『色彩をもたない多崎つくると、彼の巡礼の年』

読破しました。

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ここ一週間、枕元にはいつもつくるくん。

村上春樹さんの小説、やっぱり好きです。

なにが好きかって、まず、登場人物が圧倒的な暴力に立ち向かいそれでもなお懸命に生きているところ。


この新作の冒頭も抜群に良かった。



「 大学二年生の七月から、翌年の一月にかけて、多崎つくるはほとんど死ぬことだけを考えて生きてきた。そのあいだに二十歳の誕生日を迎えたが、その刻み目はとくに何の意味も持たなかった。」



その始まりを読んだだけで、何が彼をここまで追い込んだんだろう?
これからどんなストーリーが展開されていくんだろう?
って、想像がどんどん膨らんでワクワクした。



それから、登場人物にバイタリティあふれる行動力ある魅力的な女性がよくでてくるんですよね。
私、そういう人間が大好きだから本当に読んでいて心地いい。
今回の小説だったら沙羅。




あとは村上春樹の小説にでてくる場所が好き。
日比谷公園で芝生に寝転んでビールを飲んだり
日本橋の高島屋にご飯にいったり
五反田くんと麻布のバーにいったり。。(五反田くんって名前もかなり好き。いちいちこう、くすぐってくる)

今回、主人公のつくるは自由ヶ丘に住んでいるの。
それで思いを寄せてる女性と恵比寿で飲んだり銀座でお茶したり、、、。
青山の通りで彼女を見かけたり。。


いちいちスタイリッシュなんですよね。
都会的で、そしてどこか希薄な匂いがする世界観。
その中での個人のあり様。



言葉も翻訳的でクールでスカしてる感じがまたツボ。


文体も好き。



難解なところもあるけど、でもやっぱり読んでしまうんですよね。





昨日、有隣堂をふらついてたけど『色彩をもたない多崎つくると、彼の巡礼の年』入荷待ちみたいです。

恐るべし!!







おまけ

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昨日、舞台を観に行った帰り、赤坂見附の駅のホームにあった「天声人語」。LIKEとLOVEはどう違うのか。


LOVEは異質なものを求め
LIKEは同質なものを求めるとか。。


興味深い。