バレンタインshort story:決心のできないオンナ | ma*nani通信Akemingのステキな40代

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年をとるのはこわくない!
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美しく年齢を重ねられるよう日々努力しています。
若さの秘訣。それは気持ちから。
キレイな心を磨いて年齢を重ねるごとにパワーアップ!

寝室の本棚に置かれた茶色いパッケージ。


きれいに並ぶ本の上に無造作に置いてある。


誰かが私の本棚を見たら「なに、これ?」とその袋を手にとって見るだろう。


一見スナック菓子のパッケージに見えるけれど、きちんと整頓された本が並ぶ本棚に置くにはそぐわないものだから。


少しだけ重量感があるそれを手に取ると、中にふわふわな感触の何かが入っているのがわかる。


そして、よく見るとクッキングボウルと泡だて器の絵が描いてある。


たったの3段階のケーキの作り方だ。


そこで手に取った人は


「まあ、こんな便利なものが売っているのね。ケーキミックスに加えるのが卵3個だけだなんて簡単でいいわ」


と言うはずだ。


実際に私もそう思って購入したのだから。


そう。その茶色い袋には液状のケーキミックスが入っている。


先日、雑貨ショップで見つけた簡単にできるチョコレートケーキの素。


その日、ふらっと入ったそのショップはバレンタインデー用に手作りチョコレートコーナーが設置されていた。


そのチョコレートケーキの素は、私がそこで数分立ち止まりあれこれ手にとった中から選んだものだ。


もちろん、バレンタイン用に作るつもりでそれを持ってレジに並んだ。


ケンイチにプレゼントするチョコレート、今年は、どんなものにしようか迷った私。


女友達の千加子が


「今年のダーリンへのチョコレートはブルガリかなぁ。

去年はピエールマルコリーニの予約がとれなくてファブリスジロットのチョコレートだったのだけど」


と言っているのを聞いて、デパートで並んで高級チョコレート買うのもいいかなと考えたけれど、私はケンイチをバレンタインディナーに招待しようと思った。


イタリアンキュイジーヌの好きなケンイチのために、私が作ったアンティパスト、パスタ、魚の皿、肉の皿まで用意して、ドルチェをチョコレートケーキにしようと考えた。


ケンイチが買ってきてくれたシャンパンも冷蔵庫に冷やしたままになっていたし。


あの晩、「ユミエが好きなシャルドネのシャンパンがあったから買ってきたよ」


と、紙で包まれたシャンパンボトルをケンイチから手渡された時、私たちはイタリアンレストランでおなかを満たした後だった。


「今日は飲めないわね」と、笑いながら冷蔵庫に閉まった私。


これは一体いつ飲めるのかしら、と冷蔵庫を開けるたびに思っていた。


さあ、これで今年のバレンタインのプレゼントは決まった。


バレンタインディナーの日にちは決めず、ただ


「バレンタインディナーにご招待するわ。冷蔵庫に冷えているシャンパンを一緒に飲みましょう」


とだけケンイチに伝えてあった。


そして、バレンタインデーまであと一週間というウィークデー。


私は白金に用事があってプラチナ通りを歩いていた。


そういえば、この通りにお気に入りのチョコレートショップがあったわ、と思い出した私は用事を済ますとそのチョコレートショップに向かった。


実は、この日の夜、ケンイチと会うことになっていた。


バレンタインディナーの手作りケーキとは別に、ケンイチに今日チョコレートを手渡そうかしら、とふと思ったのだ。


お気に入りのマシュマロとナッツの入った棒状のチョコレート。


そうして、私はケンイチ用に、自分用に、そして女友達用に数個購入した。


私は意気揚々とその夜ケンイチにチョコレートの入った袋を手渡した。


すると、ケンイチは言った。「ごめん。今日は持って帰れないよ」


「え?なぜ?」


「今日は帰宅時間がいつもより遅いというのにこれは家に持ち帰れない。ごめん」


とすまなそうにケンイチが言う。


「そうね、じゃあまたにしましょう」


私はにっこり笑ったが、心の中ではちょっぴり泣いていた。


多くは望まないようにって自分に言い聞かせてきたけれど、やっぱり悲しい。


その時、今まで少しずつ積み重なってきた何かが崩れた感じがした。


だから、本棚の上にケーキミックスが無造作に置かれているのだ。


たぶん、このケーキミックスのパッケージはしばらく開けることがないだろうといった感じで。


案の定、ケンイチから連絡がこないままとうとうバレンタインデーを迎えてしまった。


今日は土曜日。


ケンイチのファミリーデーだ。


ケンイチは、家族に囲まれてハッピーバレンタインデーなのだろうな。


「ハッピーバレンタイン」


と、私はつぶやき寝室で一人でマシュマロ入りのチョコレートをかじった。


残ったあとひとつも私が食べることになるのだろう。


チョコレートケーキミックスはマシュマロを入れて焼いて女友達と食べようと思った。


明日、千加子がうちに来るし。


私は、本棚のケーキミックスを手に取るとキッチンに移動させた。


いつまでも本棚に置いてあると自分の中の期待がぐずつくだけだから。


そうだ、シャルドネのシャンパンも明日開けてしまおう。


あれもいつまでも冷蔵庫に入ったままだと、自分の中の思い切りがはっきり定まらないから。


そう思いながらも、ケンイチから「連絡が遅くなってごめん」とメールでもきたら喜んで返信する自分が見えていた。


ああ、だめだな、私って。


きっと、マシュマロ入りのチョコレートもケーキミックスもしばらくとっておくに違いない。


あと。


シャルドネのシャンパンも。


The End・・・   Written by 鈴乃@Akeming


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【 決心のできないオンナ 後記 】



バレンタインデーにバレンタインデーにからんだ短編を書きたいなと思って、午後から慌てて書き出しました


(3時間半かかった(>▽<;; アセアセ)


今回は決心のできないオンナ、ユミエさんが登場しますが、私みたい(笑)


私、自分で決めるとすっぱり行動できる人なんだけど、意外と情が深いオンナゆえにぐずぐずする方なのです


「期待がぐずつく」とか「思い切りがはっきり定まらない」とか、私そのものだわ~笑



さて


お話に出てくるマシュマロ入りのチョコレートは白金に実在するショコラティエエリカのものです


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商品名はマボンヌといってわたしの大のお気に入り!






よかったら試してみてね!


赤ワインと合うよ~~~~




先日、買いに行ったら大行列・・・ma*nani通信中尾明美(Akeming)のステキな40代