またまたDVDレビューです。本日は『かもめ食堂』の萩原直子監督&スタッフの『めがね』。
人生の一瞬に立ち止まり、たそがれたい。何をするでもなく、どこへ行くでもない。
南の海辺に、ひとりプロペラ機から下り立った女・タエコ(小林聡美)。
その小さな島は不思議なことだらけ。見たこともない不思議な『メルシー体操』なるものを踊る人々、いつもぶらぶらしている高校教師・ハルナ、(市川実日子)笑顔で皆にカキ氷をふるまうサクラ(もたいまさこ)、飄々と日々の仕事をこなすハマダの主人・ユージ(光石研)。
マイペースで奇妙な人々に振り回され、一度はハマダを出ようとするが、自分なりに「たそがれる」術を身につけていくタエコ。そして、タエコを追ってきたヨモギ(加瀬亮)を含めた5人の間には奇妙な連帯感が生まれていく。しかし、その時間は永遠には続かない……。
今回粗筋の説明が難しかったのでウィキペディアから引用させて頂きましたm(__)m
与論島で撮影されたそうで、海がものすごく綺麗。ハマダのキッチンなんかもとってもかわいらしくてナチュラルテイストのインテリアや雑貨が好きな人にはたまらないと思います。全てが美しくかわいらしく、映像だけでも十分楽しめます。
ちなみにハマダのご飯はどれも素朴で美味しそうで胃袋わし掴みwさすが『かもめ食堂』スタッフ。
ストーリーというほどのストーリーも無く、登場人物達の背景も描かれてはいません。ただ淡々と過ぎていく、でも不思議な時間。ゆったりとゆっくりと。そんな時間の中で心が変化していくタエコと一緒にほっこりと優しい気持ちになる映画です。
忙しい日常から離れたのに観光をしたり旅らしい旅をしようとするタエコ。何もないことや自分達のペースで全て進めていくユージやサクラに苛立つタエコ。そんなタエコは日常から逃げてきたつもりが結局は日常に縛られたままなんでしょうか。けれど“たそがれる”ことを覚え始めた時、日常から逃げるのではなく、日常から離れることで日常を眺めそして自分自身の“日常”を愛おしむことができるようになっていったんじゃないかな、なんて思いますf^_^;
他の言葉でなく“たそがれる”という言葉なのがキモなんでしょうね、きっと。心を空にするでもなくリラックスするでもなく、自分自身に、人生に思いを馳せゆったりと慈しんで柔らかに抱きしめる。“たそがれる”ことには才能がいる、という言葉に見終わった後妙に納得してしまいました。
心にすとんと落ちてくるような不思議な心地良さ。
時にはこんな風に自分とゆっくりと気負わずに向き合うのも悪くないかもしれません。