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「榧」(カヤ)と言う木をご存知でしょうか。
最高級の碁盤や将棋盤に使われる銀杏の仲間です。
芳香木であり、ニッキの様な甘い匂いもします。
実物を簡単に目にすることは出来ません。
NHKのテレビ対局で使われているのが本榧の盤です。
キャラメルを流したような気品ある黄色。
木目も非常に美しく、駒音も心地良いですね。

そのカヤ、一山で一本しか出ません。
芳香木の中には、科学物質を出し仲間を殺してしまう木があるようです。
そのため、カヤ1本が残るには広大な面積が必要なのです。

日本全国に有るのですが、盤にするとなると何処でもという訳には行きません。
産地も極めて限定的で、四国の一部か宮崎県と言うことになります。
中でも日向にある特定産地が珍重され、大変高価です。
現在、全てが国有林内にあり、1本1本ナンバーが振られ管理されています。
最後に市が立ったのは17年前のことだそうです。

樹齢500~1000年の原木は、数十年以上かけて乾燥されます。
碁盤屋さんは、お祖父さんが仕込んでそのお孫さんが作る商売なのです。
割らずに乾かすその技術も大変なもの。
日向カヤの六寸盤は、夢の夢。もう入手出来るものでは有りません。

写真は、日向産の本榧です。
2寸の継ぎ盤ですが正真正銘の本物です。

※一般的な将棋盤は、桂材が多いです。檜とか銀杏、青森ヒバも有ります。
輸入材だと、新かや(スプルース)が殆んどです。