サッカーに政治を持ち込むとどうなるのか?
その”リアル”を体験したくロサンゼルスSofiスタジアムに行った。
2026/6/15、対戦カードはイラン対ニュージーランド。
2026/2/28、ワールドカップのホスト国「アメリカ」はイランを空爆。
その後、幾度かの緊張と緩和を挟みながらワールドカップ2026が開幕。
2026/2、アメリカに行くことを決めたあと、日本対オランダの他に観戦するカード選びをしていた。
6/16スペイン対カーボベルデ、無敵艦隊と小国のワールドカップ初戦。
6/17アルゼンチン対アルジェリア、メッシ最後のワールドカップ。
・・・どれも魅力的なカードだった。
だが、2月に始まった戦争が「サッカーに政治を持ち込む」という禁忌のスパイスをイラン対ニュージーランドにふりかけた。
人を殺す・殺されるという冗談では済まない出来事以上のことがあるだろうか?
それで決まりだった。
試合が近づくにつれ、開催国アメリカはイランへ試合当日にメキシコからの移動を強いる等、数々の嫌がらせを加えた。
明確にサッカーに政治が持ち込まれていた。
6月のロサンゼルスは清涼で、日本の溽暑が嘘のようだった。
雲一つない青い空と涼やかな空気。
スタジアムへのバスやメトロは陽気なメキシコ人とイラン人が混在し、和やかな空気だった。
若干空気感が変わったのはシャトルバスを降りて、試合会場に近づく辺りだった。
明らかに数が多い警察
要所に完全武装のアーミー
アメリカの姿勢に抗議するデモ隊
イランに自由を!等のメッセージが書かれた服を来た人
しかし100人程度の小規模なものだった。
70000人の観客に対し、100人ではインパクトはそれほど無かった。
スタジアムに入り自分の席を探す。
座席はイランのサポーター席寄りのため周囲はイラン人ばかりだった。
18時キックオフ。
立ち上がりから積極的な姿勢を見せたニュージーランドが、前半7分に得意の縦に速い攻撃で先制。その後も追加点を狙って何度もゴールに迫る。イランはハイドレーションブレイクを境に落ち着きを取り戻し、前半のうちにスコアをタイに戻すことに成功。後半9分カウンターからニュージランドが突き放すも19分に空中戦からイランが同点に追いつく。以後イランが押しこむも同点のままタイムアップ。結果は勝点1を分け合う結果に終わった。
試合終了時に感じたのは・・・
試合自体は終わってみれば”暴動”も”騒乱”も無い、なんのことはない中堅国同士の”普通の国際Aマッチ”だった。
しかし、それを取り巻くピッチの外、スタジアムの外が少し異常だった。
現実の戦争というのはこんなものなのかもしれない。
”少し変わった””少し不便になった””少し足りない”を繰り返し、いつか後戻りができない状態になる。
そういう意味でその「少し」を鋭敏に感じれるようにならなければいけないのかもしれない。
試合が終わると日が暮れていた。
スタジアムからシャトルバス乗り場の間にある交差点でヒスパニック系のおばちゃんが無許可でバーベキューセットを広げ、ソーセージを焼いて売っていた。スタジアム内の食事は非常に高価で、1食5000円もするため手が出なかった。おばちゃんのソーセージは5ドルほどだったが、現金を持っていない自分には買えなかった。非常に惜しいことをしたと思う。
ここ数年で日本円は弱くなった。そしてもう戻ることは無さそうだ。
次のワールドカップは相当準備しないと行けないかもしれない。
試合会場から離れるシャトルバスに揺られながらそう考えていた。
