最近パチンコにもなってます、『デビルマン』。
テレビ版は全くの別作品と思ってください。テレビ版は低年齢対象の勧善懲悪なソフトなアニメ作品なんです。「機動戦士ガンダム」もそうですけど、アニメだと「正義ヒーロー」とか「悪と戦う」とかってすぐ主題歌で歌っちゃいますが、マンガ版の主題はそんなんじゃないんですから。
原作はというと、これがスゴイの!あの時代にこんな作品が書けたんだと本当に感心させられます。マンガ家目指す人はそりゃ影響受けますよ。だからトリビュート作品的なものもいっぱいでるんでしょうね。『ベルセルク』なんか明らかに影響受けてます。1ページまるごと真っ黒で、その中に恐怖・憎悪・悲愴的な感情を目や口だけで表すこの「デビルマン手法」は『ベルセルク』だけでなく、色んな作家が使ってますね。それだけインパクトのある作品です。


ストーリーとしては、デーモン界を裏切った正義の戦士、なんて単純なモノじゃありません。天使・悪魔って世界観から人間の醜さまでしっかり書き込まれています。私が感銘を受けたのは、人間界が魔女狩りの世界となって、悪魔だと思われた人々を弾圧する群集の狂気の部分。
異常な世界なんだけど、またそれがリアルでもあり、狂気に触れた人間たちの怖さが非常に恐ろしく描かれています。色々な本や映画で群集が狂気に走る様が描かれていますが、これに匹敵するものはなかなかないですね。
さて、『デビルマン』の主人公といえば不動明ですが、実は飛鳥了が主人公って言ってもおかしくないでしょう。飛鳥了がいることでこの作品は単なるSFマンガって枠を超えたんじゃないかなと思います。最後のシーンは非常にショッキングで、私もビックリしました。詳しくは書かないですが、ぜひ読んでください。
グロいのが嫌いな方は注意です。だけど、そこも含めてこの作品は名作なので、しっかり読んでほしいなと思います。

藤子先生の作品は数多いけど、どれも子ども向けってイメージあるんじゃないかな?でも、これは大人でも十分楽しめる作品が山ほど詰まってます。短編集だから、軽く何か読みたいなって時には最適でしょう。

さてさてその中身は…
藤子ワールド全開です。藤子先生がその時思ってたことや書きたかったことがふんだんに描かれてます。歴史、哲学、人生、娯楽、シャレなんてものが藤子スバイスで味付けされて少し不思議な世界を造り上げてます。
圧倒されるのはその量!よくもまぁ、長い間これだけの作品書いたなぁと思いますね。しかも一つ一つにしっかりテーマがあります。70年代80年代90年代と画風がちょっとずつ変わってきてるのも味があって良いですね。両さんやゴルゴなんて長い間連載してますけど、それに匹敵します。

短編モノって難しいと思いますね。なんせストーリーを簡潔にまとめ、さらに楽しくなきゃいけない。そして造らるた作品は使い捨てのように読み捨てられてそれっきり。さらに大先生になればなるほど期待も高まってプレッシャーがすごいでしょう。
今こんな風に短編をしっかりかけるマンガ家っているかな?あまり思いつきません。高橋留美子はスゴいですね。日常をあれだけコミカルかつシリアスに彩れる人はいないでしょう。

藤子先生は映画とか歴史とか好きで、それっぽい話がいっぱいあります。
あれ?映画や本で似たようなストーリー知ってるよ、なんてモノもあるでしょう。でもどっちが先かなんてどーでもいーんです。一流だから楽しめるんです。他人の歌をカバーするシンガーがよくいるけど、歌う人の力量次第で感動したり、バカにすんなってなったりするでしょ?
藤子先生の言う、少し不思議な世界を楽しみましょう。
あ、大スペクタクルとか大恋愛なんてことは期待しないでくださいね。あくまでも日常からのSFなんで。
内容は解ってるんだけど、何回も読んじゃったマンガってあるよね。特に小気味良く完結してて、後味の良いモノ。
そんなマンガ、今回は『柔道部物語』です。
柔道モノって一時期大流行で、あちこちの雑誌で連載されてたけど、これが一番だと思います。
ストーリーは至って単純で簡単。全くの初心者がその才能を開花して強くなっていくって物語。『あしたのジョー』とかみたいに人生観を考えさせられたり感情移入しすぎちゃったりすることはないんだけど、「高校生の部活」って感じで非常にリアルなんだよね。
私が一番って思うのは、そのリアルさから。『YAWARA!』は一世風靡させたけど、最初っから天才で一つ一つの技もどこかリアルじゃない。柔道経験者からみると、「そんなに簡単にできないよ~」と思っちゃう。だけど、『柔道部物語』はどこか親近感が沸く強さなんだよね。一つ一つの技がしっかり分かるように描かれていて、試合のシーンも、足の動き、表情、体のバランスなんてことまでしっかり描かれています。もちろん変な必殺技なんてないし、「柔道」をしっかり書いてます。
初めて人を投げ飛ばしたその感触や、うまい人と下手な人の書き分けなどもできていて、さらに主人公や周囲の人が成長していく。このあたりも無理のないストーリーになってます。
何といってもその画力!ハッキリいってイケメンは一人もいません。でも現実ってそうでしょ?登場人物は結構いるんだけど、あれだけ人の顔を書き分けられているマンガ家ってなかなかいないです。上手い画を書く人はいっぱいいるけど、しっかり人物を描き分けられる人となると・・・弘兼憲史に匹敵するんじゃないでしょうか。
「柔道部はモテない」「柔道の試合ってオトコくさい」こんなところも非常にリアルです。試合場に足を運んだ女性たちの「臭い」って言葉は絶妙にリアルですね。とりあえずスポーツモノで、柔道がイヤじゃなければコレをオススメします。良作ですね、はい。