イメージ 1

イメージ 2

高級駒の産地は、山形の天童ではない。
天童は、書き駒の量産地であり東京の比ではない。
レア産地として大阪もある。超深彫りの特徴有る駒だ。
自分も駒を作っていたが、水無瀬をルーツとする関西型の駒である。
勿論、アマチュア時代の熊澤氏から入手したものである。

関西流は、手前が厚く先が細い。持った感じが重厚である。
形も何処と無く太く貫禄を感じる。
それに引き換え、東京流は見た目少し細長い。
厚みも関西ほど急勾配でなく全てにおいて洗練されている。
個人的な好みも有るが、東京流の駒が好きだ。
それに対し、天童を中心とする東北の駒は垢抜けしない。
何処と無く野暮ったい。大阪流の駒を平面的にした印象である。

天童では無いが、山形の駒師で一斉を風靡したのが国井香月氏であろう。
香月は、「かげつ」と読みます。
普通、駒師は一連の作業を殆んど一人で行います。
この香月氏は、家内制の分業で行い。銘駒についても量産化しました。
書体、木地の素材、木取り方法と意欲的に取り組みました。
分りやすく言えば、手広く活躍していたのです。
その香月で最も印象的だったのが、この「草書」です。
物珍しく派手な書体です。数は出ていたと思いますが、最近見ません。
昭和63年に亡くなられています。
もう、これ以上、作品が世に出ることは無いのですね。

「香月」が名匠だったか、賛否両論有るみたいです。
この鮮やかな彫あとを見ると、明らかに達人です。
全てが良い訳では有りませんが、「巻菱湖」の書体も好きです。

「日本将棋連盟」に寄付された「香月作」の駒。
今も公式対局で使用されているはずです。

※写真は、薩摩産の黄楊。彫駒です。
お経みたいで、何書いてあるのか分らないのが魅力です。