電話の着信音が鳴りました。「大病院の予約が取れました。5月2日(木)の午後1時です」。一週間先、連休のさなかでやんすな。

カミさんは10年前に乳がんを経験しています。がん治療の先輩です。少しもあわてず騒がず、「仕方がないよね。病院の先生にお任せするっきゃないから」と。

でもねぇ~、まだ『がん』と決まったわけじゃありません。生検の結果がでるのは2週間後。大病院の受診が1週間後。

 

どうか良性腫瘍でありますよぅ~~に

 

胃カメラの 結果受け止め 花筏 (秋望)