さい帯血保存数の確保を | MTFのAkemiのblog イタリア児童文学・皆既日食・足摺岬が好き

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私は、イタリア児童文学が大好きで、皆既日食も大好きで、足摺岬も大好きな、団塊の世代に属する元大学教員で、性別はMTFです。季節の話題、お買い物の話題、イタリア語の勉強のしかた、新しく見つけたイタリアの楽しい本の話題などを、気楽に書いていこうと思っています。

岡村孝子さんがその恩恵を受けたことで、わたしどもファンにとっては忘れがたい記憶になっている「さい帯血バンク」。

歌手の岡村孝子さんが、さい帯血を移植し退院へ|新着ニュース・プレスリリース・イベント|北海道ブロック血液センター|日本赤十字社 (jrc.or.jp)

 

 

造血幹細胞を凍結保存しておく事業ですから、細胞の出所は異なるものの、治療のための医療資源の確保という意味では骨髄バンクと同趣旨のものです。

 

しかも、骨髄バンクはHLA一致のドナー候補者がみつかって以後にコーディネートと呼ばれる交渉過程を必要とするシステムであるのにひきかえ、さい帯血バンクはすでに凍結保存された現物が存在して、HLA一致さい帯血の存在が確認された段階で、ただちに医師がそれを予約し、患者に対する移植前処置を安心して始められるシステムですから、患者に与える心理的負担はずっと少ないです。

 

近年骨髄バンクを介した骨髄/末梢血幹細胞移植よりもさい帯血バンクを介したさい帯血移植のほうが伸びているのは、この「安心感」によるところも大であるようです(コロナ禍のため、最終同意後のドナーが病気となって提供に至れなくなるリスクが増していることも一因かもしれません)。

 

最新の発表によると、2019年以降は毎年のさい帯血移植実施数は1400件を超えています。そのせいもあって保存されているさい帯血のストックは一時よりも減って10000を割り込んでいます。

 

 

昨年、わたしの親戚の一人が出産しましたが、入院した医療機関は産科・小児科分野では定評のある有名病院であったにもかかわらず、その病院はさい帯血バンクネットワークに加入していなかったため、妊婦が「場合によっては……」と希望したバンクのためのさい帯血提供は実現しなかったそうです。せっかくボランティア精神があったのに、もったいないことです。

 

出産を控えた夫婦への啓発活動もさることながら、産科医療施設へのいっそうの協力要請も重要だと思います。