十日が経ったのだなあ、と、

十日しか経ってないのだなあ、と。


迫り来る次のステップと、終わりにしか許されない終わりらしい空気に嫌というほど実感していたのに、いつものように映像を見ては「ここはこうだな、次はこうしよう」といつものように思った昨夜。4年半という長い時間は、どうもすぐには抜けてくれないみたいです。


改めて、チームH RESET公演が千秋楽を迎えました。初日とはほとんどメンバーも変わり、違うチームからの助っ人の力も借りることが増え、そしてなにより公演ができない時期もありましたが、長く愛していただけたこと、足を運んでいただけたこと、画面越しに楽しんでいただけたことに心から感謝いたします。そして、自惚でなければ、この長い期間楽しんでいただける公演を作れた私たちを誇りに思います。




どんどん配られるバナナとか、最後の最後まである衣装トラブルとか、全員でのMCとか、笑いの起きる軌跡とか、本当にチームHの公演だったなあ。こんなに自由な公演、後にも先にもないですよね。しかも、これまでの4年半がなかったら、最後の日の私たちはあんなことしてなかった。これを歴史と呼んでいいのかはさておき、本当に心安らぐ時間でした。

最後のユニットは、心の端のソファーでした。チームが離れる後輩2人と。私がそばにいることは変わらないこと、ちゃんと伝わっているといいな。




実は最後の挨拶にひとつだけ嘘があって。RESET公演が同期だと言いましたが、そんなことを思ってたんだと気づいたのはあの場でした。口から出て、そんなふうに考えていたのだと驚いた自分がいました。


昇格してから出ていたのはシアターの女神公演だったけど、研究生から出ていたその公演よりも、チームHというものをまざまざと感じさせられたRESET公演の振り入れの方がどうしても痛く、眩しく残っています。発表からしばらく初日は迎えられなかったし、本当にいろんなことがありました。

どうしようもない気持ちで、でも何かを変えたいとかそういうわけではなく、ただただ初めて自分を納得させることができない感情に戸惑い、指原さんに相談したのもその時でした。

いろんな言葉をかけてくださった中に、なにかにつながると思うことの大切さを教えていただきました。


それを経て、今があるんだなあと、最近はそんなことばかり考えます。




同じ時期に同じ角度でチームを見る人は私にはいなくて、最初のころは、一人で暗い道を作ってた時もあったけど、仰々しく光を浴びせるでもなく、時になにしてるの?と電気をつけるように、時に隣にいると手を握ってくれるように、時に、ふざけながらカーテンを捲るようにして、一員であることを教えてくださいました。 これは私だけの宝物。騒がしく忙しないチームHのなかに、さみしさなんてなかったです。

そう思うように育ててもらったから、私にできるのは同じことだけで、だから後輩たちがどんどんと居心地良さそうな顔になっていくことがとってもとっても嬉しかった。のびのびといられる環境がもたらす成長の速度に驚いたり、何気ない会話が増えていくことがひとつずつ嬉しかったり。そんな姿にまた、私は育ててもらったなと思います。




初日から千秋楽を迎えるまで、たくさんのメンバーと一緒にRESET公演を作ってきたけど、そのどれもが違って、そのどれもが楽しかった。ぜんぶぜんぶ楽しかったに振り分けられる時間でした。


千秋楽が終わって、なっちゃんに連絡しました。お疲れ様、って言ってもらえて、涙が出ました。

でも、なっちゃんから継いだこのチームHを、やっぱりもう少し続けたかった。まだなんにもしてないのに、って思ってしまう気持ちはまだ少しあります。だって、明日からのチームHは、今日までの私たちのことを呼ぶ名前じゃなくなるから。私が名乗る名前は変わらないし、この名前はなくならないけど、だからさみしい。

でも、大切すぎるほどのこの公演の最後を、このチームHで終われたこともまた、よかったのかなって今は思います。



もっと泣くと思ってたけど、なんでだろう。変な感じだったな。だけどアンコールに出る間際、着替えて楽屋を出たら、以前のマネージャーさんがいて、その顔を見た瞬間めちゃくちゃ泣いちゃった。アンコールに出る時のカーテンも、捲ってくれてました。(ちなみに19日の公演は私が捲ってた。)


そして今のマネージャーさんがいつもの4倍の値段を出して買ってくれた金のテープ。投げたらひっくり返って白になっちゃって、面白くてあかりと目を合わせて、でもそれがなんだかとっても綺麗で、忘れたくないなって思う瞬間でした。


by 古川さん


(みんながみくちゃん見てるのがめちゃくちゃうちら)


一抹礼が終わって、顔を上げる時。

このチェイサーを聞くのも最後だなと思っていたら、なこちゃんに名前を呼ばれて、振り向くと抱きしめてくれました。「大変だったよね」って。その一言で、それをなこちゃんにもらうことで、すべてが報われた気がしました。報われたっていうと、すごい苦労をしてきたみたいになっちゃうけど……。


でも、一番下で入ったあの頃と変わらず、私にもちゃんと見てくれている人がいて、手を差し伸べてくれる人がいるということ。私はそうやって、ここで、大きくなってきたんだということ。それは変わらず私の中に生き続けるし、他のメンバーの中でも生き続けるものがきっとある。それは明日になっても、未来に一歩踏み出しても、生きている限りなくならないものだと、今ならわかります。


新しいチームになって、新しいチームHにもこのチームHらしさを引き継いでね、とよく言われるのだけれど、私はそんな気が全くなくて。結局のところらしさなんていうものは、過ごす時間が勝手に作るものだと思っているし、名前に縛られたらしさの踏襲なんて、変わった意味がないと思うから。私たちらしいチームHも、チームHらしい私たちも、今日までのものは宝箱に入れて大切にずっと持っておきたいし、明日からのものは大切に大切にみんなで育てていきたいと思います。





きっとね、本当に、

世の中は新しくできていくものが目立つようになっていて、私が旅立つ時にはきっと明日からのチームのことの方が印象に残ってると思うんですね。そうしていく命が私にはあるわけだし。そうでないとやりがいもないですし。


でも、「あの時のチームH」のことも、忘れずにクロニクルに入れていてほしい。どちらを愛しているとか、大切とか、そういうのじゃなくて、この輝きをときどき、懐かしむように取り出して見つめてもらえたら、私たちのこの4年半は、そして私がチームHになってからの5年と少しは、未来でも宝石で在り続けられると思うから。




あーーーーーーでも、でもでも、このチームHの曲が欲しかったなーーーーとか!!!みんなでいつもみたいに話してるところも見てほしかったなーーーー!とか!!!いろいろ思わんでもないけども!!!!!!

でも、なくなることを知って、ここまで愛おしいと口に出せるようになった気もするから。全部全部、結局のところつながっていて、「これでよかった」のだと思います。


だいすきなみんなのこと、

いつだって、そっちは元気でいるかい?と思っていると思います。肩書きがおそろいでなくても、繋がるものがきっとあるから。

またみんなでいろんな話しようね。


明日からは、新しいチームHの豊永阿紀です。

それもそれでたのしみ。

とってもとってもたのしみ。

みんなも楽しみな未来が待ってますように。




さみしいけど、

また振り出しへ。