出来上がった「関の戸」を前に、11代目が父に言った。
「やっちゃん、あんたと同じくらいの子どもたちが、名古屋っていう大きな街から、この町へ疎開してきているのを知っとるやろう? その子たちはなぁ、親元を遠く離れて、寂しい思いをしているんや。そやから、せめて正月くらい、その子たちに「関の戸」を食べさせてやりとおてな。さぁ、これを地蔵院におる子らに持って行ってあげや。やっちゃん一緒にたべてええでな。」



5に続く