理佐side
キュ……キュ……キュ……
レッスン室に響く靴の音。
激しいダンスが多い櫻坂は、他のグループより響いているのかもしれない。
そんな、いつも通りで、
「次の曲の小林のポジションに入るのは…」
少しだけ、いつも通りじゃない日々。
ガチャ…
それは、突然終わりを告げた。
「失礼します…」
「え、ゆいぽん!?」
「由依ちゃん!!」
「由依さん…?」
「こ、小林さんだ…」
「ふふっ、みんな久しぶり」
「由依…」
由依が、帰ってきた。
「由依ちゃん…もう、大丈夫なの?」
「うん、休養中も連絡くれてありがとう、みいちゃん」
「そんなん当然やろ?」
「由依さん…っ!!」
「ちょっと!いきなり抱きつかないでよひかる〜笑」
「もう…ずっとずっと会いたかったです!」
みんな由依に駆け寄って話しかけてる。
そうだよね、久しぶりだから。
私は……ここでいいや。
「ひかる…ちょっと、いい?」
「…」
「…分かった分かった笑、後で抱きしめてあげるから」
「…約束、ですよ?」
「うん、約束」
「分かりました…」
「ありがと…理佐ー?」
今、私の声が聞こえたような…
「理佐、行ってこい!」
「ちょ、友香押さないでよ!」
「今日ぐらい強がらないの!」
「あ、いたいた」
「…由依」
「理佐、久しぶり」
由依は私に向かって両手を広げた。
「…?」
「…おいで」
「おいで…って?」
「はぁ…相変わらず鈍感だなぁ…!」
「…っ!」
由依は私に近づき、私をそっと抱きしめた。
「っ……ゆぃ……」
「んー?」
由依がいる。
私の腕の中に。
こんなにも近くに、大好きな人がいる。
それだけなのに、視界がどんどん滲んでいく。
人前で泣くのは嫌、なんてことすっかり忘れていた。
「由依っ…由依だぁ…」
「ふふっ、由依だよ?」
「グスッ…」
「…ごめんね、悲しい思いさせて」
「寂しかった…!」
「ごめんね…」
「グスッ…」
「こんなに泣かせちゃって…私酷いね…笑」
「酷くないよ、これは嬉し泣きだもん…」
「…本当に?」
「うん…由依?」
「何?」
「おかえり」
「…ただいま」
「理佐が抱きついてる!私もー!」
「ずるい!私だって!」
「ちょっと、私もやらせてください!」
「ったく………んー!私もやる!」
「え、みんなどうしたの?」
「なんか全員集合してるけど…笑」
「みんなに抱きつかれてる…笑」
「由依のこと、みんな大好きだからね笑」
「みんな…ありがとう」
そう、みんな由依のことが好き。
もちろん、私が1番好きだけど…笑
由依。
これからも支え合っていこうね。
ずっとそばにいてね。
一緒に坂を駆け上がろうね。
おかえりなさい。