JBL 075 と 2405 の比較を行いました。 

 

【JBL 075 の外観】

 

【JBL 2405 の外観】

 

【実測周波数特性の比較】(開口から50cm離れた位置で測定(軸上) 1Vrms印加)

軸上での比較では、ほぼ全帯域で075が高能率で、20kHzだけ2405が上回ります。 

低い方は開口面積の小さな2405も075と同じような特性なのが意外でした。 

昔から075よりも2405の方が高域はより高い方まで伸びているのだろうと思ってました。 

実際は2405は075と比較して概ね10kHz~20kHzの範囲の出力だけが大きくなるようです。 

どういう理屈なのかは全く想像できませんが、かなり拘った設計方針が採られたようです。 

 

【指向性の違いについて】 

075の開口は直径79mmの円形でツィータとしては大口径なので指向角度は狭いです。 

2405の開口は縦79mmですが、横18mmで075の23%であり水平指向角度は広いです。

実測パターンのように、075のサービスエリアは円周状に20°、2405は水平に60°です。 

 

【075をリスナーに対して正三角形配置した場合の設置方向について】

075の向きを正面にすると、リスナーへの角度は30°となり、7kHz以上が減衰します。 

075を使う場合は、リスナーに向けるべきで、正面に向けるのは不適切と思います。 

075を「高域不足なので良くない」との判定は≪向きの不適切≫が原因と考えます。 

 

【2405をリスナーに対して正三角形配置した場合の設置方向について】

2405は水平指向角度が広いので、配置の制約は緩く、自由度は高いです。 

 

【075と2405の断面形状比較】(磁気回路は同一で、2405の楔と外壁の付加部分を作図)

075は、砲弾と外壁で構成された実に美しいホーンの拡がり形状を見る事が出来ます。 

2405は、縦に細長い左右のホーンを出口で一つに纏めたユニークな形状になっています。 

2405を観察すると、外壁は075と同形状で、内側に別部品を取付けたもののようです。 

075の砲弾と2405の楔は、同様の取り付け方法と思われ、構造面の互換性は高そうです。

 

【ツィータの音に関する個人的意見】 

40年ほど昔、JBL 2115に077(2405の民生用)を加えて2ウェイ化した時の体験です。 

高域の聴こえ方が激変したのは目的からして当然なのですが、驚いたのは低音でした。 

何と! ウッドベースの聴こえ方が結構変わり、響きと余韻が好印象になったのでした。 

高域が良質になると、全帯域に良い影響を及ぼすのだなぁ・・・というのを実感しました。 

 

現用システムでは、075は透明感高く、奥行き感豊かで、非常に良い音と感じています。 

永年、「075は高域が伸びずダメ」と思い込んでいましたが、使ってみると違いました。 

075のメリットは、低域側とのクロスを低く出来、低域側の弱点をカバー出来る事です。 

2405は、075と比較すると、どうしてもクロスが高めになってしまうのが少し残念です。 

3ウェイで使う場合は、文句なしに2405が適していると思います。