女子競泳界のホープ池江璃花子選手の白血病公表から三日、彼女当人だけでなく同じ白血病と戦っている全国の患者さんのために自分も貢献できればという殊勝なお気持ちからか、日本骨髄バンクへの問い合わせ数や、ドナー登録のできる全国各地の献血ルームへの来訪者数などが、急上昇しているそうです。
おかげで、日本骨髄バンクの関係者は、明日と明後日は、休日返上のてんてこまいになる可能性が高くなってきました。
ドナー登録者の増加を願い続けてきた関係者にとっては「うれしい悲鳴」ですが、それだけに、急増した「にわか志願者」が献血ルームにやってくる場合、骨髄移植と骨髄提供について、初歩的なことをまだわかっていない人も含まれてくる可能性があります。
だから、明日と明後日は、ドナー登録のための「説明員」として出動する人たちは、しっかり心してかからねばならないと思われます。
説明を受けようとする人の中に、「骨髄」と「脊髄」の違いさえ、まだわかっていない人が多くいることを前提として、話を始めねばならない覚悟が必要です。
昔から、この、二つの言葉に「髄」という字が共通して含まれていることに起因する誤解は後を絶ちません。
むかしわたしが、地方都市にいたとき、骨髄バンク運動に力になってもらえないかと、とある政治家の夫人とかいう人を相手に(←地方都市で人を動かそうとすると、こういう人脈を使わないとうまくいかないことって、よくありますよね!)、別のテーマでの会合の席上、さりげなく骨髄バンクの話もしたら、その人おっしゃるに、「わたしのような立場の者は、世の中のためになることには積極的であらねばならないと心がけてはいるのですが……、わたしの家の場合、小さいころに、妹が『髄液』の検査の針がこわくて、こわくてと、悩んでいた姿を見ているので、どうも、『骨髄バンク』と言われると、気持ちが引けてしまうんですよ……」。
いやあ、まいった。この人、あの世代の女性には珍しく、天下に名だたる某国立大学の文学部を卒業しているのですが(そして、ただの「政治家夫人」じゃなくて、ご自身大学の教壇に立っているという自立した女性なんですが)、あの知識人にしてなお、「髄液(脳脊髄液)」と「骨髄液」との違いがわかっていらっしゃらない。
読者のみなさんの中にもひょっとして、違いがよくわからないというかた、いらっしゃるのでは?
正解は、次にリンクする「知恵袋」の回答に書かれています。
(追記)
下にリンクするサイトに「たまに『骨髄』と『脊髄』を勘違いされることがありますが」と書いてありますけど、世の中を見ていると、残念ながら「たまに」じゃありません。
(追記、その2)
この記事を書いてからだいぶあとになって、つぎのような詳しい説明のサイトができました。