「リボン線(特にアルミ)のエッジワイズ巻の何が優れているのか?」の考察です。
スピーカ・ユニットのボイスコイルに関わる話です。
あくまで、私の考え方なので、意見の異なる方は笑って読み飛ばしてください。
私の大好きなJBL 2115や075は、何故良い音を奏でられるのか?
1.巻線に銅ではなく、軽いアルミを使っている。(振動系は軽い方が動き易い。)
*【比重】 アルミ:2.7、銅:8.93 (アルミ/銅≒0.3)
*デメリットは、【抵抗率(Ω•m)】で、銅よりもかなり大きく、能率が落ちる。
アルミ:2.82(×10の-8乗)、銅:1.68(×10の-8乗) (アルミ/銅≒1.68)
2.巻線の断面形状が「円」ではなく「細長い長方形(リボン型)」になっている。
*よくある説明では、「線占積率」が上がるので効率が上昇する。」です。
【ボイスコイルの線占積率イメージ】
モータ等ではそれで良いのですが、スピーカでは別の視点が必要です。
*それは、ボビンとの結合がリボン型の方が非常に強固という点です。
(個人的には、こちらの方が効率よりも遥かに重要と考えています。)
【ボイスコイルの断面イメージ】
No.13 の「インナーイヤー型イヤホンの信じられない高域低下」を参照下さい。
高域低下のみ触れていますが、実際には微小音にも影響が大きい筈です。
(金属線に対して接着剤の方が遥かに柔らかいのが原因と思います。)
実際のボイスコイルの写真は、No.12 の「JBL 2402(075のプロ用)・・・」を参照下さい。
★市販スピーカでアルニコ磁石、且つエッジワイズ巻のもの(口径20cm以下)の例
(JBLのユニット単体と、国内ブランドのユニット単体及びシステムから抽出)
*フルレンジは略して「F」、ウーファは略して「W」、ツィータは略して「T」
*フルレンジとウーファは口径も記載 例えば20cmウーファでは「20cm-W」
*上記略記号の後にボイスコイルの材質を記載
●ユニット単体
JBL LE8T・2115・D208・2110(20cm-F:アルミ)、116A(20cm-W:銅)
(D130のような38cmフルレンジもアルミリボン線のエッジワイズ巻!)
075・076・077・2402・2403・2405(T:アルミ)
Coral H-1・H-50・H-100(T:アルミ)
Yamaha JA-0506(T:アルミ)
●スピーカー・システム
KRIPTON KX-5(17cm-W:銅?)(T:アルミ?)
Pioneer S-99twinX(20cm-W:銅?)
Victor SX-500DOLCEII・SX-500DE Dolce Eterno(20cm-W:銅?)
Yamaha NS-451(20cm-W:銅、T:アルミ(CCAR))
他にも沢山ありそうですが、何故かこういう情報はあまり公開されていません。