読者登録してくださった方が
「Akemingさんの感性が大好きです」とうれしいメッセージを!
うれしくて涙が出てしまいました
その、私の感性を最大限に引き出したお話をぜひ掲載したい!と急に思い立った私
興味のある方はぜひ読んでください
まだ書き途中の作品ですが、私はこんな小説を書きたいのです
ここに出てくる少女は、小さい頃の誰かさんです(誰かさん=A)
写真は、実家の近辺
先ほど、写真を選んでいて泣けてきました
なんだか泣けて泣けてしょうがなかった
なぜかというと、このお話は、神様からのメッセージだからです
続きは、、、いつか、書店に並んだ時にどうぞ!
「 天井裏の神さま 」 鈴乃
うす曇りのぼんやりとした、長月の夕暮れの空の下。
田園広がる空に、二羽のカラスが並んで飛んでいる。一羽は、左目がつぶれている。一羽は、頭に十円玉ほどの大きな禿がある。
二羽は、人間にはわからない動物の本能を使い、お互いが合図を送りながら、降り立つところを伝え合った。
二羽が降り立ったところは、神社の御堂に背を向けて立っている狛犬の頭上である。片目のカラスは、御堂に向かって右側の狛犬に、十円禿のカラスは左側にとまった。
片目のカラスが言った。
「自分は、瓦屋根の上がいいと言ったんだがな」
十円禿のカラスが、すかさず答えた。
「俺は、ここが好きなのさ。だって、このお犬さまは守護獣なんだぜ。ここにいりゃ、人間どもも、俺らに悪さができないだろう」
すると、片目のカラスが、つぶれていない右目をギラっとさせた。
「自分は、守られなかったがな」
「そういえば、おまえさんは、ここにいた時に、目をつぶされたんだもんな」
十円禿のカラスはそう言って笑った。
「あん畜生の投げた石が、自分の目に当たるとは思わなかったんだよ」
「あん畜生って、人間は畜生じゃないさ。おまえさんが畜生なんだろうが」
十円禿のカラスは、今度は声をたてて、カーカーと笑った。そして、辺りを見回して、敵がいないことを確認すると言った。
「おまえさん、あの時、どうして逃げられなかったんだい?俺らは逃げるのが速いはずなのに」
「ちぇっ。本当だよなぁ。自分らは逃げ足が速い鳥なのに」
片目のカラスは、悔しそうな顔をした。
「おまえさん、悪いことしたんだろ。それで、ここの神さんが罰を与えたんだな。神さんのお供え物でもつついたか?」
十円禿のカラスが、余裕の顔で言った。
すると、片目のカラスが、納得した顔つきになった。
「そうか。もしかしたら、神さんの仕業だったのかもしれん。自分は、油断して逃げ遅れたせいだと思っていたのだがね」
「おっと、冗談だよ。神さんは、意地悪はせんよ」
「いや。わからんよ。自分は、あん時、ここの神さんが御堂にいるかどうか見ていて逃げ遅れたんだからな」
「神さんは、いつも御堂にいるんだろ?」
「おいおい、おまえさん、御堂の中を見ていないんだな。ここの神さんは、しょちゅう、飲んだ暮れて寝ているんだぜ。参拝者がたくさん来る正月だって、おとそを飲み過ぎて寝ていたこともあったしな。それに、もしかしたら、別のところに引っ越したかもしれんよ」
「引っ越し?神さんは、ここにおらんのか。じゃあ、このお犬さんも俺らを守護してくれないってことか?」
「わからん。とにかく、自分は、あん時、神さんがいるかどうか、御堂を覗いていたんだよ。覗くことに気をとられて、人間が自分を狙っていることを忘れていてこれさ」
片目のカラスは、頭をふった。
「おまえさんが、そんなにまで一生懸命に中を覗いていたのはなぜなんだい?」
十円禿のカラスにそう聞かれて、片目のカラスは、辺りを見回しながら、小声で言った。
「だって、あの日の前の晩に御堂で見ちゃったからさ」
「見ちゃったって、おまえさんが見たものは、神さんに都合の悪いことだったのか?」
「たぶんな。だから、目をやられたに違いない」
「そんな意地悪な神さんがいるわけないさ」
十円禿のカラスが、大声で笑った。
「いや、ここの神さん、やばいことになっているからな。だから、両目や命はとらないにしても、脅しに近いことだったんだろう」
「脅し?そんな重要な場面に遭遇したのかい?」
「神さんは、あのことの噂が出回ると困るのさ。実は、満月が一番高い位置に来る時間に、自分はここの神さんに呼ばれているんだ」
「神さんに?」
「そうさ。きっと、あの晩のことの揉み消しだろうよ」
「そりゃ、たいへんだ。おまえさん自身が消されやしないだろうな」
「へんなこと言うなよ。自分は逃げない決心をしたのに。自分を呼ぶってことは、取引があるのだと思うから、消されることはないさ」
「取引って?揉み消すために、おまえさんが得するってことかい?」
「ああ。そんな気がする」
「その取引の日っていつなんだ?」
「実は、今夜だ」
「そうか。今夜は確かに満月だな。しかし、おまえさんは、何を見たっていうんだ」
「言えねーよ。それを言ったら、今度は反対側の目もやられちまう。片目で餌が狙いづらいっていうのに、もう一つの目がなくなった食うものも探せない。そうなったら、自分は、ひもじくて死ぬしかないさ。だから、今夜、自分は意を決して神さんに会うんだよ」
十円禿のカラスは、片目のカラスが気の毒に思えた。
「まったく、おまえさん、ついていなかったな」
こうして、二羽がカーカーと話しているところに、一人の女の子が参道をスキップしながらやってきた。
年は八歳くらいだろうか。利発的な目をしたおかっぱの女の子である。学校の帰りのようだ。ランドセルを背負って、「こばやしゆうみ」と平仮名で書かれた大きな名札を左胸につけていた。
二羽は、話すのをやめて、狛犬の頭上からその女の子に注目した。
優美は、ランドセルを下ろすと、握り締めていた硬貨を参拝箱に投げ入れた。そうして、手をぱんぱんと叩いて願い事をつぶやき始めた。
「神さま、あたし、いつも神さまが側にいると信じているよ。だって、神さまは、えらいけどあたしのお友達でしょ。お友達だから、あたしの願いごとをかなえてくれるよね。あたし、運動会のかけっこで一番になりたいの。今日はこのお願いをかなえてくれるだけでいいけど、できれば、ピアノが上手に弾けるようになりたいし・・・あ、それから、お習字の時にお洋服を汚しませんように」
カラス達は、狛犬の頭上で囁きあった。
「おい、おまえさん、ここには神さんがいないんだろ?」
「ああ、かわいそうにな。ここには神さんはいないのさ」
すると、優美がおかっぱの髪を揺らして、すごい勢いで狛犬の方に振り向いた。
「神さまはいるもん!」
カラス達は、驚いて思わず「カー」と鳴いた。
「俺らの声が聞こえるのか?」
「ありえん」
優美は、動揺するカラス達に満面の笑顔を向けた。
「なーんだ。カラスさんたちの声だったのね。ねえねえ、何で神さまがここにいないってわかるの?」
「そ、それより、お嬢ちゃん、人間なのに、どうして俺らの話がわかるんだい?」
二羽のカラスは、驚きのあまり、逃げることを忘れていた。
優美は、両手を後ろで組んで、からだを左右に揺らしながら、おかっぱの髪をゆらゆらさせて答えた。
「わかるよ。あたし、お花の声も、アリさんの声も聞こえる。それより、あんた、この前はかわいそうだったね。あたしが石を投げた子に怒っておいたよ。動物をいじめちゃいけないよって」
片目のカラスは、あっけにとられた顔で、狛犬の上から動けずにいた。
「お嬢ちゃん、あの時、いたのか?」
「いないよ。石を投げた子が学校で自慢していたの。おわっさまでカラスをやっつけたってね」
「おわっさまで?」
十円禿のカラスが、怪訝そうな顔で優美の台詞を繰り返すと、片目のカラスが答えた。
「この神社の通称だよ。ここは、鷲なんとか神社っていうから、お鷲様でおわっさま」
すると、優美が「そうそう」と言った。
「おわっさまって鷲の神さまなの?あたしは違うと思うんだけど。だってさ、そのあんたに石を投げた子、『ここは鷲の神様がいるんだ。鷲は、かっこよくて好きだから、カラスを退治した』とか言ってさ。あんたが何か悪いことしたんならわかるけど、弱いものいじめはいけないよね」
「なーんもしとらんよ。だた、ここにいただけさ。このお犬さまの上にとまってね」
「うん、だからね、あたし、そういうの好きじゃないから怒ったの。あの男の子、五年生だし、からだが大きいから怖かったけど、あたしは怒ってやった。そしたら、その子にぶたれたけどね。痛くて泣きそうになったけど我慢した」
優美は、頬を膨らませて言った。
「でも、確かに、自分らカラスは鷲にはかなわんよ。でも、鷲が好きだからカラスを退治するっていうの、理不尽ないじめの理由だよな。おかげで自分は片目さ」
「リフジンて?」
小学生の優美に、理不尽の意味がわかるわけがないのだ。優美は少し痺れを切らして「ねえ、だからさ」と言って手の平を合わせた。
「何でここに神さまがいないの?あたし、困るんだけどな。だって、お母さんに寄り道がばれないように内緒で来たのに。ここに神さまがいないんなら、あたしはどこへ行けばいいの?」
片目のカラスが不思議そうな顔で聞いた。
「お嬢ちゃんが、そんなに困るのはなぜなんだい?」
優美は、恥ずかしそうにもじもじしながら答えた。
「うん・・・だってね、兄弟であたしだけがいつも怒られてばかりいるから」
「怒られることをするからだろ?いいこにおなり」
今度は、十円禿のカラスが言った。
「いいこにしているつもりだよ。でも、お母さんは、あたしがかけっこが遅いことが嫌いなの。もうすぐ運動会なのに、ビリだったら怒られちゃう・・・それに、隣町の百合子ちゃんよりピアノが上手じゃないと怒られるし、習字の墨でお洋服汚すのは、兄弟であたしだけだって怒られるし・・・」
「そりゃ、母さんが厳しいだけだよ。お嬢ちゃんが反省することじゃあないさ。一生懸命がんばればそれでいいことじゃないか。それって神さんに頼むことじゃないと思うがね」
片目のカラスがそう言うと、十円禿のカラスが続けた。
「それより、ここには神さんはいないそうだから、頼んでも無駄だよ」
優美は「そうなんだ」と、悲しそうな顔でつぶやいた。
「でもね、神さまはどこかにいると思う。あたしは、きっと会えると思う。今は、神さまがいなくても、いつかここにも戻ってきてくれるよ」
優美はそう言うと、あ、と思いついたようにランドセルのふたを開けて、藁半紙に包まった食べかけのパンを出して「お食べよ」と言った。
おなかをすかせた二羽のカラスは、その食べかけのパンに飛びつきたいくらいだった。しかし、優美がカラスと話せるとはいえ、人間だ。人間への警戒心を捨てるわけにはいかない。
「あたしは、あんたらをいじめないから大丈夫だよ」
優美が笑った。
「これさ、今日の給食の残り。全部食べないから先生に怒られちゃった。うちに持って帰ると、今度はお母さんに怒られちゃうから、あんたたちに食べてもらえるとあたしも助かるんだ」
狛犬の上のカラスたちは「おい、どうするよ」と、目で合図しながらも戸惑っていた。
「じゃあ、あたしがここからいなくなるよ。ここに置いとくから、あたしがいなくなったら食べなね」
優美はそう言うと、藁半紙の包みからパンを出して、境内の石段の上にそっと置いた。
「きれいに食べてよ。食べ切れなかったら、スズメたちにも分けてあげて」
優美は、六十五点と赤ペンで書かれたマーガリンの脂のついた藁半紙のしわを伸ばしながら「百点とれなかったから、これも怒られちゃうな」と、困った顔をした。
すると、片目のカラスが、やさしい目を優美に向けて言った。
「よし。自分がその紙を隠しといてやるよ」
「隠してくれるの?誰にもわからないところに?」
「ああ。神さんとこなら大丈夫だろう。神さんに渡しておいてあげるよ」
十円禿のカラスが、片目のカラスに目で合図をした。「おまえさん、何を言っているんだ?」と言わんばかりに。
でも、片目のカラスは真面目な顔つきで、優美に言った。
「ぶたれながらもあん畜生に怒ってくれた勇敢なお嬢ちゃんへの感謝の気持ちだよ。それから、このパンのお礼にさ。このくちばでくわえられるよう、小さく丸めておきな」
優美は「本当?神さまに?」と弾んだ声で言うと、藁半紙を力をこめて小さく丸めた。
「ありがとう。でも、神さまにはテストの紙って言わないでね。恥ずかしいから」
優美は、小さく丸めた藁半紙を賽銭箱の上に置くと、ランドセルを背負って参道を走っていった。
To be continued・・・ Written by 鈴乃@Akeming
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