ガイナーレジャーナルのライター日記

ガイナーレジャーナルのライター日記

ガイナーレ鳥取の試合会場で配布している「GJ(ガイナーレジャーナル)」のライターをしています。
当ブログにはそれらに関連した記事を掲載しています。


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プロサッカークラブはいろんな物を売っている。「強い」「カッコいい」「感動」「親しみやすい」「地域のアイデンティティー」…。

そんな中、スタンドでまぐろの解体ショーや流しそうめん、流れるプール、漢のふんどし祭、来場者現金プレゼントなど、かなり尖った“楽しい”を売るクラブがある。鈴鹿アンリミテッドFC(東海リーグ)。今回のGJはガイナーレ鳥取に関わる全ての人へ東京高円寺の居酒屋「KITEN」で行われたトークイベント「J2党ライト」に登場した同クラブ社長山岡竜二氏の話を紹介したい。

 

“楽しい”を売るキッカケ

私たちは2015年、前身のFC鈴鹿ランポーレ時代に初めて運営に携わりました。商標権の関係でチーム名を2016年に変え、「鈴鹿アンリミテッドFC」となりました。運営初年度、ほとんど準備期間が無い中でスタートしたため、選手をなかなか集めれなかったり、選手がボールボーイに罵声を浴びせたり、運営・成績面で精彩を欠くなど非常に大変でした。
シーズン終了後、苦しい状況を包み隠さずチームの公式HPに経緯等を含めてご報告しました。
自分としてはサポーターやスポ ンサーさんにご理解を頂くための行動だったわけでが、これがあまりに赤裸々過ぎたため、Yahooニュース に「斜め上を行くプレスリリース」と取り上げられました。
今年の取り組みを考えていた所、当時の事を思い出し「これだ!」と始めたんです。

 

悪名は無名に勝る

で、開幕戦に「高速流しそうめん」を企画しました。スタジアムとはミスマッチの面白コンテンツを真剣にやろうと…それでスタンドの最上段からそうめんを流して、スタンド内で鈴鹿サーキットのヘアピンを再現しようとしたんですが、我々の内製力ではトンネルL字カーブが限界でした(笑) その他、チョコレートファウンテン・ふんどし祭り・まぐろの解体ショー・スタジアムウェディング・来場者現金プレゼントと…

スタジアムウェディングではサッカー場に白馬に乗った王子様のイメージで企画していましたが、馬はダメ!(当然でしたが)とのことで、スタッフに馬の着ぐるみを着せ、豪雨の中ウェディングを行いました(笑)

というわけで今年はサッカーと全く関係のない企画を次々と行いました。スタジアムに来られた方は、我々が真面目に取り組んでいる姿を知っていますが、外部には通用しないだろうと。だったら「悪名は無名に勝る」でいこうと。今年の目標は″Yahooニュースに2~3回載る“でした。なんとか達成できましたよ(笑)

 

色々と言われますか?

流しそうめんなどは特にありませんでしたが、現金プレゼント(社長が札束を持ってスタジアムに入場し、来場者全員に千円プレゼント。現在無料の入場料を有料とした場合の適正価格をアンケートに添えて回答を貰う企画)は流石にサッカー協会に詳細を聞き取りされました。しかし事前に問題ない事を弁護士に確認した上でイベントをしています。おちゃらけをまじめにやるために裏側ではしっかりとやるべきことをやっています。

 

最終節の試合前に監督解任理由を30分説明

特にケンカ別れという訳でもなかったんですが、それまで(3年間)の戦績で判断しました。しかしリーグ最終戦を残し、しかも来年JFLに昇格するための地域決勝を控えた時期の解任だったため色々なご質問を頂きました。直接ご説明したいと考え、最終節の試合前に30分掛けてご説明しました。スタンド前で、お客様へ説明したんですがお互い初めての出来事で非常に戸惑いましたね。ちなみに本当は「山岡社長大感謝祭!スタジアム回転寿司」というイベントをやる予定だったんです。9月から寿司握りの練習をしていたので残念でした(笑)

 

鈴鹿を中心に徐々に広がっていけばいい

チームが好き・選手が好き・サッカーが好き、サポーターの形は色々ありますが、僕等(運営者)がやることは「チームが好きな人を増やそう」と。そういう考えで今年の3月に方針を決めました。サッカーという競技を嫌いな人はいない。だけどわざわざスタジアムまできてくれる人は少ない。だからあえて効率が悪いですが、イベントを試合の2時間前にやって、家族で来て1日遊んでもらえる場所を作ろうと。「そんな事をしなくても試合に勝ってカテゴリーが上がればお客さんが増える」そういう人が居ます。確かに統計的にはそうかもしれませんが、それが自分達に当てはまるとは限らない。サッカークラブは行政との関りが深く、多くの地域の皆様に支えて頂いております。しかし、甘えてばかりではダメです。少しでも自分達の足でしっかり立っている姿をお見せしなければならないと考えています。それから、運営はあまりサッカーファンの目線にならず、ある程度引いて見るようにもしております。クラブはサッカーを通し、人づくり街づくりのお手伝いをしなければなりませんし、その活動をホーム鈴鹿を中心に行っていき、その輪が徐々に広がっていけばいいと考えております。

 

昨今、川崎フロンターレ等“楽しい”を売るクラブが増えてきた。サッカークラブの収入は主に広告料・入場料・物販だが、その裏にあるものは勝利であったり感動であったり様々。多くのクラブが勝利・昇格・育成等を売りにしているが、売りたいものと売れるものは違う。クラブは売れるものをスポンサーやサポーターと共有し、売れないものについては約束してはいけない。また、売るために最善を尽くしていることを丁寧に説明しなければ、人はスタジアムから去っていく。

鈴鹿アンリミテッドFCは“楽しい”を売る選択をし、今年それを日本でトップクラスに実行した。残念ながら先日の地域決勝で敗退し来年のJFL昇格を逃したが、安易な昇格以上に大事な「クラブの哲学」を手に入れた1年だったのではないだろうか。

※本記事は鈴鹿アンリミテッドFC・東京高円寺の居酒屋「KITEN」に協力を頂き作成させていただきました。


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Jリーグ公式サイトの片隅に「About Jリーグ」というページがある。

内容はJリーグの理念や各種規定、決算状況。

 

殆どの人が見ないであろうこのページに日本のプロサッカーリーグを読み解くヒントが多く掲載されている。

 

中でも注目なのはJクラブ個別経営情報開示資料。

あまり表に出ない各クラブの決算状況が公開されており、昨年度はどこが戦略的に優位だったか?や、コストパフォーマンスに優れるクラブはどこなのか?を知る事ができる。

 

戦いというものは、「戦略の負けを戦術で挽回できず、戦術の負けを戦闘で挽回できず、戦闘の負けは敗北を意味する」

 

プロサッカーにおける戦略とは、いい選手や監督を雇う事。

戦術とはベンチが勝利のために選手を組織的に動かすこと。

戦闘とは選手が目の前の相手に勝つこと。

 

戦略のモトになるのは営業収入。クラブの経営者は広告費や入場料で売上をいかに上げて、選手人件費になるべく多く配分する事を考えないといけない。選手人件費が桁違いになればそもそも勝負にならない。

 

さて、ガイナーレ鳥取だが、J3において営業収入は昨年実績で中の上ぐらい。しかし、成績は最下位近辺の15位。今年にしても、昨日のY.S.C.C戦にしてもそうだ。Y.S.C.Cは昨年の選手人件費が1700万円。対して鳥取は・・・。

 

何かを変え、もっと何かをサポートしなければこのクラブの悪循環は止まらない。自分自身、何かできる事は無いか探してみようと思う。


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前回に引き続き美尾敦元選手のインタビューです

 

鳥取時代の話を教えて下さい。一番記憶に残っている試合はどの試合ですか?

うーん・・・ゴールを決めて盛り上がった試合ですね。

色々とゴール決めた試合はありますが、私としては、2010年のバードスタジアムに9,499人を集めSAGAWA SHIGA FCに勝った試合が一番記憶に残っています。

あの試合は良かったですね!沢山お客さんが入って最高でした。前期に1-4と完敗し、優勝を争う直接対決。負けられない試合でした。

J2時代のアウェー群馬戦ではハットトリック後にケガをされました。

5-0で勝った試合ですが、試合中に坐骨(ざこつ:お尻の骨)を骨折しました。1点目を入れたあたり(前半11分)で違和感がありました。しかしJ2昇格後、チームがなかなか勝てなかったので、無理してそのままプレーしたんです。後半、2点取ってハットトリック。でも、直後にスプリントとしようとしたら、体が全然イメージ通りに動かない。「あ、これはマズイ」と思ってサッカー人生で初めて自分でバツを出したんです(後半30分交代)。

骨が折れてるのにハットトリックしたんですね。

自分、体は細いけど筋力が強いんです。普通なら筋肉が切れるんですが、筋肉が骨を引っ張って折ったらしいんです。病院でドクターが驚いてました(笑) 「どうやったらこんな所が折れるの?」って。

そういう時、シーズンは長いので5点も取らず程々で試合を終わらせようとは考えませんか?

サッカー選手って、目の前の試合に全力なんです。その試合に限らずそういう計算は無かったです。

そうなんですね。ところで、今日は一枚のユニフォームを持ってきました。2011年のアウェー長袖背番号13。美尾選手実使用ということで当時の福袋に入っていたものです。どの試合で着用されたか分かりますか?ちなみに長袖はあまり着ていなかった印象ですが・・・。

選手にはホーム用とアウェー用の長袖と半袖が2枚ずつ支給され、シーズン終了後にチームが各1枚ずつ回収していました。長袖は個人的に引っかかったり擦れるのが気になって殆ど着なかったです。しかし、春先の試合で寒さに耐えきれず着たものだと思います(笑)。

2012年はシーズン全試合に出場するも、契約満了。サポーターがチームの運営方針に反対するミーティングを開くなど物議を醸しました。

サポーターにそういう風に思われるのはありがたい事です。もっと頑張ってクラブに貢献できていたらまた違っていたのかな?と思います。本当は鳥取で引退するつもりだったので残念でした。でも、契約満了になったことで、もう一度岐阜で頑張れた面もあります。

美尾さんから見て、鳥取の良い所ってどんな所でしょうか?

甲府もそうですが、地方のクラブなのでサポーターや地域の方との距離が近いですね。僕も地域のイベントに色々と参加させて頂きました。距離が近いとみんなで色々な事ができます。地方のクラブは地域のシンボルになるポテンシャルがありますね。

距離が近いと言えば、京都サンガF.C.は2019年、京都府の西、亀岡駅前にサッカー専用スタジアム(約20,000人収容、全席屋根付き)が完成します。ホームスタジアムが変わる事をどういう風に捉えていますか?

そうですね。サッカー専用スタジアムはピッチと観客席が近く、選手が観客の喜ぶ顔を見れます。バードスタジアムもサッカー専用スタジアムだったので分かりますが、当然ブーイングも聞こえます(笑)。移転については、スタジアムが変わることで人の流れが変わるくらいサッカークラブは地域に影響力や魅力を持たなければならないと思っています。それがクラブがどこにあるかではなく、遠くても見に来てもらえるポイントではないでしょうか。

なるほど。距離を埋める魅力が必要なんですね。では最後に鳥取のサポーターに一言お願いします。

鳥取は思い入れがあるクラブです。皆さんの手でチームを大きくして下さい。色んな事はみんなの力で変えていけるはずです。いつか鳥取に行ったら宜しくお願い致します!

京都サンガF.C.のクラブハウスで1時間ほど話を伺った。美尾コーチのサッカー観は、甲府・京都・鳥取・岐阜と様々な状況のクラブに所属し、いつもギリギリで闘っていた選手らしく広範でハングリーだった。

インタビュー中、特にクラブとサポーターの距離についての話が非常に心に残った。自分はずっとサッカークラブにとって、「近い」の反対は単純に「遠い」だと思っていた。しかし、「近い」という魅力は別の魅力(例えばスター選手がいる)で代替できる。つまり、クラブにとって「近い」の反対は代替する魅力がないということなのだ。

地方クラブは往々にして経済圏が小さな都市をホームタウンにしているため、元々「近い」という魅力を備えているが、反面、代替できる魅力を買う資金を持っていない。つまり、地方クラブが発展するためには必然的に「近い」という魅力を活用したり、演出する方が事を成し易い。そして距離が遠いと慧眼なサポーターでなければクラブの細かな魅力に気付けない。サポーターが細かな魅力に目を向けなくなると、クラブは必然的に勝敗や昇降格といった大雑把なコンテンツを売るようになる。だが、地方のクラブは勝ち続けれるような資金力や素地があるはずもなく、早晩窮乏してしまう。

美尾コーチありがとうございました。新スタジアムが完成したら偉大なるローカル線「山陰本線」で亀岡へお伺いします。もちろん鳥取からの距離を魅力として満喫できる鈍行に乗って。

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