Subterranian Homesick Blues -3ページ目

青少年健全育成条例について感情的にならずに書く

東京都において、青少年健全育成条例が都議会総務委員会にて可決された。

件の「非実在青少年」がどうのというやつだ。
架空の人物が犯す性犯罪や暴力を不当に賛美する表現を、「漫画・アニメのみ」規制するという条例である。

自分の立場をはっきりさせておくと、漫画に関してはそこそこ読むが、アニメは数を見るほうではない。
漫画には目から鱗が落ちるようなすばらしい表現をしているものや実験的な作品がある一方、売らんかなの目的で安易に「萌え」や「エロ」「グロ」に走っているものがあるのも知っている。
アニメに関しても同様、スタジオジブリの例を出すまでもなくジャパニメーション is NO.1 in the world だが前述の「萌えエログロ」の類はある。

また、ネットを眺めると今回の条例を推し進める旗頭となっている石原慎太郎には「老害!」などと感情的な意見が目立つが、ぼくはこのじいさんは好きなのである。
左右をきょろきょろと顔色窺って何も出来ない、もしくは出来もしないことを言う政治家が多い中で毅然とした「自分の意見」を持っている数少ない人だと思う。

それでも。

今回ばっかりはちとしくじったんじゃないかと思う。

公的機関がいちいち表現活動に口出ししてきて良いはずがないし戦前・戦後の文学の検閲を見て石原自身もそれはわかっているはずである。18歳未満禁止などの制限を強化したいなら話は別だが今回の条例文は改正案でもそれを遥かに越えている。
また、漫画・アニメに限った条例というアイデアもどこかトチ狂ったとしか思えない偏った判断だ。小説・映画・ドラマ・TV番組など青少年に影響を与えるであろうメディアは他にもあるだろうに何故漫画・アニメに限って規制をするのか。その論拠は全く示されていない。

だから「石原は老いたから嫌いな若者文化を潰しにかかった」などという感情論が噴出する。
規制する側に論拠がないから規制反対派も反対意見を論じられないのである。これでは同じ土俵に立って相撲が取れない。

願わくば石原慎太郎はいつまでも元気で矍鑠とした老人であってほしい。
しかし、いやだからこそ、この条例に賛成することは絶対に出来ない。

そして漫画やアニメを作る側には自浄作用が必要だ。今回の条例で引き合いに出された漫画などにはたしかに眉をひそめたくなるようなものや、自分に子供がいたら見せたくないようなものがあった。
それも文化の一つだ、とか100年どころか10年後には残っていない、というような向きもあるかもしれないが、重ねて、自浄作用は大事なのだという事を特に出版社には言いたい。
そして逆に言えば自浄作用以上のものを求めるのはナンセンスなのだと、条例推進派には言いたい。他人が作品をジャッジするのはおこがましいし公平な基準などないのだから。国境を一つまたげば、性別を越えれば、年齢を重ねれば、そこには数多の基準が存在するのだ。

Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL. 2 レビュー。主に新曲の

以下収録曲リスト

Disc1(Singles)
01 Prisioner Of Love - フジテレビ系ドラマ「ラスト・フレンズ」主題歌
02 Stay Gold - 花王「アジエンス」新CMソング
03 HEART STATION - レコード会社直営♪CMソング
04 Kiss & Cry - 日清カップヌードルTVCM FREEDOMシリーズ新テーマソング
05 Beautiful World - 「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」テーマソング
06 Flavor Of Life -Ballad Version- - TBS系 金曜ドラマ「花より男子2」イメージソング
07 ぼくはくま - NHK みんなのうた 2006年 10月~11月のうた
08 This Is Love - 日清カップヌードルFREEDOM キャンペーンテーマソング
09 Keep Tryin' - LISMO! au LISTEN MOBILE SERVICE TVCM タイアップソング
10 Passion - ゲームソフト「KINGDOM HEARTS II」テーマソング
11 Be My Last - 映画「春の雪」主題歌
12 誰かの願いが叶うころ - 映画「CASSHERN」テーマソング
13 Beautiful World -PLANiTb Acoustica Mix- - 「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」テーマソング
Disc2(新曲)
01 嵐の女神
02 Show Me Love (Not A Dream)
03 Goodbye Happiness
04 Hymne a l'amour ~愛のアンセム~ - ペプシネックスCMソング
05 Can't Wait 'Til Christmas - ペプシネックスCMソング

Disc1のシングル曲は新しい順から並んでいる。
理由は、古い曲からにすると「誰かの願いが叶うころ」「Be My Last」とアルバムのスタートとしては曲調が暗すぎて滅入るから、と宇多田ヒカル本人がラジオで語っていたらしい。
確かに納得、ではある。両方とも着メロにしたことがあるくらい好きな曲だが、アルバムの初っ端には適さないかもしれない。

シングル曲たちについては今さら自分が縷々言うこともないだろう、みんな完成度が高い。
曲の流れですきなのはBeautiful World ~ ぼくはくま の順番だ。

「Beautiful World」はアニメの主題歌だからか、他のどの曲よりも力強い。
エヴァンゲリオンというアニメの世界を出発点、土台にして曲を書くから、これだけの「強さ」が出るんじゃないかと思う。
逆に「Flavor of Life」はとても儚くもろいイメージの曲だ。
「ありがとう、と君に言われるとなんだかせつない」
この耳に残るフレーズがアンビヴァレントでとても印象的だ。
そして「ぼくはくま」はNHKみんなのうた、つまり童謡。
童謡は楽曲の原型というか、皆が影響を受けずにはいられないものだと思う。
それを彼女が作ったというのが面白い。

この3曲だけでも、宇多田ヒカルというミュージシャンの懐の深さが伺えると思うのだ。

---まめちしき---
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」という名前は雅楽や能の三部構成「序破急」から来ているそうで、次回作は「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」になるらしい。
「Q」の公開のとき宇多田ヒカルは歌手活動を休止している予定はずだが、「序」「破」の主題歌を担当した彼女にオファーはないのだろうか。もしかしてもう提供しているとか? 勝手に想像してしまう。
---まめちしき おわり---

Disc2には5つの新曲が入っている。
そして、これがどれをとっても味わい深いのだ。

まず「嵐の女神」
これは曲のタイトルが悪い、というか何故この名前にしたのか意図をつかみかねたが、メロディーラインがとても綺麗でやさしく広がりのある気持いい曲である。


そして「Show Me Love (Not A Dream)」
一転してダークな曲だが色彩が面白い。
「湖の底へゆっくりとまた沈んでく」
「紫の信号が点灯(ひか)って思考停止不安だけが止まらない」
コーラス部分でも
「(Inside my lavender dreams)」
と歌っている。
曲調がロックなのだが安易に黒系を使わずに湖の底、紫という色を選んだことがよりリアルな「Death」に近い印象を与える(紫は酸欠、チアノーゼの色で人の不安を想起させると言われる)


以前のエントリでも書いた「Goodbye Happiness」
その時は歌詞が発表されていなかったので聞き取りと予想でレビューを書いたのだが、そんなに的外れではなかった、というかけっこうイイ線いってたのではないかと自画自賛する。
「考えすぎたりヤケ起こしちゃいけない 子どもダマしさ 浮き世なんざ」
なんて、粋だね!


「Hymne a l'amour ~愛のアンセム~」これはフランス語でCM曲作ってみました! という感じの実験曲だと思う。「Hey!」って言ってるよ。
-2011.1.17追記-
この曲には原曲があった。エディット・ピアフの「Hymne a l'amour」
とてつもなく雰囲気があります。



「Can't Wait 'Til Christmas」珍しく、というか確信犯的にベッタベタなクリスマスラブラブソングを作ってみました、という感じの曲。
最近Twetterでつぶやいていた「ぶりっ子バージョン」のペプシNexがこれなのかも。


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以上がぼくの感想。
聞いていて思うのはとにかく多種多彩にチャレンジしている曲が多いということ。

明日の、いやもう今日か、横浜アリーナLiveで歌手・宇多田ヒカルとはいったんさようならだ。

本人は名言を避けているが、これだけの才能はきっと、ずっと仕舞っては置けないはずだ。だからきっといつか、復帰してまた素晴らしい歌を聞かせてくれると、ぼくは勝手に信じている。

宇多田ヒカル「ぼくはくま」を替え歌する

ロシアくま くま くま くま
車じゃないよ くま くま くま
ウォッカはいつもストレート
しゃべれないほどストレート
ロシアくま くま くま くま

ロシアくま くま くま くま
戦争はやだよ くま くま くま
ライバルはチェブラシカだよ
ゼンセはきっとt.A.T.u.だよ
ロシアくま くま くま くま

ズドラーストヴィチェ! ミニャ サヴト くま。ハラショー? 

ロシアくま くま くま くま
冬は寒いよ くま くま くま
夜は「おやすみ、まくらさん」
朝は「おやすみ、まくらさん」
ロシアくま くま くま くま

夜は「おやすみ、まくらさん」
朝は「おやすみ、まくらさん」
ロシアくま くく くま
ママ くま くま

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酔っ払って歌うのがいちばん

遺言を考える日。ゲームの。

俺の屍を越えてゆけ」というゲームがある。

10年前のゲームだが、PS3やPSPからオンラインで今でもダウンロードで買える。

主人公の一族は朱点童子という鬼に短命の呪いをかけられて二年しか生きられない。そこで神様と交わって子供を授かり、その子が親の果たしえなかった朱点退治に向かう。一族の悲願達成までそれは繰り返される。

この儚いテーマに惹かれた人は数多く、ファンがけっこういたと思う。僕もその一人だった。


そして今週頭に、このゲームがリメイクされることが決定されたと報じられた。

で、詳しい流れはしらないがファンがキャラクターの遺言を「募集してください」といってディレクターの桝田省治さんがtwitter上でそれをチェックしてくれている、ということになっているようだ。

そこで僕も投稿を始めた。一昨日位から遺言をツイートしてばかりである。

なかなか上手くいかない。書けば書くほどクサイわツマラナイわ他人とかぶるわ。そして発想が他人と同じでは目に留めてもらえない。
一番短く出来ないだろうか。過去の投稿とかぶらないように。一言で。

「あ、蛍、、、」

これがひっかかった。
桝田さん曰く、「平凡だがきっとうける」
10文字でバッサリ。こちらの意図もずばり見透かされた。正直とても恥ずかしい。

形を変えて採用されたが、「本職にうなってもらいたい」というのが本音だ。
とても悔しいので締め切られるまで恥を忍んで投稿し続けるつもりである。

そしてリメイクは買っちゃうもんね
やりこんじゃうもんね


以下は元の作品のCM。岸辺一徳はこういう雰囲気に良く合う人だ。

俺の屍を越えてゆけ CM

十一月の曲は続く。宇多田ヒカルという女性について。

宇多田ヒカルがYOUTUBEで公式チャンネルを始めたらしい。

http://www.youtube.com/watch?v=cfpX8lkaSdk&feature=share

新曲も発表されている。タイトルは「Goobye Happiness」
でもネガティブな暗い歌ではない。
きっとこれは
「Are you happy?」
と聞かれて
「Yes I am!」
と元気に答えちゃうTeenagerのような底抜けの明るさ、そういう「Happiness」から「Goodbye」した曲なんじゃないか。
そんな時期を通りすぎて、一つ大人になったという歌なのかなと思う。
もうすぐ発売されるベストアルバムに収録されるらしいので、そのときに歌詞と共にもう一度味わって聴いてみよう。

僕は宇多田ヒカルが大好きだ。
特に結婚や離婚を経てちょっと大人になった、でも茶目っ気も忘れないキュートで正直な宇多田ヒカルが大好きだ。
落語の「妾馬」なら殿様のところに御奉公にいったお鶴に再開した八五郎が思わずつぶやく
「いい女になりゃあがったなァ・・・」
というところだ。二十七八、三十凸凹。ちょうどいい女の年齢じゃないですか。

彼女は残念ながら僕の妹じゃないけれど。


ともあれ。彼女は今年一杯で音楽活動に一旦終止符を打つそうだが、全然いいと思う。
海外アーティストでも一旦バンド解散→再結成なんて流れはしょっちゅうある。彼女もきっと音楽はやめないんじゃないかなあ、と勝手に想像している。