「プラテロと私」という、ヒメネスの抒情詩にイタリアの作曲家のテデスコが作曲した曲集の1曲です。つばめの飛翔を模したようなアルペジオの間に詩の朗読部分が挿入されます。

 

(技術面)

アルペジオ部分はギタリスト泣かせの難しさがあります。というのも、通常のアルペジオは指と弦が一対一の関係になる(つまり同じ指は毎回同じ弦を弾く)ことが多いのですが、この曲では、下降と上行で異なった弦を弾く必要があります。ギターは、弦と指(爪)の角度の微妙な調節が必要なので、異なった弦を弾くことが容易ではないのです。私も何度も練習してようやく滑らかに弾くことができたかと思います。

 

(曲想)

詩の進行に伴って、色彩を変化させる和声がポイントとなるでしょう。短調が基調となる中、終盤で一瞬、長調に転じたあとまた短調にもどる部分が気持ちを揺さぶります。