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最も好きな写真家に「植田正治」さんと言う方が居た。
発表写真の70%以上が縦位置と言う異色の作家でもある。
著書・写真集も多く詳しくはHPに載っているでしょう。
その植田さんの愛機がこの「アサヒペンタックスSP」である。
素朴な人々、寂れた民家や田舎道。目線の位置から縦位置でパチリ。
技巧や奇抜さは一切ない。
それで居て、深い味わいと引き込ませるような奥行き!
21ミリのワイドレンズを携えて・・・歩け歩け。

どんなに頑張ったって植田さんに成れる訳がない。
せめて道具くらいはと思ったのだが、このカメラいじる所が無い。
巻上げとシャッターだけと言って良い。
ビックリしたのは、ファインダーが暗い。
中央のプリズム部分も周辺のマットとあまり変わらない。
これにF4の暗いレンズを付けたらシビアなピント合わせなんか出来っこない。
最も21ミリとか24ミリの広角レンズなら被写界深度が広く必要なし。

分ったぞ!
シャッター速度を30分の1から60分の1に固定しておく。
微妙な露出は、絞りで調節するが黄昏時中心なので開放に近い。
巻き上げは小刻みで素早く行う。
縦位置のときシャッターボタンが上に来るように構える。
フィルムは、高感度で段階幅の広いトライXを使用する。
撮影状態で、フィルム現像を微調整。やや液を薄め、時間を長くする。

※小刻み巻上げ機能は優れもの。シャッターボタン位置に注目。縦位置でも安定。
本体も、この時代で最もコンパクト。長所を最大限に生かしていたと推測できる。

いくら技術的な解析が出来ても、感性や力量が段違い。
今の時代を撮った、植田正治さんの作品が観たかったな!