困った患者さん | おやじの絵日記

おやじの絵日記

後期高齢おやじの絵日記です

今日病院のロビーで父の昼食に付き添っていると、後方で「ケンちゃん!ケンちゃん!」と呼ぶ女性の声がしました。

何かなと振り返ると、私に「あんた漫才やっているケンちゃんやろ!」と言われました。

「ちがいますよ」と言うと、「ケンちゃんやん!わかるわ!」と畳みかけられました。

どうも「トミーズの健さん」と言われているようでしたが、ちょっとヤバそうな雰囲気だったので、そっと席を外しました。

そして少し離れた席から見ていると、今度は「トイレに連れて行って!」と看護師さんを呼んでいます。

誰も来ないと、「誰か来て~!トイレ行きたいのに、誰も連れてくれへん!」と大きな声を叫んでいます。

さらには、「お願いします!看護師さん読んで下さい!」と周りの人に頼んでいます。

見かねた人が、ナースステーションに連絡に行かましたが、

看護師さん曰く、「あの方は誰かにかまって欲しいだけなんですよ。トイレは5分前に行ったんでね。」

しかし知らん顔している当方も、何か悪い事してるようで、とても居心地のわるい思いでした。

するとベテランの看護師さんが来られて、話を相手に合わせながら実に手際よくベッドに誘導して行かれました。

それはほれぼれするさばき方でした。二人とも大きな声で話していたのでよく聞こえましたが、

相手のいう事を否定しないで聞きながら、それでいて相手に合わせてしまわない話術はお見事でした。

最期にはその女性に、「アンタと話してると楽しいわ!」とまで言わしめていました。