腰痛などを起こす椎間板ヘルニアへのかかりやすさを決める原因遺伝子の一つを、理化学研究所や富山医科薬科大などのチームが発見しました。
発症には遺伝的要因が大きいことは知られてましたが、原因遺伝子の特定は世界で初めてです。
今後、他の関連遺伝子も見つけ、早期診断法や治療薬の開発につなげたいとのこと。2日付の米科学誌ネイチャー・ジェネティクスの電子版で発表されました。
腰椎椎間板ヘルニアは椎間板変性による疾患です。国民の1%程度がかかり、腰痛、下肢痛、下肢のしびれ、麻痺などの症状を引き起こします。
理研の池川志郎チームリーダーらは、関節の軟骨の老化に関係する「CILP」という遺伝子に着目、椎間板ヘルニアとの関連を調べました。CILPは軟骨細胞の周囲の基質に存在するタンパクで、TGF-βという軟骨細胞の主要な成長因子と結合して、TGF-βが軟骨基質を生み出す働きを抑制します。このTGF-βに対する抑制作用が、椎間板ヘルニアの罹り易さの違いにつながります。CILPのあるタイプのSNP(一塩基多型)を持っている人では、椎間板ヘルニアの発症リスクがおよそ1.6倍になることがわかりました。
さらに、この遺伝子の働きが強いと、軟骨細胞にできた傷の再生を妨げることも確認できました。
海外の調査では、椎間板ヘルニアの発症要因の7割以上は遺伝的な影響とみられています。チームは、5~10個の遺伝子が発症に関与すると推定し、さらに、腰へのストレスや喫煙歴など環境要因が加わると、発症しやすくなるとみています。
今回の研究により、椎間板ヘルニアの患者さんの減少に期待が持てますが、椎間板ヘルニアが腰椎に多発する事から、重力と姿勢の関連も無視する事は出来ません。
今後の新たな研究結果が待たれるところです。


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