アラブの砂

アラブの砂

アラブでは、三色の砂が見られる

珊瑚の混じった白い砂、ホワイトサンド（White sand)

一般的な砂漠の砂は、黄色、ワタシ的には、黄色というよりゴールドサンド（Gold sand)

そして、鉄分の混じった砂漠の砂は赤い、レッドサンド（Red sand)

さあ、今日は砂の物語

ワタシの短いお話で、それぞれの砂について語りましょ

【　白い砂　White sand　】

珊瑚の混じった白い砂は、あなたの潔さのようだ

そして、純粋で、少年のような白

真っ白の清潔な、おろしたてのヘインズのTシャツのような

ヘインズのTシャツのようなあなただから、

私もアクセサリーも時計もつけず、飾らずに真っ白のTシャツを着たいと思う

私たちはヘインズのTシャツを着て手をつなぐ

私たちは、ハイスクールラブ

"僕に会いたいんでしょ？"

まっすぐで嘘をつかない純白の白だから、私も大人のふりはしない

"今すぐ来て"

私たちは、ハイスクールラブ

エメラルドグリーンの海と真っ白な珊瑚の砂

この海で、波と遊ぶあなたを見てみたい

あなたみたいな人、他にいないよね

自分を信じて、まっすぐ突き進む勇気

あなたは、あなた

そのままの真っ白なあなたでいい

真っ白な私たちは、ハイスクールラブ

【　黄金の砂　Gold sand　】

風で砂が舞うと、砂漠の空が黄金色になる　

青い空の下に黄金の層ができる

砂が舞っている向こうに、陽炎のように、あなたの姿が見える

日に焼けた顔が、悪戯っぽく微笑んでいる

子どものような無邪気さが風で舞う

Gold sandは、あなたの悪戯な心のよう

あなたのサンドストームでGold sandが撒かれ、私の肌に、砂がはりつく

"どうして、そんな子どものような目で見つめるの？

そんなにじっと見ないで"

子どもを優しく叱るように、でも、かわいい子の髪をなでたくなるような心境で、

私を直視するあなたの目を制した

"いいじゃない、だって、久しぶりに会ったんだから、キミの顔をずっと見ていたいよ"

頬杖ついて、上目遣いで悪戯っぽく笑って、私を見ている

私は、いつの間にか大人になっていた

あなたの子どものような無邪気さが、とてもまぶしく感じるのだもの

まぶしく感じた瞬間、サンドストームがおきて、Gold sandは、私の熱くなった肌にはりついた

水を浴びて、きれいにしても無駄かもしれない

サンドストームは何度もやってくるから

【　赤い砂　Red sand　】

赤い砂の砂漠もあるのよ　

知っていた？

あなたが情熱的な風を吹かせると、赤い砂が舞う

さらさらの赤い砂が舞っていると、私はその中に飛び込みたくなる

パッションを感じたいから

少し肌寒いな、と感じたある秋の夜、私は表参道にいた

表参道の交差点を渡ったところで、携帯電話のアドレスからあなたの名前を探す

パッションを感じたいと思ったから

骨董通りが見えるハンバーガーショップで、オニオンフライをつまみながら、あなたの車が通るのを待っていた

あなたが来るというのに、他のBFからのお食事のお誘いのメールの返事をうっていたら、

急に視界がさえぎられ、目にあたたかい手のぬくもりを感じた

"誰にメールうってるの？"

後ろにあなたの気配を感じた

こういう挨拶も悪くない

"あなたの車を見落としてしまったわ"

私は、オニオンフライをつまんで、あなたの口に運んだ

さあ、

あなたが登場したからには、今宵、情熱的な風を吹かせて

Red sandが舞う中でパッションを感じさせてちょうだい

からだを解き放ち

日常を忘れられる時間を過ごしたい

そんな思いが通じたのか、あなたに連れられて入った空間は、赤い砂漠

私は、その中に飛び込み、からだを自由にした

二人の大好きな音楽に合わせて、あなたが熱い風をおこすと、赤い砂が舞い、

私はその中でからだを解き放った

ヒールの高い靴をはいているのを忘れるくらい、その中で踊り続けた

赤い砂が、竜巻のように、私の周りをくるくる包み込み、

パッションとなってからだから熱いものをおし上げたとき、

あなたと私の唇はくっついた

リクエストした音楽が始まっても、赤い砂漠の二人の影は離れなかった

Ｔhe End written by Akeming

【　アラブの砂　後記　】

数十年前までは、砂漠の国だったアラブ首長国連邦

石油が採れるようになり、国が潤うと、あっという間に道ができ、ビルが建ち、都会へ変身した

それでも、広大な砂漠は広がっている

アルアインから見た砂漠は、美しかった

アルアインの岩石の山を登る途中での一枚

青い空の下が、層になっているのがわかる？これは、砂のまじった空気ってこと

この岩石の山を、まだまだ登って行くのだ

赤い砂漠、はじめて知った

赤い砂は、にぎってもサラサラと手からおちていく

赤い砂漠で生きる猫

イスラム教では、猫が大切にされているとのことで、猫は何度か見かけた

この厳しい気候の中、精一杯生きている小さな動物を見ると、ほっとするね

そして、エメラルドグリーンの海と真っ白な砂浜

美しいものは、いつまでも美しいまま残っていてほしい

ドバイの海は、一部開発で汚れてしまっているけれど、汚染された泥を取り除く作業がされているそう