さて、いよいよ48ダンバインも塗装作業に入ります。

まず前記事でお知らせしました通り、VICカラーというシリーズは水性塗料です。

 

ぱっと見の印象は、シタデルカラーと同じ性質のような印象を持ちますが、果たしてどうなんでしょうか。早速メーカー推奨の使い方に沿ってテストしてみます。

 

何しろ全く知識のない状態で塗装しますので、HPに記載の通りにやってみます。本格的な塗装作業に入る前に、以前作りかけで挫折した72ダンバインの脚で練習です。

 

最初に、カラーを塗る前にVICホビー VIC水性プライマー 50ml入(灰色)というものを塗っておきます。プラサフ(プライマーサーフェーサー)のような感じですが、こちらも水性です。

 

 

このVIC水性プライマーも、他の塗料と同じく水で1:1で希釈して使用します。

筆塗りです。

仕上がりはマット、乾燥は比較的早いですが、どれくらい乾かす方がいいか分かりませんでしたので一晩放置しました。

 

やや色の濃い部分と薄い部分に分かれましたが、下地ですので気にせず、次は下地色として様々な色を乗せていきます。

今回使用するVICホビー VICカラー キャラクターメカ用基本カラー2(4色)の色の他、単色で手配したレッド、ダークイエロー、ベージュなども使用します。

 

因みにVICホビー VIC水性プライマー 50ml入(灰色)を塗らずに直にプラスチックに塗料を塗った場合、ほぼ色が乗りませんでした。

さらに各カラーの感覚ですが、シタデルカラーと比べて色の濃さや暖色、寒色にかかわらず乾燥に時間がかかり、隠ぺい力が全体的にやや低めです。

 

乾燥が遅いのはできるだけムラが出ないよう、平滑性を持たせている(つや消し添加剤が少ない)ため、また隠ぺい力は希釈1:1がエアブラシ向きなのか、筆塗りだとこの割合が少し薄いと感じるかもしれません。

 

そこで、乗せた塗料が垂れて溜まりができるのを避けるため、上の画像のような点描塗装(筆先に少量の塗料を乗せて色を点々と乗せていく塗装方法)を選択しました。この方法により、個々の色が乾燥しやすく、また垂れる心配もありません。

 

点描の下地が乾燥したら、最後に基本カラー2のメカライトシーブルーという水色を塗っていきます。この上塗り色だけ普通の筆による塗装法(2度塗り)です。

隠ぺい力がやや弱いと書きました通り、一度塗料を乗せただけですと赤などの下地がはっきりわかります。そのため2度、筆で塗装しています。仕上がりは基本半つやです。

 

72ダンバインの脚はやや梨地の状態の為、塗装した塗料も乗りやすかったのですが、普通のプラの場合はどうかとテストしたのが差し替えで余った48ダンバインの手です。

 

元々紫色のパーツにVICホビー VIC水性プライマー 50ml入(灰色)を塗り、ダークイエローを筆で塗ります。さらにその上にメカライトシーブルーを塗ったものですが、親指だけダークイエローのみ。

こちらは全体にメカシーブルーを塗りましたが、全体に綺麗に乗せるには希釈が薄かったのかもしれません。エッジなどで下地が見えてしまっています。どうも1:1という希釈に囚われすぎなのかもしれません。この希釈度合いは肝です。

 

小学生のころ、絵を描いていて上手く色が乗らずに何度も重ね塗りしている間に、紙が水分でよれよれになってしまって残念な思いをしたことがありますよね。

 

これはひとつめに「薄めすぎた絵の具で塗っていたから」であることと、もうひとつは「下地に濃い色を塗ってしまったから」です。ほかの塗料も同様に、使いこなすためには、その特性をよく知っておく必要があります。

 

ただ、個人的にはこのまだらな状態、これ現物は非常にエモイ(エモーショナル)んですね。

なんというか絵画的というか。表現として狙ったとしたらこれも確実にありなんです。

 

これらの感覚を踏まえてVICカラーについて非常に個人的な印象をまとめると、

  • 下地の水性プライマーは必須(下地を多少荒らして塗るとなお良し)
  • 筆塗りの場合、1:1希釈なら点描塗装がおすすめ。
  • 普通の筆塗りの場合、隠ぺい力の低さから希釈は1:1より気持ち水を少な目に。
  • 模型というより、イラストや絵画を描く感覚で塗装を楽しむ塗料

このような感じです。

 

点描画法は難しくはありません。適当な色を下地に乗せても、確実に味のある仕上がりになります。

 

むしろこの塗料を使って、模型誌の作例のように綺麗に塗るほうが、少し難易度が高いような気がします(絶妙な希釈度合いがあるかもです)。

でも、逆に上の画像のように、偶然できる微妙な風合いを楽しみながら塗装作業をしたい方には、それもアリなアプローチだと思います。

 

実際、有機溶剤不使用なので全く匂いもなく換気も必要ありませんし、用具類は水道水で洗えてすぐまた使えますし、なんといっても価格も安価で気楽 笑

 

そんなわけで今回は点描下地手法でじっくりのんびり塗っていきましょう!

 

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