今夕のNHKテレビ「日本一長く服役した男」という番組で興味深いシーンがありました。
その男性は昭和31年に無期懲役刑が確定して、以来61年間刑務所暮らしでしたが、
昨年保釈制度の適用を受け、民間の老人介護施設に入所する事が許されました。
自由がなく命令により暮らしてきた刑務所から、自由な介護施設に移りました。
いきなり環境が変わったので、最初は戸惑いが隠せない様子でしたが、時間がたてばそれは慣れるものだと思いました。
しかし半年程後の取材で、男性は意外な言葉を口にします。
「いまだに介護施設の生活には慣れない。むしろ刑務所の方がいい!」
このまったく意外な言葉からは、いろんな事が考えられると思いますが、
私の父親は百歳から二年間ほど介護施設でお世話になったのですが、その経験から私はこう考えます。
刑務所と介護施設の違いは、「仕事」があるか無いかの違いではないかと思います。
一般の介護施設の中では、洗濯物を畳むとか食器を洗うといったお手伝いはあっても、仕事と言う物ではありません。
私の父はすることが無い状態が嫌いで、100歳まで身の回りの事を一人でやっていました。
そんな父は介護施設お世話になってから、する事もないのが一番イヤだと言っていました。
番組の男性は刑務所の中では丁寧な仕事で評判だったようです。
そんな男性のことだから尚更、「する事がない」状態が苦痛だったんではないかと想像します。
今後高齢者施設ではこの点をもっと考えていく必要があるだろうと思いました。