皆さんこんにちは(*´∇`*) 

新しい春のお慶びと、
お喜びを申し上げます♡


お正月ということで、
オールキャラのお話です。

わーい、楽しいけど大変♡ 




真面目な感じのオールキャラ初詣は以前書きましたので、今回はばかばかしく、言うならば、ほら……だめな一幕みたいな



久々に長いの書いたので色々ぐだぐだな上に、
頼みの旦那さま方も全員酔っぱらいでぐだぐだですが……ま、リハビリということで(*´∀`*)




あ、
ふざけたお話がだめな方はどうぞご自衛くださいね☆







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「明けまして、おめでとうございます」

一年のはじまり、気持ちを込めて丁寧に頭を下げた。


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この時代へ来て、何度目かのお正月を迎えた。

お休みの少ない置屋の仕事もこの時ばかりは例外で、皆が何からも追われることなく羽を伸ばせる……はずだったんだけど。


今年は試みとして、元日から置屋を開くことになっていた。島原の総会で年始こそが稼ぎ時だと、一部の置屋楼主が騒ぎ立てたからだと情報通の姐さんが憤っていた。


「新年早々、あんさんらには忙しない思いをさせて申し訳ないけど…」

私達を気遣ってくれる、優しい楼主の今朝の姿がまぶたに甦る。

情報通の姐さんはこんなことも言っていた。
秋斉さんは例年通り総仕舞だけ受ければいいと主張してくれたということ。
だけど「それが島原の品格に繋がり、男達の憧れを呼ぶのだから」という真理も、欲に支配された人達には響かなかったらしい。


(秋斉さん…大丈夫です。秋斉さんや姐さん方のおかげで、藍屋のお客さまは良い方ばかりですから)

それは揚屋のお座敷を渡りながらつくづく実感していた。
新年のお祝いムードでお酒が進んでいても、馴染みのお客さまはどの方も、ご自分を見失うような飲み方はされなかった。


だから私は、一番楽しみにしていたこの二つのお座敷がまさか、こんな状態になっているなんて夢にも思っていなかった。


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深々とした挨拶から顔をあげた瞬間、私の頭からは思考やら言語やらがスポンと抜け落ちた。


……こちらを見ている、七人分の視線を前にして。


大好きな人達が口々に「おめでとう」とか「今年もよろしく」とか新年の挨拶を返してくれるのに、情報処理が追いつかなくて拾いきれない。


部屋の真ん中にあったはずのふすまは外され、二つのお座敷は大人数で使用する時のように一つの広いお座敷へと変えられていた。


「あの……皆さん…どうして…お揃いで…?」


片言になりながら問いかけると、すぐそばに座っていた龍馬さんが、ぱん と手を叩いて笑った。

「それが聞いとうせ!三谷らと飲んじょったら外で鴬(うぐいす)が鳴きよった気がしてのう…」

楽しそうに話し出した龍馬さんは、少し酔われているのかいつもよりひとまわりほど声が大きい。

高杉さんの「空耳だ」という容赦のない突っ込みに枡屋さんは苦笑し、慶喜さんがあははと笑う。

龍馬さんはそれには構わず、鴬を探しに庭へ出たところでばったり沖田さんと会って声をかけたのだと教えてくれた。


「しばらく二人で探してたんですが、もうどこかへ飛んでいってしまったようで…。私も会いたかったですよ、鴬(うぐいす)に」


朗らかに微笑む沖田さんの向こうで、土方さんは無表情に杯を傾けた。

「なんか、すみません…」と謝る翔太くんも、土方さんにならって杯を口元へと運ぶ。
おちょこを傾ける瞬間に、目を丸くていた私に気付いて笑った。


「…翔太くん、お酒…」

「ちがうよ、○○。俺も知らなかったんだけど、お屠蘇って日本酒だけじゃなくてみりんでも作れるんだってさ。だから、みんなのはお酒だけど、俺が飲んでるのはみりんなんだ」

「みりん…?」

「○○も飲んでみるか?」


香草等で香り付がされてるとはいえ、みりんを飲むってどんな感じなんだろうと、好奇心がうずうずしてたところに、そう誘われて。

私は彼の近くへ行って、膝をついた。
受け取ったおちょこに翔太くんがお屠蘇を注いでくれる。

「…いただきます」「どうぞ」少し大人になったような自分達のやりとりがなんだか照れくさくて、誤魔化すように口元へ近付けた。


(……ん…?)


「翔太くん、これ……」

明らかなお酒の匂いに顔をあげると、翔太くんは座った格好のまま、顔が見えないほどうつむいていた。

恐る恐る覗き込むと規則的に寝息を立てながら、クスクス笑っている。


「……わー…」


「○○さーん」
「○○ー」

声を揃えるみたいに沖田さんと龍馬さんから名前を呼ばれて、私はその場にそっと翔太くんを横たわらせた。


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「あ、ほら見てください!そっくりでしょう」

二人の前までいくと、おせち料理の盛られたお膳から小さな小鉢を持ち上げて、私の顔と交互に見比べられる。

「ほうじゃのう…」

「……小鉢…みたいですか?私」

首を傾げてそう尋ねてみれば、二人は同時に目を見開いて、その後一緒に笑い転げた。

翔太くんがお酒に弱いからかと思ったけど…。私がここへ来る前に、この部屋で一体どれだけのお酒が消費されたのだろう。

だんだん不安になってきて、皆の様子を確認しようと振り返りかけた時、沖田さんに呼び止められた。

「○○さんの、唇の話ですよ」

「……え?」

「○○さんの唇の色がいつもより、柿っぽい。ほら、このなますに入ってる柿と同じ色だ」

「あ…」

思わず唇の淵に指先を当てた。

新年の華やかさを出したくて、菖浦さんをご贔屓にされてる旦那さまからいただいた、オランダ製の紅をいつものお化粧に重ねていた。
確かに、いつもの紅の色よりも少しだけ黄色がのっている。

「すごいです、沖田さん…!驚いちゃいました…!」

こんな小さな変化に気が付くほどに、見てくれていたなんて…。

あまりに楽しそうだったから、酔っ払いすぎているんだと決めつけてしまっていたことを心で謝る。


「は…!ということは○○さんの唇もこの柿のように美味しいんじゃないでしょうか…?」

そして、その謝罪はすぐに取り消した。

「○○の唇じゃ…柿よりもこじゃんと美味いに決まっちゅうちや」

「な……なに言ってるんですか…!」

そもそもこの二人のいう「美味しい」は、やらしい意味なのか、単純に食べ物としての興味なのかも判らないけれど、それでも頬は勝手に赤らんだ。


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ひゅっ…


風切り音のような音が聞こえた気がして振り向くと、胡座をかいたまま弓を放ったような格好になっている慶喜さんと、その隣で同じようにこっちを見ている高杉さんと目があった。


「……外したようだな」

「もう、○○。動いちゃだめだよ」


(ーこっちはこっちで何の話…?!)


彼らの持つ見えない矢はどうやら私に向かって放たれているらしく「次は君の番だ」とかなんとか言いながら、慶喜さんから高杉さんへ彼らにしか見えない何かが手渡された。

「ふん……俺が仕留めてやる」


手のひらにはぁと息を吹きかけて、高杉さんがその見えない何か……流れから汲むと恐らく“弓”を構えて、私に向かって片目を瞑った。


「や、ちょっと…!…た…三谷さんがやると振りでも迫力あって怖いから止めてくださいよ…!」

思わず顔をかばうように手をかざした私に目のすわりかけた慶喜さんがにっこりと笑う。

「大丈夫だよ○○、この矢は痛くない恋の矢だから」

「こ……恋の矢?」

「そう、この矢がお前に刺さると、お前はもう俺のことしか見えなくなるんだよ。ね、何も怖くは無いだろう?」

「………その概念、この時代にありました?」

「何?」

「…いえ…」

「そうだぞ○○……怯えずとも痛いのははじめだけだ。すぐに気持ちよくなって、名を呼びながらしがみついて来るに違いない」

「だめだよ、三谷くん。君の矢は大きすぎて○○には痛いよ。相性がいいのは俺だよ、○○を見ていたら解る」

「戯れ言だな。お前の技術では○○を…」

二人は妖しいニュアンスの会話をしながら舐めるような視線を向けてくる。


「ーーっ、一体なんの話ですか…!聞きたくない聞きたくない…!」


両手で耳を塞いで、二人の声が届かないようにわーわーと声をあげていると、珍しくお座敷に肘をついて寝転んでいた枡屋さんが起き上がった。

こっちへ来なさいと、困ったような笑顔で手招きをしてくれて、駆け込むように妖しい二人から逃げ込んだ。

「こないかいらし娘に弓を射るやなんて……いくら酔いが回うとると言うても、わてにはとても信じられまへん…」

そう言って、私の二の腕を労るようにそっと撫でる。

「わてなら……そないなことはしいひんよ。このかいらしいうぶ毛をすみずみまで撫で付けて…」

「……すみずみまで…」

「それから、この……貝殻みたいな美しい爪の先を一本一本、大事に愛でまひょ」

「……えっと…」

「そうや。今宵はよう冷えるから、わての懐に入れて閉じ込めてしもうてもええかも知れへんね…」

「うぅ…枡屋さんはいつもと大差無いから酔ってるかどうか解りにくいです…!」


つい暴言を吐いてしまいつつ、解りにくくも確実に酔っ払いの枡屋さんから離れようとしたけれど、握られていた手は先程の言葉通りに彼の懐へと飲み込まれるように引き摺り込まれていた。

「わ…待って」

彼の背中まで回されてしまった指先をなんとか宙に浮かせても、滑らかな脇腹が腕に触れるし、それだけ腕を深く引かれれば、嫌でも枡屋さんの胸に頬を預けるかたちになってしまって、頭の中が沸騰しそう。

「ま、枡……!」

こっちの方が酔っ払ったみたいに真っ赤な顔になって、彼の名前を呼ぼうとした時、誰かに後ろから抱えるように引き上げられた。



「何振り回されてやがる」

「ひ……土方さん…!」

「みっともねぇな、来い」

「! はい…!」


厳しい言葉に思わず背筋を伸ばして身を引き締める。

確かに……皆が酔っ払っているからと言って、そこでもてなす側の私まで振り回されてたらどうしようもない。

人数分のお水を持ってくるなり、男衆の人達や、他の座敷の姐さん達に相談したりと、出来ることがあったはずなのに…。


(良かった……土方さんだけでも、いつも通りでいてくれて…)

手を引かれてお座敷を出る頃には、土方さんの背中がすごく頼もしく、とても……とても素敵に見えていた。



「土方さん……あの、有り…」


襖を閉めて頭を下げようとした私は、その感謝を伝える前に超絶至近距離の壁ドンを経験するはめになった。

壁に付かれたのは手のひらでなく肘で、今にも二人の鼻先が触れそうな距離。


「……!」


「……ご用改めだ、○○」

「ーえっ?…は…、え?…なん…ですか…?」

「新年から俺以外の男に良いようにされやがって…」

「あの、その言い方はちょっと語弊が……」

「うるせぇ。副長直々に裁いてやる…」

「ちょ…」


傾けられた唇に、今にも捕まりそうになったとき、ペチッと音を立てて土方さんのこめかみに何かが飛んできて貼り付いた。


「困るよ、土方くん。次は俺の番なんだからね。参加したいなら、正々堂々と…ね」

「慶喜さん…っ!…………てか、その遊びまだやってたんですね…?」


「そうだぞ、負け犬。この男のいう通り、俺の後ろに並べ」

「……負け犬…?」

土方さんの眉が動いて、貼りついていた沢庵がペラリと剥がれ落ちた。


一触即発の雰囲気に、背筋がぞっと凍る。


(このまま、土方さんと高杉さんが揉めたら…お酒の席とはいえ大変なことになっちゃう…!)


「ひ、土方さん…!ーあっ…!」

慌てて彼の袖を引いたけれど、すごい速さで踏み込んでいく勢いに私の指なんてすぐに外れてしまった。


「だ…だめ…!」

悲鳴のように叫んだ私を置いて、土方さんは掴みかかってしまった。
高杉さん…………にでは無くて、何故か慶喜さんに。


「ちょ…痛いっ!土…、俺一応君の上……い、痛いから…!何!?」

身が凍るほど心配した高杉さんは二人を見ながらいいぞやれやれなどと囃し立てて笑っていた。



「………………」

「…○○!見てないで、助けてよ…!」



私は新年早々ひどい脱力感に襲われながら。


慶喜さんに力の無い微笑みをひとつ返し、七人分の冷たいお水をもらいに廊下を歩き出したのだった。








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おしまい。



ばかでごめん(笑´∀`)

そして長くてごめんw


こんなんですが、
今年ものんびりよろしくお願いします♡

皆さまにとって幸せな一年でありますように☆