難治性多発性骨髄腫治療薬「ポマリスト®」本日から発売 | 好奇心の扉

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災害は偶然の産物ではありません。何らかの連鎖的な出来事の結果です。
大惨事の陰に隠された知られざる真実に迫ります。
そこには次の大災害を回避するための重要な証拠が必ず残されています。

セルジーン株式会社(本社:東京都千代田区)は、5月20日に薬価収載される、レナリドミド及びボルテゾミブの治療歴がある、再発又は難治性の多発性骨髄腫の治療薬として、抗造血器悪性腫瘍薬「ポマリドミド®」(商品名:ポマリスト®カプセル1mg、同カプセル2mg、同カプセル3mg、同カプセル4mg)の販売を開始した。


「ポマリスト」は、多発性骨髄腫の標準的治療薬、「メルファラン(商品名:アルケラン)/プレドニゾロン療法(MP療法)」や、3種類以上の抗癌剤を併用する多剤併用療法、更に「サリドマイド(商品名サレド)」、「ボルテゾミブ(商品名ベルケイド)」、「レナリドミド(商品名レブラミド)」などの新しい薬剤の使用でも、尚、再発および難治化する症例が少なくなく、より有効性の高い薬剤として、本年3月26日、製造販売承認を取得した。



多発性骨髄腫は、血液細胞の一つである形質細胞が癌化して増殖する血液の癌で、貧血や骨の痛
みなど様々な症状を引き起こす。
血液形質細胞は、免疫システムの重要な役割を担っており、感染症などと闘う抗体を産生する。

しかし多発性骨髄腫では、癌化した形質細胞がパラプロテイン(異常タンパク又はM蛋白)と呼ばれる、抗体としては作用しない免疫グロブリンを産生し、免疫能力の低下などを来す。
原因は不明であるが、遺伝的素因が疑われている。



近年「レナリドミド」や「ボルテゾミブ」など、治療薬や治療法の進歩により、寛解率が高まり、生存期間は延長しているものの、未だに治癒は難しい癌疾患で、日本での多発性骨髄腫の総患者数は14,000 人程度と推定されている。




デキサメタゾン

ポマリストカプセル4mg

「ポマリスト®」は、米国セルジーン社にて創製された免疫調節薬(IMiDs®)で、サイトカイン(免疫グロブリンを除く免疫系の細胞産生する蛋白質の総称)の産生調節作用、腫瘍細胞に対する増殖抑制作用、血管新生阻害作用等の薬理作用を示す、抗造血器悪性腫瘍薬である。
本剤は既に、米国及び欧州を始め世界36カ国で承認されている。



販売名:ポマリスト®カプセル1mg、同2mg、同3mg、同4mg

一般名:ポマリドミド

効能・効果:再発又は難治性の多発性骨髄腫

用法・用量:「デキサメタゾン」との併用において、通常、成人には「ポマリドミド」として1 日1回4mg を21日間連日経口投与した後、7 日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。尚、患者の状態により適宜減量する。

主な副作用 : 好中球減少症(69.4%)、血小板減少症(33.3%)、発疹(22.2%)などであり、重大な副作用は深部静脈血栓症、肺塞栓症、脳梗塞など。

尚、本薬はサリドマイド誘導体であり、催奇形性を有する可能性があるため、胎児が本薬に曝される事がないよう、製造販売元に対して厳格な安全管理体制の構築が指示されている。