「天地明察」冲方丁 | おやじの絵日記

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妹に薦められて冲方丁(うぶかたとう)氏の「天地明察」を読みました。
 
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昨夜寝床で後半部分を読んだのが間違いでした。
読み終わってからも気持ちが高揚して朝方まで寝付けませんでした。
こんなことはあまりないのですが、中学生の時に吉川英治の「宮本武蔵」を読んだ時以来だと思います。
この小説は第31回吉川英治文学新人賞を受賞しているとのこと、何か共通しているものがあると思い考え、私が思いついたのは「女性」の存在です。
宮本武蔵の「お通さん」に対して、この小説には「えん」というめっぽう気が強く頭のいい女性が登場します。
「お通」や「えん」という女性の存在が、この歴史小説を白黒写真からカラー写真に変え、豊かな情感溢れるものにしているのだと思います。
そしてそれが私に徹夜をさせた要因だという結論に至りました。(笑)
 
登場する人物はすべて歴史上実在の人物だそうですが、それぞれが強烈な個性と気骨に満ち溢れ、日本の先人の凄さが紙面を通じても伝わってきます。
日本の数学の先駆者として「関孝和」という名前は知っていましたが、この本を読むまでその詳細についてはまったく無知でしたし、ましてこの本の主題となっている暦の世界の奥深さには目を見張り、己の浅学さを恥じました。
 
作者の冲方丁という方はこういう歴史小説のほかに、ゲームやアニメ作家でもあるそうです。驚きですね!私にはまったく考えの及ばない新しいタイプの作家なんでしょうね。
もう一つの歴史小説「光圀伝」も読みたくなりました。