彼と見つめ合い、あたしの覚醒が始まったのは出会ってから約1年経った頃だった。

その強烈な出来事の前にも何度かシンクロはあった。


通勤中バッタリ会ったりしないかなと、ふと思っていたら、目の前を歩いていた。
彼の後姿なんて見たことないし、周りに人がたくさんいたのに、すぐ彼だと確信した。


彼は気付いてないだろうけど、あたしはそれから何度も偶然彼の後姿を見ている。あたしは彼の頭の形が好きだ。小さくて、あたしと違って立体的で、キレイにカットされた頭。


でも後姿はどこか寂しさを感じる。小さい頃から傷付かない術を身につけてきたみたい。社会に出てもそれは役に立ってきただろう。最初から人と深く関わらないし、自分も心を開かない。そうすれば傷付かなくてすむ。何故、世の中の人間はつらい、苦しい思いをしても尚、人と深く関わろうとするんだろう。馬鹿なのか。


でも心の奥底では心を温めてくれる女性を求めてきたんだ。


傷付かないように封印された純粋な心。


あたしには見えてしまう。
純粋すぎるあなたの心が…


あたしはその度に胸が締め付けられそうになる。
止めどなく涙が溢れ出す。
そして、あたしも浄化され、元の純粋な心に戻されていく。
でもあたしのこの世での経験は決してなくならないから、あなたを守れるんだ。



あたしには見せていいんだよ。
あたしがこの命をかけて守るから。
そのために、あたしは強くなったんだよ。
これからもあたしはあなたを守るために強くなる。
あたしは決していなくならないよ。
あたしはあなたを守るために生まれてきたんだから。



怖いものなんてもう何もない。

あなたを失うこと以外。