今回は予告通り台座のお話^^
前回のブログでも書きました通り、作品を展示することを前提にした模型やフィギュアの制作ってことならば展示するためのシチュエーションを丸ごと考えてみましょうっていう話です。
これは以前Webデザインの会社にいた当時の話なんですが、Webデザインというのは以前は単純にサイトのデザインをするだけだったわけですが、次第にそのデザインによって商品展開、お客様への訴求手段といったマーケティング等も全てひっくるめたトータルなデザインを提案できる能力が要求されるようになってきていました。
それから制作するサイトの会社をコーディネートする能力のあるWebデザイナーは、後にWebマーケッターだったりWebコンサルタント、Webコーディネーターなどといった肩書きとなる『単なるサイトのデザイナーにとどまらない』仕事をこなすようになっていきます。
例えば映画の宣伝サイトであれば、映画の内容や世界観を再現したサイトの構造やデザインはもちろん、それと並行してグッズの企画販売戦略だったり、マスコミ戦略だったり、話題性を上手く先導するSNS戦略などというものも含めたトータル的なマーケティングがされているのが現在の形だと思われます。
無数ともいえる映画の中で、誰かに興味を持って見ていただくにはどうしたらいいか、そういう想いが上記のような現在の形にまで進化したとも言えるでしょう。
では模型の展示会であれば、ブログやツイッターやフェイスブックなどによる告知で多くの方に来ていただくという方法もあるわけですが、先日の静岡ホビーショーのように一般の『これまで全く模型と繋がっていなかったお客様』には残念ながら通用しません。
そういったお客様に足を止めてじっくり見ていただくには、仲間うちでの宣伝とはまた方向性の異なる手法が必要です。その一つが今日書く『台座(スタンド)』。つまりメインの模型を見ていただくためのマーケティングのひとつという見方です。
相変わらず前置き長くなりましたが(笑)、今回はしっかりコンセプトを決めて作ってきた模型なので、それに合わせた雰囲気の台座を作ろうと思います。
まず用意するものは台座のベースとなるもの。今回は100円ショップに並んでいた「ざる蕎麦皿」をチョイス。直径約20cmと、ほぼ制作した作品がすっぽりはいるサイズで、PS製ですから
塗装も楽です。
メードインジャパーンの印字が光ります(笑)これは逆さに伏せた状態で、ここにそのまま模型を乗せてもそれなりにスポットライトが当たったようになって目立ちます。
なんですけど、今回はここにこんな感じのテクスチャーを加えたいと思います。↓
これは以前ショップでも取り扱っていたウォーハンマービジョンという、シタデルカラーでお馴染みゲームズワークショップから出ていた作例画像満載の月刊誌に掲載されていた写真で、ひび割れた地面の台座ですね。
それもただ割れてるんじゃなく、右の画像のようにゴゴゴゴっていう地鳴りが響いてくるようなおどろおどろしい雰囲気にしたいと思うんですねー^^ これを通称ゴゴゴ台座と呼ぶことにします(笑)
100円ショップはそれはそれはいろんなグッズがあって非常に便利。特に手軽にオリジナルの台座用の材料が手に入るので、毎回楽しみでしょうがない(笑)
この地面にする基礎の部分は何かというとこれ。
皿の天面と同じサイズにカットした段ボールです。ここにシャープペンでテケトーにデザインを描きます。
まぁこの通りに切らなくてもいい程度の低い下書きでスイマセン(笑)
これを元に、ひび割れ部分を段ボールの中の段々を切らないようにして1番上の表面の部分(1層目)だけを切っていきます。
その後、ひび割れの中はこのようにペン先などで潰していきます。
まぁ大体でいいです(笑)そこへまたも100均グッズの優れもの、『ふわっと軽いねんど(DAISO) 黒』を指でグイグイ押し付けていきます。
これ前のザンボット3の台座の時にも使ったんですが軽いし固まるとポロポロ砕けたりしないしスゴイですよ!接写で見るとこんな感じ。ひび割れ部分の中までしっかり練り込んでやります。
さてまだまだここから。乾燥(晴天時で3~4時間くらい)したらひび割れ部分をカッターなどで剥がしていきます。
さあ、ここからがお楽しみの塗装!
まずはガイアカラー 009 ブライトシルバー (メタリックカラー 15ml入)をひび割れの中と周辺に吹いていきます。この辺はラッカーとかエアブラシじゃなくても、アクリル塗料や絵の具の筆塗りでもOKだと思います。
更にこの上にガイアエナメルカラー イエロー(10ml入)を同じく吹きます。またエッジ部分は目立つように筆で直接塗りつけます。
最後にガイアエナメルカラー 蛍光レッド(10ml入)をひび割れの中央に筆塗り、ガイアエナメルカラー ホワイト(10ml入)をエッジ部分にドライブラシしてほぼ完成。
最後に、マグマ部分にシーフォース- カラメルUV 透明色 ルビー(UV硬化カラー樹脂)と、シーフォース- カラメルUV 透明色 シトリン(UV硬化カラー樹脂)を流し込んでやって、太陽光で1時間ほどで硬化させます。
作業時間は意外に短くて1日。段ボールを使ったのは割れた地面とその下の層をはっきり区別して再現したかったからで、手元に大量にあったのでやってみたという行き当たりばったり具合(笑)
これに模型を乗せてみます。最初の真っ黒の作成前の台座と比べてみてください^^
実はあと、蕎麦皿に金枠の塗装を施す予定なのでこれまた完成ではないんですが、いよいよラビリス完成までもう少しってところまで来ました~。あ~楽しかった(笑)
展示するにあたってはあと注意点はもう一つ、完全に固定できるようにすることが必須です。
今回の作例だと、台座側がほぼ中空ですので、台座下から足の裏にビスを通してやると一番いいですね。巨大まさかりは余りの重さで本体に追従する(笑)ので、固定無しでも大丈夫でしょう。
あ、そうでした新商品を一つ(笑)
今回カラメルUVを割れ目の隙間に流し込む際にこれを使用しました。
先日入荷して以降、じわじわと売れていてとても嬉しいです。実はこれ、使い捨ての細いブラシなんですけど、使用後に溶剤などを洗い流せばまた使えます(笑)
攪拌や混合のほか、今回のようなレジンのように筆を使いたくないマテリアルを扱う際には便利。あと溶きパテなんかを擦りつけたりするのにも使えるでしょうね。
ラビリスの塗装の際には10本くらいを使用しましたが、洗ってもう一回か二回は使えるようにしてあります^^
さて、こんな具合で展示会向けに台座、気軽に作ってみてはいかがでしょう?
この他、展示会では動く演出や、LEDなどを使った発光ギミック等、様々な工夫で足を止めてもらう事もできます。いずれも失敗してもまた別の方法でやってみればいいですし、何しろ大して手間もお金も掛かりません。そして、やるとやらないとでは大違いの見栄えになるのは、間違いありませんヨ!ヽ(^o^)丿