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ガイナーレジャーナルのライター日記

ガイナーレ鳥取の試合会場で配布している「GJ(ガイナーレジャーナル)」のライターをしています。
当ブログにはそれらに関連した記事を掲載しています。

「いちご」という会社の株を持っていると優待でJリーグのチケットが当たるサービスがある。

(正確には「いちご株式会社」「いちごオフィスリート投資法人」「いちごホテルリート投資法人」「いちごグリーンインフラ投資法人」の4銘柄)

昨年、家族名義分の株を購入し、今年から漏らさず応募したところ、J3「相模原SC」のホーム開幕戦チケットが当選した。

なんと4000円もするメインの指定席だ。

 

これは使うしかないと考え、2024/3/2空路で羽田へ。羽田から京急・相鉄・JRを乗り継ぎ、スタジアムの最寄り駅、原当麻へ。原当麻からはSC相模原のHPを参考に徒歩でスタジアムを目指す。

相模原ギオンスタジアムは駅から徒歩15分の高台の上。つまり駅からは上り坂が続く。

言うまでもなく、都会の徒歩15分はだいたい15分では到着できない。

 

途中、こんなとことにスタジアムがあるのか?ここは本当に東京なのか?神奈川だったか?と首を傾げながら登っていくと巨大な陸スタが出現する。

スタグルは15店程度だろうか?大変な充実ぶりだ。
有名な政治家先生もいらっしゃる。

 

ホーム開幕戦ということもあり、観客も多い。

盛況だが特別な「なにか」をしている訳では無い。

正直、スタジアムはショボイしアクセスは悪い。対戦カードもJ3の知名度もイマイチなクラブ同士の対戦だ。オマケに天気も悪い。・・・にも関わらず会場の賑いを見るに首都圏のクラブは大きな可能性を秘めていることを実感する。人口が多いというのはそれだけで正義なのだ。このクラブも隣の町田ゼルビアのように、なにかキッカケがあれば大きく飛躍するんだろうな・・・。

 

着座すると私と同じく株主と思われる人物が周囲にいる。メインスタンドの指定席だったが、陸スタということもあり試合は見にくい。トラックが邪魔で選手が遠いな~という印象。

 

試合は開幕2節ということもあり固いゲーム。決定機が少ないなか、相模原が1点をもぎとり、試合を押し切った。


帰りはスタジアム至近の女子美術大学前からバスに乗る。バスは小一時間ほど走り相模大野駅へ。原当麻駅から山越えするよりだいぶ楽をさせてもらった。来るときもこうすれば良かったのね(笑

広島市内から約1時間掛かる劣悪アクセスのエディオンスタジアム(旧ビックアーチ)。

Jリーグが誕生して30年もの間、広島サポーターは永らくこの状況に耐えてきた。

しかし、何度目かの新スタジアム建設議論が結実し、来年新しいスタジアムが完成する。

つまり、今年(2023年)はビックアーチ最終年だ。

 

実はビックアーチへは行ったことが無かった。

いつか郷土のサッカーチーム「ガイナーレ鳥取」がサンフレッチェの前に立ちはだかる時が来るだろう。

その時に行けば良いと考えていいた。

しかし、郷土のチームはついにその時を迎えることは無かった。

 

と、言うわけで最初で最後のビックアーチ詣でへ。

カードはサンフレッチェ広島対湘南ベルマーレ。

鳥取市から米子~松江を経由し、松江自動車道を利用して三次へ。

三次から中国道。五日市ICで高速を降りればビックアーチまで2キロ。

4時間ぐらいの行程で到着。

広島ってこんなに近かったのね…。

 

スタジアムから少し離れた駐車場に車を停め、アストラムライン(モノレール)に乗車。

モノレールに揺られると何故か感傷的な気分になった。

 
昔、広島県は廿日市出身の女性とお付き合いする機会があった。

いい関係だったが、ほどなく女性は仕事の異動で鳥取を去り、広島に帰ると関係が自然消滅した。

これぐらいの距離なら、少し無理して追いかければ良かったのかな?

スタジアムへ向かう長い登り坂を歩きながらそんな事を考えた。

 

チケットはヤフオクで数百円だった。

スタジアム内ではペットボトル1本300円。

試合運営側はそういうことになると想定していないだろうが、席は捨て値で会場で諸々搾り取られる倒錯感。

暑さが感傷を吹き飛ばす。少々命の危険を感じながら試合を見た。

それでも時々、彼女が言った別れの言葉がフラッシュバックする。

 

「人生って難しいね」

 

試合は湘南が開始早々に退場者を出し、後半にはPK献上。結局、それが決勝点となり1-0で広島が勝利。正直、塩試合だった。

 

帰りの列車は満員だった。

「もうアストラムラインに乗ることも無いな」

ぽつりと県外から来た湘南サポーターが呟いた。

 

そうだ。

人生はいつだって巻き戻せない。

気がつけばアストラムラインに揺られながら「人生って難しいね」と呟いていた。

2023/3/18、FC大阪のJリーグ初戦ということで東大阪市花園ラグビー場へ。

最寄りの東花園の駅を降りるとラグビーのオブジェだらけ。

あとは3月末まで放送していたNHKの朝ドラ「舞い上がれ!」の旗が少々。

こんなサッカー不毛地帯になぜJチームが誕生したのか不思議に思いながらスタジアムへ。

 

時期的に統一地方選前だったため、スタジアムがある運動公園入口で、大阪維新の会の候補者らしき人物がいかにこのクラブを盛り立てたか演説していた。

聞き耳を立てると「✗✗にあったこのチームをこの地へ誘致し、スタジアムの指定管理者として~(自主規制)~維新の○○をよろしくお願いいたします!」と言っている。

たしかに、2020年にFC大阪は同スタジアムの指定管理者に選ばれた。

その際、日本ラグビー協会は複数の団体でつくる「ワンチーム花園」で手を挙げたが、2者の戦いに敗れ「次点」になった。

FC大阪側の提案内容が素晴らしかったのもあるだろうが、ラグビーの聖地にサッカーチームが喰い込めたのは何らかの政治力が働いた…と考えるのが自然。

 

色々と興味深いことをサラサラと演説する候補者。

しかし、料理人の出自や思想信条を延々と教えられると本題の料理(試合)の味が変わってしまう。

「いい加減にしてくれ・・・ただサッカーが見たいだけなんだ。」そう思いながらスタジアムへ。

スタジアムへ入場する際に気がついたが、観客の殆どは無料招待。

有料チケットを購入している人は殆どおらず、皆が何か「半券」のようなものを引き換えにして入場している。

観客数3408人だったが、有料観客は100人も居ない気がした。

かく言う自分もJリーグのキャンペーンで無料チケットが当たったクチである。

偉そうには言えない立場だが、行政主導ばかりでなく、実が伴わないとこの先厳しいだろう。

試合は自力に勝る対戦相手の盛岡が3-0で危なげなくFC大阪を寄り切り。

グルージャ盛岡は長いボールを多用して、前線の個で勝負するつまらないサッカーだったが、

それに対抗する「チームワーク」をFC大阪は殆ど見せることができなかった。

なんとなーーーくFC大阪はボトムハーフから上は無理だな…。

と思わせる試合だった。