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フィギュアスケートインストラクター、かつ市民ランナーでもあるAkiのブログ

40過ぎの某スポーツコーチ。趣味と仕事を兼ねてウェイトトレーニングやマラソンなどもやっています。このブログではジャンルを問わず、好きなことを自分の忘備録も兼ねて書いてゆきます。

 私はレッスンをするときはどのレベルでもどの課題でも緊張するが、その中でも特に緊張するのがブロンズ級の課題である。ちょうど初心者レベルを追えたくらいの人がやるもの、と考えてよいが、その中でもヨーロピアンワルツ、と呼ばれるパターンダンスがある。ステップそのものはスリーターンのみで構成されているような非常に単調なものである。その単調さの中にアイスダンスをする上での大切な基礎、肝がしっかりと詰まっていて、正しくやろうとすると、選手たちも皆嫌がるダンスである。

 

①男性と女性が正面にいること

②スケートの上に滑る方向と同じ方向に体重を落とすこと

 

この二つの原理からヨーロピアンワルツの技術、ノウハウを組み立てると、今、一般に広く認知されているヨーロピアンワルツの方法、教え方がいかにいい加減で間違ったものかが浮き彫りになってしまう、なかなか恐ろしいダンスなのである。一方で、この単純なステップとクローズドポジション(男女が向かい合ったアイスダンスのポジション)だけで構成されている地味なダンスを正しく練習し直すだけでアイスダンスに対するものの見方が180度変わり、アイスダンスそのものの考え方が変わるのだ。

 こんなことを急に書いたのは、今日、ヨーロピアンワルツのレッスンをして、お弟子さんが先入観的に持っていたものとの違いにビックリしてくれて、レッスンの終了時には成長を見せてくれたからに他ならないのであるが、このヨーロピアンワルツを教えたり滑ったりするたびに感じるのが高校生の数学(の延長)でやったオイラーの式なのだ。である。この式の中にネイピア数も虚数も円周率も入っており、さらに理解するためには整数、三角関数、複素数、複素数平面、ベクトル、無限級数を理解できねばならないという、この式の中に数学の重要事項が含まれているという点で(私は高校数学、それと統計処理くらいまでしか知らないからあまり偉そうに語るとボロが出るが)、ヨーロピアンワルツと通ずるものを感じるのである。そしてヨーロピアンワルツを完璧にやったとき、「これぞアイスダンス!!!」と叫びたくなるような感動すら覚えるところも、オイラーの式の照明を理解した時の「ウヘッ!!!!スゴッ!!!!」というあの言葉にならない感動に似ているのである。

 単純なものの深淵を見た時の感動は数学であれ、フィギュアスケートであれ、変わらないんだろうな。